eラーニングでコンプライアンス研修を実践｜運用のポイントとは

社員研修
コンプライアンス
eラーニング

2025年10月3日(金)

監修者

ヒューマンキャピタルパートナーズ株式会社代表取締役／人的資本経営・組織開発コンサルタント

堂前晋平

組織・人材開発の専門家として、社員1万人を超える大手IT企業から10名以下の日本料理店まで、延べ500社・5万人超の支援実績を持つ。
大企業での営業経験を経て、ベンチャー企業にて支社設立・事業責任者・取締役としてIPO、さらに子会社設立を経験。上場企業のグループ人事責任者としてM&A後のPMIを担い、社員70名から400名への急成長を支援。これらの多様な経験を活かし、経営と人事の両視点から戦略的人材マネジメントを実践。日本経営品質賞本賞、ホワイト企業大賞、グッドカンパニー大賞などの受賞に寄与。2023年8月manebiのCPO（Chief People Officer）就任。現在はISO30414のリードコンサルタントとして人的資本経営の推進支援や社員研修の講師としても登壇中。

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本記事では、eラーニングによるコンプライアンスの導入から運用まで、実践的な方法と成功のポイントを詳しく解説します。

コンプライアンス研修 – 【manebi】eラーニングと集合研修で社員教育を効率的に

コンプライアンス研修向けのeラーニングとは？

コンプライアンス研修に向けたeラーニングとは、法令遵守や企業倫理をオンラインで学ぶ学習システムです。従来の対面形式の研修とは異なり、パソコンやタブレット、スマートフォンなどのデバイスで、時間や場所を選ばずに学習できる仕組みを提供します。

コンプライアンス研修について詳しく知りたい方は、こちら

なぜコンプライアンス研修が必要なのか

現代の企業経営に関して、コンプライアンス研修は法的義務の履行を超えて、経営基盤の強化と持続的成長のための戦略的投資として注目されています。その重要性を3つの観点から詳しく見ていきましょう。

企業の法的なリスクを減らし、経営の基盤をまもる

コンプライアンス違反は企業に対しての損害賠償や補償、事業停止などの深刻な経営リスクを起こす可能性があります。

コンプライアンス研修の実施により、従業員に関わる法令や社内規程を正しく理解し、日常業務における判断基準を明確にすることで、これらのリスクを予防することができます。また、内部統制システムの効果的な運用にも最適で、企業の経営基盤をより強固なものとします。

社会からの信頼を保ち、ブランド価値が下がるのをふせぐ

企業のブランド価値は長年にわたって着実に高められるものですが、コンプライアンス違反によりその価値が失われる可能性があります。SNSなどの発達により、企業の不祥事は即座に拡散され、社会的な批判を受けやすい環境となっています。

正しいコンプライアンス研修の実施は、従業員の倫理意識を高め、企業としての社会的責任を内外に示す重要な解決策となります。これにより顧客や取引先、投資家からの視点を維持し、長期的な企業価値の向上につなげることができます。

従業員が安心して働ける、いきいきとした職場をつくる

コンプライアンス研修は、職場環境の改善と従業員満足度の向上にも大きく貢献します。ハラスメント防止研修や労働法規研修に関する思いやり、すべての従業員が尊重され、公正に扱われる職場環境を構築できます。

また、情報セキュリティや個人情報保護に関する知識を共有することで、従業員自身も安心して業務に取り組む環境が整います。結果として、従業員のモチベーション向上、離職率の低下、組織全体の生産性向上といった効果も期待できます。

コンプライアンス研修向けeラーニングで学べること

eラーニングにおけるコンプライアンス研修では、企業の基盤を守り、従業員が安心して働くために不可欠な知識が体系的に提供されています。以下に、多くのeラーニングで学べる代表的なコンテンツを紹介します。

コンプライアンスの基本

「コンプライアンスとは何か」「なぜ企業活動に不可欠なのか」といった、全ての従業員が最初に理解すべき総論を学びます。法令遵守はもちろん、企業倫理や社会規範を守ることの重要性を理解し、コンプライアンス意識の土台を築きます。

労働法とワークライフバランス

労働契約に伴う権利・義務や、労働時間、有給休暇といった労働法の知識を学びます。特に管理者向けには、部下の勤怠管理や労災防止などの監督者責任についても解説し、健全な職場環境の実現を目指します。

ハラスメント予防

パワハラ、セクハラ、マタハラなど、多様化するハラスメントの定義や具体例、そして対処法を学びます。どのような言動がハラスメントにあたるかを理解し、未然に防ぐためのコミュニケーションのあり方を身につけます。

ハラスメントの種類についてはこちら

情報セキュリティ

個人情報や顧客情報、社内情報の漏えいを防ぐために必要な知識を学びます。情報管理の基本ルールから、近年のサイバー攻撃の手口と対策まで、全従業員に求められる情報リテラシーを高めます。

その他法令（下請法・知的財産など）

反社会的勢力の排除や下請法、知的財産権、インサイダー取引防止など、職種や業種に応じて必要となる専門的な法律知識を学びます。自社の事業に直結する法的リスクを理解し、適切な業務遂行を支援します。

コンプライアンス研修をeラーニングで実施する6つのメリット

従来の集合研修からeラーニング形式への移行により、コンプライアンス研修の効果と効率を大幅に向上させることができます。

全従業員へ均一な品質の教育を届けられる

集合研修では講師の集中や当日の条件により教育の質にばらつきが起こりがちですが、eラーニングでは全ての受講者に対して同じ高品質の教育コンテンツを提供できます。これにより、組織全体で統一された知識レベルとコンプライアンス意識の形成が可能になります。

特に多拠点展開している企業や地方支社を持つ企業では、地域による教育格差を解消し、全社的に集中したコンプライアンス体制を構築できることは大きなメリットです。

社員階層に応じた研修を行える

eラーニングシステムでは、新入社員、中堅社員、管理職といった最適化された研修コンテンツの配信が可能です。

例として、新入社員には基本的な法令知識とビジネスマナーを中心とした内容を、管理職には部下のマネジメントやリスクマネジメントに関する実践的な内容を提供するような使い方ができます。

時間や場所の制限を受けずに個人のペースで進められる

集合研修の場合、全員が同じ時間に同じ場所に集まる必要がありますが、eラーニングでは受講者が自分の都合に合わせて学習時間を設定できます。これにより業務に重点を置いて、より集中して学習に取り組むことができ、理解の向上につながります。

また、理解が難しい部分は繰り返し学習したり、すでに理解している内容は効率的に先に進み、個人の学習ペースに合わせた最適化が可能です。

学習履歴のデータ化で、管理業務を大幅に効率化

eラーニングシステムでは、受講状況、進捗度、テスト結果などすべての学習データが自動的に記録・管理されます。これにより人事担当者が手作業で出席管理や成績集計が不要となり、管理業務の大幅な効率化を実現できます。

さらに、これらのデータを分析することで、理解度が低い分野の特定、追加研修が必要な従業員の抽出、配置別の傾向分析などとなり、より効果的な研修計画の枠組みに活用できます。

法改正にも迅速対応！常に最新のコンテンツを維持

法令は頻繁に改正されるため、コンプライアンス教育に関しては常に最新の情報を提供することが重要です。 eラーニングシステムでは、法改正や新たな判例に対応したコンテンツの更新が迅速に行われ、受講者は常に最新の知識を学習できます。

従来の研修教材では、印刷物の差し替えや講師への情報伝達に時間がかかりがちですが、デジタルコンテンツであれば随時更新が可能です。

集合研修に比べて、研修コストを大幅に削減できる

集合研修では会場費、講師費、交通費、資料印刷費などの直接コストに加えて、参加者の移動時間や業務中断による一時費用も発生します。eラーニングではこれらのコストを大幅に削減できます。

初期時にはシステム導入に費用が発生しますが、長期的に見ると1人当たりの研修コストは大幅に削減され、ROIの向上が期待できます。【コンプライアンス研修】eラーニング導入のメリットとシステムの選び方【事例付き】では、さらに詳細な導入のメリットと成功事例をご紹介しています。

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コンプライアンス研修の効果を最大化する運用ポイント【5つの実践法】

eラーニングシステムを導入しただけでは十分な効果は得られません。継続的で効果的なコンプライアンス研修を実現するためには、以下の5つの運用ポイントを意識した取り組みが重要です。

経営者・管理職が率先して受講する

コンプライアンス研修の成功において最も重要な要素の一つは、経営層や管理職が研修の重要性を認識し、自ら率先して受講する姿勢を示すことです。トップダウンでのメッセージ発信と実際の行動により、組織全体にコンプライアンスの重要性が浸透し、受講率や満足度の向上に重要なつながりがあります。

管理職が部下に対して研修の意義を説明し、学習をサポートする体制を整えることで、形骸化を防ぎ、実効性のある研修運用を実現できます。また、経営層からの定期的なメッセージ配信も効果的です。

リスクの大きさを理解してもらう

「禁止ルールだから守りましょう」という表面的なアプローチではなく、具体的なリスクとその影響の大きさを受講者に理解してもらうことが重要です。実際の事例や判例を活用することで、より実効性のある教育が可能です。

個人への影響（戒告処分、法的責任など）から企業への影響（損害賠償、事業停止、信用失墜など）まで、リスクを含めた全体像を示すことで、利用者の当事者意識を高めることができます。

部門別リスクに応じて研修を設計する

部門ごとに抱えるリスクが異なるため、特性に応じてカスタマイズされた研修を提供することで、より実践的で効果的な教育を実現できます。例えば、営業部門では独占禁止法や下請法、人事部門では労働法規やハラスメント対策、システム部門ではセキュリティ情報を重点的に学習させます。

このような部門別のアプローチにより、受講者にとってより身近で関連性の高い学習内容となり、実際の業務における実践力向上につながります。

マイクロラーニング化で受講率を高める

長時間の学習は受講者の集中力低下や途中離脱につながりやすいため、1回10〜15分のマイクロラーニング形式にすれば、スマホで隙間時間に学べ、受講率が向上します。

また、各モジュールごとに明確な学習目標を設定し、達成感を感じられるような設計にすることで、継続的な学習の維持を図れます。

理解度テストで習熟度を測る

動画を集中して視聴したり資料を読むだけでなく、理解度テストやケーススタディで学習内容の定着度を確認することが重要です。また、テスト結果を分析することで、理解が不十分な分野や参加者を特定し、個別のフォローアップや追加研修の実施につなげることができます。

「eラーニングは意味ない」って本当？よくある失敗パターンから学ぶ対策では、研修の形骸化を防ぎ、運用を成功させるための具体的なポイントを詳しく解説しています。

失敗しないコンプライアンス研修向けeラーニングシステムの選び方【4つのポイント】

コンプライアンス研修の成功を考えるのは、適切なeラーニングシステムの選択です。たくさんの選択肢がある中で、自社に最適なシステムを見極めるためには、以下の5つの着眼点から総合的に評価することが重要です。

さまざまな研修コンテンツを利用できるか

コンプライアンス教育では、ハラスメント対策から情報セキュリティ、労働法規、業界特有の法規制まで幅広い分野をカバーする必要があります。選択するシステムが豊富な研修コンテンツを提供しているか、また自社の業界や規模に適したコンテンツが含まれているか詳しく確認することが重要です。

また、法改正や新たな規制に対応した最新コンテンツが定期的に追加されるか、コンテンツの品質信頼性はそういった点も評価基準に含めるべき体制です。専門的な監修があるシステムを選ぶことで、より信頼性の高い教育を実施できます。

自社教材を用いたカスタマイズが可能か

既存のコンテンツだけでなく、自社独自の教材やケーススタディを活用したオリジナルコンテンツの作成機能も重要な選択基準です。自社の業務内容や過去の事例に基づいた研修は、受講者にとってより実践的で考えやすいものとなります。

システムがどの程度のカスタマイズ性を提供しているか、教材のアップロード容量や対応ファイル形式、編集機能の充実度などを具体的に確認しておくことが大切です。また、カスタマイズに必要な技術的なサポートが提供されるかも重要なポイントです。

全従業員が直感的に使えるシンプルな操作性か

eラーニングシステムの操作性は、受講率や学習継続率に大きな影響を与えるため、年齢やITスキルに関係なく全従業員が直感的に使える設計であることが重要です。複雑な操作を必要とするシステムでは、受講者の負担が増加し、研修の形骸化につながるリスクがあります。

実際の導入前には、可能な限り多くの従業員にシステムの操作性を経験してもらい、フィードバックを収集することをお勧めします。また、マニュアル不要で利用できるレベルの直感性があるかも重要な評価ポイントです。

導入から運用まで、手厚いサポート体制が整っているか

eラーニングシステムの導入と継続的な運用を成功させるためには、ベンダーからの充実したサポートが必要です。導入時の初期設定支援から、運用開始後のトラブル対応、効果的な活用方法の提案まで、含まれたサポート体制があることを確認しましょう。

特に、専任の担当者が付いているか、サポートの対応時間や方法（電話、メール、チャット等）、トラブル時の解決スピードなどは、日常的な運用上重要な要素となります。

＜5つの選定ポイント＞

着眼点	重要度	備考
さまざまな研修コンテンツの利用可否	◯	自社コンテンツがなくとも安心
自社教材を用いたカスタマイズ性	◎	より実践的な研修を実現
受講管理・効果測定の管理機能	◎	「誰が・どこまで」を数字で理解
全従業員が直感的に使える操作性	◎	受講の途中離脱が減らせる
導入ー運用におけるサポート	◯	トラブル時の担当者の負担軽減

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manebi eラーニングがコンプライアンス研修に選ばれる理由

企業のコンプライアンス研修において、3,500社以上の企業がmanebi eラーニングを導入しており、その使いやすさと豊富なコンテンツが評価されています。その理由を具体的な特徴とともに詳しくご紹介します。

オプション動画含む約8,000超の研修コンテンツが使い放題

manebi eラーニングではオプション動画含む約8,000を超える豊富な研修コンテンツを提供しており、コンプライアンス分野においても網羅的な教育プログラムを構築できます。ハラスメント防止、情報セキュリティ、個人情報保護、労働法規、独占禁止法など、企業に必要なコンプライアンス教育のすべてをカバーしています。

これらのコンテンツは法改正や社会情勢の変化に合わせて定期的に更新され、常に最新の情報に基づいた研修を実施できます。