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資料をダウンロードする職場のハラスメントには、パワハラ、セクハラ、モラハラなど、数多くの呼び名があります。そのうち、法律で企業に防止措置が義務づけられているのは、次の5つです。
パワハラ/セクハラ/妊娠・出産・育児・介護休業等に関するハラスメント/カスハラ/求職者等に対するセクハラ
2026年10月1日、このうちカスタマーハラスメント(カスハラ)対策と、求職者等に対するセクハラ対策が、新たに事業主の義務になりました。
当記事では、ハラスメントの種類を一覧表で整理し、法律上の義務があるもの・ないものの違いと、それぞれの意味を解説します。
ハラスメントとは?
ハラスメントとは、相手に対する「嫌がらせ」や「いじめ」などの行為をさします。簡単にいえば、相手の意に反する言動で、不快感や苦痛を与える行為のことです。
職場のハラスメントは、立場や関係性を背景にした言動によって、働く人の就業環境を害するものを指します。
職場でのハラスメントの現状
(「令和5年度 厚生労働省委託事業_職場のハラスメントに関する実態調査報告書」より引用)
厚生労働省の「令和5年度 職場のハラスメントに関する実態調査報告書」によると、過去3年間にハラスメントの相談があった企業のうち、パワハラが64.2%で最多でした。次いでセクハラが39.5%、さらに顧客等からの著しい迷惑行為(カスハラ)が3位に入っています。
多くの職場でハラスメントが課題となっており、企業の対応が求められています。
ハラスメントの種類と法的義務の一覧表
「ハラスメントの種類」を一覧にまとめました。法律上の防止義務の違いで整理しています。
| 種類 | 意味 | 根拠法 | 防止措置 |
|---|---|---|---|
| パワーハラスメント(パワハラ) | 職場の優越的な関係を背景に、業務上必要かつ相当な範囲を超えた言動で、就業環境を害すること | 労働施策総合推進法 | 義務あり |
| セクシュアルハラスメント(セクハラ) | 労働者の意に反する性的な言動により、不利益を受けたり、就業環境が害されたりすること | 男女雇用機会均等法 | 義務あり |
| 妊娠・出産・育児・介護休業等に関するハラスメント(マタハラ・パタハラ・ケアハラ) | 妊娠・出産や、育児・介護休業などの制度の利用を理由にした嫌がらせ・不利益な取扱い | 男女雇用機会均等法/育児・介護休業法 | 義務あり |
| カスタマーハラスメント(カスハラ) 🆕 | 顧客や取引先などからの、社会通念上許容される範囲を超えた言動によって、従業員の就業環境が害される行為を指します。 | 労働施策総合推進法 | 義務あり(2026年10月〜) |
| 求職者等に対するセクハラ(就活セクハラ) 🆕 | 採用活動中に従業員から受けた性的な言動によって、求職者の就職活動が妨げられることをいいます。 | 男女雇用機会均等法 | 義務あり(2026年10月〜) |
| モラハラ・アルハラ・オワハラなど | 法令上の定義はなく、慣用的に使われる呼称 | — | 法律上の義務はない(対応は必要) |
職場でのハラスメントの種類を一覧で解説(防止義務あり)

次の5つについては、防止措置を講じる義務が法律で定められています。企業は対策を準備しておく必要があります。
- パワーハラスメント(パワハラ)
- セクシュアルハラスメント(セクハラ)
- マタニティハラスメント(マタハラ)
- 介護休業ハラスメント
- カスタマーハラスメント(カスハラ)
パワーハラスメント(パワハラ)
職場において、優越的な関係を背景に、業務上必要かつ相当な範囲を超えた言動によって、労働者の就業環境が害されることです。
厚生労働省は、パワハラの典型例を次の6つの類型に整理しています。
身体的な攻撃/精神的な攻撃/人間関係からの切り離し/過大な要求/過小な要求/個の侵害
労働施策総合推進法(パワハラ防止法)により、大企業は2020年6月から、中小企業は2022年4月から、防止措置が義務づけられています。
【2026年10月改正】 パワハラ防止指針が改正され、商品の買い取り強要等(いわゆる自爆営業)と、カミングアウトの強要または禁止が、職場におけるパワハラの例示に追加されました。
▶ 定義・3要件・判断基準は「どこからがパワハラ?パワーハラスメントの定義・3要件と判断基準」
▶ 法律の内容は「パワハラ防止法とは?概要と企業が取るべき具体的な対応策を解説」
セクシュアルハラスメント(セクハラ)
職場における、労働者の意に反する性的な言動です。性別を問わず対象となり、同性間でも起こり得ます。
厚生労働省は、セクハラを「対価型」と「環境型」の2類型に整理しています。
男女雇用機会均等法により、企業にはセクハラ防止のための雇用管理上の措置が義務づけられています。
▶ 定義・2類型・事例は「セクハラ研修で安全な職場作りを!法対応から研修実施まで完全解説」
妊娠・出産・育児・介護休業等に関するハラスメント(マタハラ・パタハラ・ケアハラ)
妊娠・出産したこと、育児休業や介護休業などの制度を利用したことを理由に、上司や同僚が行う嫌がらせや、不利益な取扱いです。
- マタハラ……女性の妊娠・出産に関するもの
- パタハラ……男性の育児休業などの取得に関するもの
- ケアハラ(介護休業ハラスメント)……介護休業や時短勤務などの利用に関するもの
男女雇用機会均等法と育児・介護休業法により、防止措置が義務づけられています。
▶ 詳しくは「マタハラとは?法的義務や対策、効果的なマタハラ防止研修まで解説」
カスタマーハラスメント(カスハラ)
顧客等からの著しい迷惑行為によって、従業員の就業環境が害されることです。理不尽なクレームや過剰な要求などが典型です。
2026年10月1日から、顧客等からの著しい迷惑行為から従業員を守るための措置が、すべての事業主の義務になりました。
現場の従業員が個人で抱え込まず、会社として組織的に対応する体制が求められます。
▶ 義務化の内容は「カスハラ対策を徹底解説|社員研修で押さえるべき重要なポイント」
▶ 業種別の対応は「業種別カスタマーハラスメント(カスハラ)対策とは?」
求職者等に対するセクシュアルハラスメント(就活セクハラ)
自社の採用面接やインターンシップ、教育実習等に参加する求職者等に対する、セクハラです。まだ自社の従業員ではない相手も、防止措置の対象になりました。
2026年10月1日から、男女雇用機会均等法により、防止措置が事業主の義務になりました。なお、内定を出した学生に就職活動の終了を迫る「オワハラ」は、別の問題として整理されています。
▶ 詳しくは「セクハラ研修で安全な職場作りを!法対応から研修実施まで完全解説」
ハラスメントの種類を一覧で解説(法律上の防止義務はないが、対応が必要なもの)

次のハラスメントには、法令上の定義や、防止措置の義務はありません。慣用的に使われる呼称です。
ただし、義務がないことは、対応しなくてよいという意味ではありません。言動によっては、パワハラやセクハラに該当し得ます。放置すれば、民事上の責任を問われる可能性もあります。
その他のハラスメント一覧と意味
| 呼称 | 意味 |
|---|---|
| モラルハラスメント(モラハラ) | 言葉や態度による精神的な嫌がらせ。人格の否定、無視、過干渉など。→ モラハラ対策とは |
| アルコールハラスメント(アルハラ) | 飲酒の強要、宴会への参加強要など、飲酒にまつわる迷惑行為 |
| 就活終われハラスメント(オワハラ) | 内定を出した学生に、就職活動を終えるよう圧力をかける行為。厚生労働省は、学生の職業選択の自由の侵害にあたるとして注意喚起している |
| スメルハラスメント(スメハラ) | 体臭や香水などの強い臭いで、周囲に不快感を与えること |
| テクノロジーハラスメント(テクハラ) | ITやデジタル機器に不慣れな人を見下す、馬鹿にするなどの言動 |
| ジェンダーハラスメント(ジェンハラ) | 「男なら」「女のくせに」など、性別による固定観念を押し付ける言動 |
| エイジハラスメント(エイジハラ) | 年齢を理由にした差別的な言動 |
| ロジカルハラスメント(ロジハラ) | 正論や論理で、相手を追い詰める言動 |
| マリッジハラスメント(マリハラ) | 結婚の有無や予定を詮索したり、結婚を急かしたりする言動 |
| リモートハラスメント(リモハラ) | テレワーク中の過度な監視、オンライン会議への参加強要など |
| SOGIハラ | 性的指向・性自認に関する差別的な言動や嫌がらせ。2026年10月のパワハラ指針改正で、カミングアウトの強要・禁止も例示に追加された |
| アカデミックハラスメント(アカハラ) | 大学などの教育・研究の場で、教員が地位や権限を利用して行う嫌がらせ |
ここに挙げたのは代表例です。ほかにも多くの呼称があり、その数は定まっていません。
法律上の義務がなくても、企業は責任を問われ得る

防止措置の義務がなくても、ハラスメントを放置すれば、企業は次の責任を問われる可能性があります。
- 安全配慮義務違反……労働契約法上、使用者は従業員の生命や健康を守る義務を負います。精神面の健康も含まれます
- 使用者責任……従業員が業務中に他者へ損害を与えた場合、民法715条により、使用者が責任を負うことがあります
実際には、多くの企業が自主的に対策を講じています。
十分な場合、従業員からの信頼を失います。これにより、リーダーシップが機能しなくなり、組織全体の統率力が低下します。
2026年10月に何が変わったか

2026年10月1日に施行された改正で、企業の義務は次のように広がりました。
| 改正点 | 内容 | 根拠 |
|---|---|---|
| カスハラ対策の義務化 | 顧客等からの著しい迷惑行為から従業員を守る措置が、すべての事業主の義務に | 労働施策総合推進法 |
| 求職者等へのセクハラ対策の義務化 | 採用面接・インターンシップ・教育実習等に参加する求職者等も対象に | 男女雇用機会均等法 |
| パワハラ防止指針の改正 | 自爆営業(商品の買い取り強要等)、カミングアウトの強要・禁止が例示に追加 | パワハラ防止 |
義務の範囲は、この30年で広がり続けている
企業として「何がハラスメントに該当するのか」を明確にし、ガイドラインを策定します。就業規則にもハラスメントの規定を設けて罰則を含めて明記します。
| 年 | 出来事 |
|---|---|
| 1992年 | 日本初のセクハラ裁判の判決 → 詳しくはこちら |
| 1997年 | 男女雇用機会均等法にセクハラの規定が設けられる(配慮義務) |
| 2007年 | セクハラ対策が事業主の措置義務に |
| 2017年 | 妊娠・出産等に関するハラスメントの措置義務化 |
| 2020年 | パワハラ防止法が施行(大企業) |
| 2022年 | パワハラ防止措置が中小企業にも適用 |
| 2026年10月 | カスハラ・求職者等セクハラが義務に。パワハラ防止指針も改正 |
義務の対象は、社内の上司と部下の関係にとどまらず、顧客や、まだ社員ですらない求職者にまで広がっています。
2026年10月、企業の義務は確実に広がりました。 自社の対応が追いついているか、いま一度ご確認ください。
企業が講ずべき措置と、怠ったときのリスク
事業主に義務づけられた4つの措置
パワハラ・セクハラ・妊娠・出産等に関するハラスメントについて、事業主には次の4つの措置が義務づけられています。
- 方針の明確化と周知・啓発……就業規則等に明記し、全従業員に周知する
- 相談体制の整備……窓口を設置し、担当者が適切に対応できるようにする
- 事後の迅速かつ適切な対応……事実確認、被害者への配慮、行為者への措置、再発防止
- 併せて講ずべき措置……プライバシーの保護と、相談を理由とする不利益取扱いの禁止
措置の内容は、ハラスメントの種類によって一部異なります。カスハラ・求職者等セクハラの措置は、各記事で解説しています。
▶ 体制づくりは「ハラスメント対策。職場のハラスメントをなくすには?」
措置を怠った場合のリスク
行政指導……助言・指導・勧告を受けます。勧告に従わなければ、企業名が公表されることがあります
民事上の責任……被害者から、損害賠償を請求される可能性があります
経営への影響……報道やSNSで拡散すれば、採用、離職、取引に影響が出ます
ハラスメント対策は研修から|種類に合わせて選ぶ
4つの措置のうち、①周知・啓発と、②③相談への対応力を高めるのが、研修です。
目的に合った研修の選び方
| 目的 | 研修 | 詳しくは |
|---|---|---|
| ハラスメント全般を、全社員に周知したい | eラーニング | ハラスメント研修とは/eラーニングでハラスメント研修 |
| パワハラの理解を深めたい | パワハラ研修 | パワハラ研修とは |
| セクハラ(採用面接を含む)を防ぎたい | セクハラ研修 | eラーニングでセクハラ研修 |
| カスハラに組織で対応したい | カスハラ研修 | カスハラ研修を効果的に行うには |
| 管理職・相談窓口担当者を育てたい | 集合研修 | ハラスメント研修とは |
ハラスメントがまだ潜在的な段階であれば、eラーニングで全社の意識を底上げします。すでに問題が表面化している場合は、集合研修で緊急度を意識づけ、自社の事例を交えて自分ごと化を促します。
manebi eラーニングが選ばれる理由
- 受講状況を一元管理……「誰が受講済みで、誰が未受講か」が常に見えます。措置の履行を示すうえでも重要です
- 直感的な管理画面……マニュアル不要で、コース作成から未受講者へのリマインドまで少ない工数で運用できます
- 豊富な教材……コンプライアンス、ハラスメント防止から、ビジネススキル、ITまで、2,100コース・10,000本以上(オプション動画含む)
- 自社の教材も使える……社内オリジナルコンテンツを100GBまでアップロードできます
- eラーニングと集合研修の両方に対応……初めての実施でも、進め方から支援します
「何から手をつければいいか分からない」という段階でも構いません。 自社の状況をうかがったうえで、進め方をご提案します。
よくある質問
Q. ハラスメントは何種類ありますか?
A. 法律で防止措置が義務づけられているのは、パワハラ、セクハラ、妊娠・出産・育児・介護休業等に関するハラスメント、カスハラ、求職者等に対するセクハラです。このほか、モラハラやアルハラなど、慣用的に使われる呼称は多数あり、その数は定まっていません。
Q. ハラスメントの種類は、なぜこんなに多いのですか?
A. 特定の言動に名前がつくことで、問題として認識されやすくなるためです。一方で、多くの呼称には法令上の定義がなく、言動によっては、パワハラやセクハラに該当し得ます。まずは義務のある5つを押さえ、そのうえで、自社で起きやすいものを把握することをおすすめします。
Q. カスハラ対策は、法律上の義務ですか?
A. はい。2026年10月1日から、顧客等からの著しい迷惑行為から従業員を守るための措置が、すべての事業主の義務になりました。
Q. モラハラやアルハラは、企業は対応しなくてもよいのですか?
A. いいえ。法令上の防止措置の義務はありませんが、対応しなくてよいわけではありません。言動によってはパワハラに該当し得るほか、放置すれば安全配慮義務違反や使用者責任を問われる可能性があります。自社の方針に含めて、周知しておくことをおすすめします。
出典・参考
- 厚生労働省「あかるい職場応援団|あなたの周りにありませんか?こんなハラスメント」
- 厚生労働省「令和8年10月1日からハラスメント対策が強化されます!」(リーフレット)
- 厚生労働省 Webマガジン「求職者等に対するセクシュアルハラスメント対策の新ルール」(2026/09/01)
- 厚生労働省「令和5年度 職場のハラスメントに関する実態調査報告書」
- 厚生労働省 事業主が講ずべきハラスメント対策パンフレット
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