働き方改革や新型コロナウイルスの蔓延などをきっかけに、急速に導入されたオンライン研修。オンラインならではのメリットが多い一方で、さまざまな課題も見えてきました。自社でオンライン研修を実施しているものの、なかなか思うようにいかず、苦慮している人も多いのではないでしょうか。
本記事では、オンライン研修ならではの9つの課題とその解決策、研修を成功に導くポイントを解説します。ぜひ参考にしてください。
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資料をダウンロードするオンライン研修とは
オンライン研修とは、Web会議システムなどを用いてインターネットを介して講師と受講者をつないで行う研修のこと。
パソコンやタブレットなどのデバイスとWeb会議システムさえあれば、全国どこからでも受講できるため、参加者全員を1か所に集める必要はありません。人的・金銭的コストを削減できるメリットもあるため、多くの企業で導入されているのです。
拠点ごとに集まってほかの拠点とつなぐ「多拠点参加型」、一人ひとりが個別で受講する「個人参加型」、リアルタイムで配信する「リアルタイム型(ライブ型)」、事前に収録したものを自由に視聴できる「オンデマンド型」などに分類されます。
オンライン研修とオフライン研修との違い
オンライン研修は場所を選ばず開催できるのに対し、オフライン研修は1つの場所に講師と受講者が集まって実施される集合研修の形式が大きな違いです。
場所の指定があるため、会場費やスケジュール調整など、オンライン研修と比較すると費用や準備の工数が増えます。そのため、オンライン研修に完全移行した人がよいのではと感じる人もいるでしょう。
しかし受講者の緊張感や一体感が生まれやすい、コミュニケーションが取りやすいといった部分はオンライン研修では実現しにくいため、オフライン研修ならではの大きなメリットといえます。
オンライン研修とeラーニング(オンライン学習)との違い
eラーニングはインターネットを活用し、パソコンやスマートフォンなどのデバイスでコンテンツを視聴して学習する方法です。場所だけでなく「時間」の制限もありません。極端にいえば、好きなときに好きなだけ学べます。
オンライン研修とeラーニングはどちらも場所の指定はありません。受講者が同じ時間に参加するのがオンライン研修のため、時間の制限があるかどうかがオンライン研修とeラーニングの大きな違いです。
近年、eラーニングで予習や研修後の復習、オンライン研修で応用知識の修得、オフライン研修でアウトプットを重視するなど、それぞれのメリットを生かして学習効果を高める「ブレンディッドラーニング」を採用する企業が増加しています。
オンライン研修の導入企業数
オンライン研修の導入企業数は、コロナウイルス蔓延の影響を強く受けて増減しています。パーソル研究所が400人の人事担当者に対して行った調査によると2020年〜2021年の1年間で「オンライン研修を増やした」と回答した企業は75%となっており、急増したと伺えます。
その後、2022年に株式会社manebiが356人の新入社員研修にかかわる人事・教育担当者に対して行った調査では、以下のような結果が報告されているのです。
- 新入社員をオンライン研修で実施:34%(前年比-11%)
- オンライン研修と対面研修を併用:29%(前年比-6%)
- 対面研修で実施:37%(前年比+17%)
さらに1年後、2023年に同社が439人の新入社員研修にかかわる人事・教育担当者に対して行った調査では、以下のような結果が報告されています。
- 新入社員をオンライン研修で実施:14.6%(前年比-19.4%)
- オンライン研修と対面研修を併用:36.2%(前年比+7.2%)
- 対面研修で実施:49.2%(前年比+12.2%)
この結果から、少なくとも新卒領域ではコロナ禍が収束に向かうにつれてオンライン研修から対面研修に切り替えていると考えられます。
オンライン研修の実施が注目されている背景
オンライン研修が注目されるようになったのは、テレワークの普及やICTツールや研修サービスの発展が影響していると考えられています。ここでは、2つの背景についてみていきましょう。
テレワークの普及
働き方改革や価値観の変化によって働き方が多様化し、テレワークやリモートワークの増加にともなってオンライン研修が注目されるようになりました。事情によって在宅ワークやサテライトオフィスでしか勤務できない社員でも、オンライン研修を採用すれば通常の社員と同等の教育を実現できます。
ICTツールや研修サービスの登場
IT技術の発展やDX推進にともなって、Web会議システムやLMS(学習管理システム)などオンライン研修に役立つICTツールが普及し、ツールを活用した研修サービスを展開する企業が増えたのもオンライン研修が注目される背景の1つです。
少ない手順でオンライン研修をかんたんに開始できたり、管理の工程を削減できたりするメリットが豊富なため、オンライン研修の導入が加速してきました。自社に適したツールやサービスを活用できれば、オンライン研修をスムーズに導入し、効率的に運用できるようになります。
オンライン研修を導入するメリット4つ
オンライン研修を導入すると得られるメリットは、以下の4点です。
- 開催場所にとらわれない
- コスト削減につながる場合がある
- 研修資料の配布や修正をスムーズに行える
- 受講者の学習状況を把握しやすい
開催場所にとらわれない
オンライン研修は場所を問わず開催できるのが大きなメリットです。また、これまで集合研修で多数の受講者を対象に実施していた研修も、オンライン研修ならば少人数、1対1でもできるようになります。
交代勤務や少人数の運営などで受講者のスケジュール調整がむずかしい企業や、中途採用者など少人数のため研修を見送っていた企業など、さまざまな研修の課題をオンライン研修で解消できるでしょう。
コスト削減につながる場合がある
オンライン研修では、オフライン研修で発生する以下のような費用の多くを削減可能です。
- 会場の利用料・予約
- 講師や受講者の交通費・食費・宿泊費
- プロジェクターなどの機材費
- 受講者の研修資料の印刷費
- 上記の研修にかかわる経理業務
パソコンやマイクなど、必要な機材がそろっていれば、オンライン研修は、ほぼWeb会議システムやLMSの利用料のみで実施できます。オンライン研修の基盤が整えば、研修にかかわる費用や準備にかかる工数を大幅に削減可能です。
研修資料の配布や修正をスムーズに行える
オンライン研修では、画面共有機能を活用したり、データ化した資料を受講者がダウンロードしたり資料のURLにアクセスしたりして研修を進めます。
紙媒体の資料を使うと受講者がカメラに目を向けなくなるため、オフライン研修のように紙媒体の資料はほぼ使用されません。
また、資料に不備があった場合、紙媒体では印刷しなおす必要が生じる場合があります。しかしオンライン研修ではデータを修正するだけで済むため、資料の修正や配布がスピーディーかつスムーズに実施できます。
受講者の学習状況を把握しやすい
LMSを利用すると受講者の学習履歴が残るため、体系的に研修を実現できるようになります。役職やスキルに応じた階層別研修を構築し、受講者も自身の学習状況を把握できるため、学習のモチベーションを保ちやすくなるでしょう。
またLMSではアンケート機能を搭載しているものが多く、研修の感想を吸い上げたり理解度の確認をしたりと、研修内容のブラッシュアップがしやすくなります。
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資料をダウンロードするオンライン研修ならではの課題・デメリットと解決策9つ
2020年頃から現在にかけてオンライン研修が実施されてきました。そのなかで見えてきた、オンライン研修ならではの9つの課題と解決策を解説します。
社員の関係性が強くならない
オンライン研修では、対面研修に比べて社員同士の関係性が強くならないことが課題として挙げられているのです。対面研修では会場までの移動や待機時間・休憩時間などがあり、所々で周囲の人とコミュニケーションを取れる機会があります。
仕事やプライベートなどの何気ない会話をきっかけに、お互いを知り関係が深まる場合もあるでしょう。
一方、オンライン研修では移動がなく、個人参加型の場合は待機中・休憩中も一人のため、物理的な接点がなくなり自然とコミュニケーションが希薄になってしまう傾向にあるのです。
所要時間を削減できる効率性がオンライン研修のメリットである一方、参加者同士の関係構築の機会が失われてしまっていることが課題と考えられています。
課題解決策
「オンライン研修は参加者同士の関係性が希薄になりやすい」という特性を踏まえ、意図的にコミュニケーションを取れる場を設ける工夫が必要です。
<具体例>
- 開始前に自己紹介やかんたんなゲームなどのアイスブレイクを取り入れる
- プログラムにグループワークやディスカッションを取り入れる
- 研修終了後に感想をシェアし合う場を設ける
- メタバースを取り入れて擬似的な会場を作る
上記にくわえて、すべての研修をオンライン化するのではなく、一部対面研修と併用するのもひとつの方法でしょう。
他者からの気づき・刺激がない
オンライン研修の場合、他者からの気づきや刺激を受けにくい点も課題視されています。
対面研修の場合、参加者が1か所に集まって受講するという性質上、自然と周囲の人の様子が見え、近くの人と会話したり講師からフィードバックを受けたりする機会があります。
一方、オンライン研修の場合はほかの参加者の様子が見えづらく、受講者はマイクをOFFにしているのが一般的です。このため、ほかの受講者や講師と気軽にコミュニケーションを取れません。
これは講師や運営側も同様で、実際に困っている受講者がいても気づきにくく、個別サポートやフィードバックが難しいという声も挙がっています。
課題解決策
この場合も参加者同士や講師とのコミュニケーションを取れるよう、意図的に接点を作ると解決できます。
<具体例>
- ブレイクアウトルームを活用してグループワークを行う
- ブレイクアウトルームを活用してロープレや演習を行う
- ゲームやワークなどを通じた共同作業を行う
- チャット機能を活用して質疑応答の時間を設ける
オンラインの場合、一人の発言が全員に聞こえてしまうため、そもそも発言しにくいです。ブレイクアウトルームでグループをわけると話しやすくなるでしょう。このように共同作業やフィードバックができる場を設けると、コミュニケーションを活性化できます。
対面時よりも理解度が浅い
MON株式会社が人事・教育担当103人を対象に行った調査によると、46.8%の人が「対面時よりも理解が浅いと思う」と回答しており、オンライン研修で集中力の維持が難しいことが理解度に影響しているようです。理解度が浅くなる要因は、複数考えられます。
- オンラインは同じ姿勢で長時間画面を見続ける必要があるうえ、対面よりも相手の意図を読み取りにくい傾向があるため
- 自分がカメラに映ることでストレスやプレッシャーを感じる場合もあり、対面よりエネルギーを使い疲れやすくなるため
- 講師から参加者の表情や反応が見えづらく、理解度に合わせた調整がしづらいため
課題解決策
参加者の理解度を深めるためには、集中しやすい環境づくりが重要です。
<具体例>
- 講義資料の文字を極力減らす
- 画像・動画・ホワイトボード機能などを活用する
- 研修を録画しておき、あとから見返せるようにする
- 意図的にフィードバックの機会を設ける
- 休憩回数・時間を増やす
オンライン研修では長時間画面を注視するため、文字の割合が多くなると必然的に飽きやすく、疲れやすくなってしまうのです。画像・動画・ホワイトボード機能などを活用すると講義資料に動きを持たせられるうえ、視覚的な負担も減って、参加者も集中力を維持しやすくなります。
また「講師からのフィードバックを入れる」「受講者同士でワークを行う」など、参加型の要素を組み込む方法も有効です。
実施できる内容が限定される
オンライン研修では、実施できる内容がある程度限定されてしまうのも課題のひとつ。オンラインとあまり相性のよくない研修例として挙げられるのが、実技をともなう実習やワークショップなど。オンラインでは画角が狭く全体が見えないことや、映像が荒く細かな部分が見えにくいため、オンライン研修に不向きといえます。
内容が見づらいと集中力・理解度の低下につながりやすく、期待していた研修効果が得られない可能性も高いです。オンライン特有の性質を理解したうえで適切な研修プログラムを組む必要があるでしょう。
課題解決策
どうしてもオンラインで行う必要がある場合は「複数のカメラを用意する」「実習の動きに合わせてカメラを動かす」など、参加者の目線に立った工夫をするとよいでしょう。
一方、オンライン研修に向いているコンテンツを取り入れるのもひとつの方法といえます。具体的には以下のようなグループワークがオススメです。
<具体例>
- プレゼンテーション
- ロールプレイング
- ブレインストーミング
ブレイクアウトルームや投票機能、チャット機能などを効果的に活用すると、対面と遜色ない研修を実施できます。
オンライン研修で実施できるグループワークの種類や、研修の質を高めるツールの活用方法などは「オンライン研修でグループワークはできる?実施の注意点やコツ・おすすめテーマを紹介」の記事を参考にしてください。
社員が積極的に参加しない
オンライン研修では対面研修以上に、社員が積極的に参加してくれないのも課題のひとつ。オンラインは参加者の様子が見えにくく、しっかり話を聞いているのか、真面目に受講しているのかがわかりづらいためです。
研修には参加しているものの、画角の外で別の作業をしていたとしても、それに気づくのは難しいでしょう。
また、自宅から参加する場合は家族やペットに気を取られたり、カフェやコワーキングスペースでは周囲が気になったり、そもそも集中できる環境ではない場合も考えられます。
そのほか「チャットで質疑応答の時間を設けても質問が集まらない」「発言を促しても誰も発言しない」といったことも起こりがちです。
課題解決策
参加者が積極的に参加しない理由として、そもそも参加者が発言・参加しづらい環境であることが挙げられます。
<具体例>
- 事前に受講環境や注意点を周知する
- ブレイクアウトルームを活用して参加型のグループワークを行う
- ファシリテーターを置き、参加者の発言を促す
- 講師が場を盛り上げる工夫をする
まずは参加者が発言・参加できるプログラムを用意しましょう。くわえて、グループをわけて人数を絞り、発言しやすい環境を作ることも大切です。上記のほか、e-ラーニングを活用するのもひとつの方法です。
e-ラーニングのなかには、受講者がどこまで視聴しているか分析できる機能を搭載しているものもあるため、参加状況を把握しやすくなるでしょう。
研修企画・運営の負荷が大きい
対面研修・オンライン研修どちらにも共通する課題として、研修企画が大変で運営の負荷が大きいことも課題とされています。
対面研修の場合に発生する会場の手配や、資料の印刷・配布などの工数を削減できる点はオンラインならではのメリットであるものの、研修企画の手間や負担は変わりません。
また、トラブルなくスムーズにオンライン研修を進行するには、オンラインに対する理解と運営ノウハウが不可欠です。
接続環境の整備やコミュニケーション機会の創出、トラブル発生時のサポート体制の構築や当日のトラブル対応など、オンライン特有の手間や負担が発生します。
課題解決策
研修企画の負荷を軽減する方法として、アウトソーシングを利用するのもひとつの方法です。たとえば、研修内容がすでに完成しているe-ラーニングを活用すれば、研修内容やコンテンツを企画する手間そのものをなくせるため、負荷を大幅に削減できるでしょう。
また、運営時のトラブルによる負荷を軽減するには、以下のような対策が有効です。
- 当日の進行補佐役
- トラブル発生時の対応役
- トラブル発生時のサポート窓口の準備と共有
事前準備をしっかり行っておくと、想定外の負荷を軽減できます。回線やシステムの不具合で研修が中断してしまうケースがあるため、あらかじめトラブルへの対策を講じておくとよいでしょう。
社員の満足度が低い
MON株式会社が人事・教育担当103人を対象に行った調査によると、45.5%の人が「対面のときと比べて満足していないと思う」と回答しています。
移動や待ち時間がなくどこからでも受講できる点にメリットを感じつつも「参加者同士の接点が少ないため関係が深まらない」「他者からの気づきや学びが少ない」などが理由の上位となっていました。
また、コンテンツによっては研修中ずっと画面を注視しなければならず、疲れて集中力を保ちづらいことも要因として考えられるでしょう。社員満足度は、「周囲とのコミュニケーション」と「オンラインによる疲れやすさ」のふたつに大別されるといえます。
課題解決策
参加者同士のコミュニケーション不足による満足度の低下は、以下のような方法で改善が見込めます。
- ブレイクアウトルームを活用して参加型のグループワークを行う
- ゲーム感覚で取り組める参加型コンテンツを取り入れる
- 共同作業や紙に書くなど、体を動かすコンテンツを取り入れる
上記のようなコンテンツをくわえると、必然的に参加者同士のコミュニケーションが生まれます。コンテンツの内容を工夫すれば、一方的に講義を聞くスタイルに比べて疲れにくく、学習効率を高められるでしょう。
くわえて、対面研修よりも休憩回数を増やしたり1回当たりの休憩時間を長くしたりするのも大切です。疲れにくい環境を整えればそのぶん集中力も保てるでしょう。
対面研修より費用がかかる
オンライン研修を導入するとき、対面研修よりも費用がかかるケースもあります。たとえば、オンライン研修に必要な機材を新規で購入したり、参加する社員に貸与する機材をそろえたりすると、費用が高額になる可能性があるのです。
また、オンラインに特化した研修サービスを利用する場合は、導入コストにくわえて月額利用料が発生するでしょう。ほかにも、外部講師を招く際の費用発生も考えられます。
自社で対面研修を行う場合も会場費・交通費・宿泊費や人件費などの間接コストもかかる場合があるので、オンライン研修と対面研修ともに費用を細かく計算して検討するとよいでしょう。
課題解決策
オンライン研修を実施する場合、主にかかる費用は以下のようなものです。
- デバイス購入費用
- モニターやカメラなどの機材購入費用
- オンラインに特化した研修サービスの利用料
金額は状況や研修規模などにより変動するものの、それぞれ費用を抑えるのは可能です。拠点型研修を想定して各拠点に機材が必要なのであれば、個人参加型に切り替えて自前のデバイスを使ってもらうと機材購入費用をおさえられるでしょう。
また、研修サービスは提供元によって内容や料金体系が大きく異なります。利用する度に費用が発生するものやオプション料金が高額なサービスを避け、リーズナブルな月額費用で使い放題のサービスを選べば運用コストを抑えられるでしょう。
教える側のスキルが足りない
研修を実施するにあたり、教える側のスキル不足が課題となっているケースも見られます。
オンライン研修は対面研修とは勝手が違うため、それにともないオンラインの特性に合わせたスキルが求められるためです。必要になるのはたとえば「こまめに休憩を入れる」「反応や意見を多めに求める」「ジェスチャーを大きくする」などが挙げられるでしょう。
オンライン研修の参加者はマイクOFFで参加するのが一般的なため、自分以外の声が聞こえない無音の環境で講義を行います。またカメラ越しのため、一人ひとりの表情や反応もなかなか伺えません。対面研修を問題なく実施していた講師であっても、参加者の満足度やでき栄えに不足感を感じてしまう場合もあります。
課題解決策
まずは、対面研修とオンライン研修では性質が異なり、配慮すべきことや必要なスキルが異なると理解しましょう。
通信環境や機材に関する特性や、オンラインで受講する参加者の特性、対面に代わるツールの理解や活用法など、オンライン研修に合わせたスキルを学んでみるのをオススメします。
また、オンラインに特化した研修サービスや研修ツールを活用するのもひとつの方法です。このようなサービスはオンラインの特性を熟知しており、参加者の満足度や学習効率を高めるさまざまな方法を確立しているのがメリットでしょう。
とくにe-ラーニングは、事前に収録した映像を視聴するため、いつ・何度実施しても一定のクオリティを保てます。
オンライン研修を成功させる5つの工夫・ポイント
オンライン研修の質を高め、成功させる工夫とポイントは以下の5つです。
- 適切なサービス・ツールを選定する
- オンライン研修のルールやツール使用方法を社内周知する
- 効果測定を行う
- オンライン研修が得意な講師やサービスを選定する
- チャット・録画機能などをフル活用する
適切なサービス・ツールを選定する
オンライン研修の実施方法には以下のような選択肢があります。
- 自社で企画・運営すべてを行う
- 企画は自社、研修内容は研修会社に相談・アウトソーシングする
- e-ラーニングを活用し、個別研修を主体とする
- 企画・運営すべてをオンライン研修サービスに委託する
費用を重視する場合、研修の充実度や効果を重視する場合などによって適したスタイルは異なるものの、自社の環境や研修内容に合わせて適切なサービス・ツールを組み合わせるのが効果的です。
参加者の満足度や学習効果が高い研修を実施するためには、部分的にでもプロの手を借りたほうが効率的な場合もあります。オンライン研修の特性や有効な方法を熟知しているため、費用に見合ったサポートを受けられるでしょう。
オンライン研修のルールやツール使用方法を社内周知する
オンライン研修を実施する前に、研修のルールやツールの使用方法を社内に周知しておきましょう。参加者のマイクがONになっているため全員に生活音が聞こえてしまったり、操作方法がわからず発言者がマイクをONにできなかったりなどのトラブルが起こりがちです。
このようなトラブルを未然に防止するために、以下のような対策を講じておくとよいでしょう。
- 使用するツールのマニュアル整備・オリエンテーションの実施
- 研修時のルール設定・周知(カメラはつねにON、発言時以外マイクOFFなど)
- トラブル発生時の対応窓口の設置・周知
とくに講師は講義や画面共有などの操作に忙しいため、トラブル対応役や補佐役を設定しておくとスムーズです。
効果測定を行う
研修は実施することそのものよりも、受講後の理解度や効果が重要です。やりっぱなしで終わらせずアンケートや効果測定を行って、期待していた効果が得られたか、確認できるのが理想でしょう。研修の企画段階で何をやるか、どこまでやるかを決めておき、合わせて準備しておく必要があります。
また、受講者からアンケートを取ると運営上のヒントを得られる場合もあるため、次回以降の改善にも役立つでしょう。
アンケートによって得られるもの、具体的な実施方法・設問の例文は「オンライン研修のアンケート例・実施目的や作り方のコツを紹介」の記事を参考にしてみてください。
オンライン研修が得意な講師やサービスを選定する
講師や研修サービスはオンライン研修の性質をよく理解している、または実績が豊富な人・サービスを選定しましょう。
社内・社外を問わず研修を実施できる講師は数多くいます。講師を探す際は、オンラインに特化している人とオンライン研修の経験が浅い人にわかれる点には注意が必要です。
研修サービスも同様で、オンライン研修を謳っていても実際は対面研修をただオンライン形式で実施しているだけのサービスと、初めからオンラインに特化した研修を開発しているサービスにわかれます。
対面研修とオンライン研修では想像以上に勝手が異なるためオンライン研修を得意としている講師・サービスであるかどうか、事前に検討するようにしてください。
チャット・録画機能などをフル活用する
オンライン研修の質の向上や成功には、Web会議システムに搭載されている機能の活用が不可欠です。研修に役立つ機能をいくつか紹介します。
- ブレイクアウトルーム
- 録画や投票機能
- 文字起こし機能
- リアクション機能
- チャット機能
- ホワイトボード
これらの機能の特徴を理解し使いこなせれば、オンライン研修の成功はもとより対面研修に引けを取らない充実した内容にするのも可能です。使用するWeb会議システムによって機能の名称が異なるものの、近しい機能が搭載されているのが一般的でしょう。
Web会議システム「zoom」は上記すべての機能が基本無料で搭載されており、「【2023年最新版】zoomのオンライン研修のやり方マニュアル」の記事で詳しく解説しています。
オンライン研修の実施にオススメのサービス
オンライン研修の実施には「manebi eラーニング」がオススメです。ここでは、playse. ラーニングの機能や特徴からオススメできる理由について解説していきます。
「manebi eラーニング」とは
「manebi eラーニング」はeラーニングやオンライン研修に特化した多機能型のLMSです。5,000を超えるeラーニング教材があるため、あらゆる研修や教育のオンライン化を実現できます。
また、オンライン研修の企画やカリキュラム策定のサポートがあるのが「manebi eラーニング」の大きな強み。オンライン研修は、オフライン研修と同じやり方で進めてしまうと想定する研修の効果が得られない可能性があります。
しかし「manebi eラーニング」にはさまざまな業種の企業に導入されている実績やノウハウがあるため、サポートの活用でオンライン研修をスムーズかつ効果的に運用できるでしょう。
「manebi eラーニング」の機能
「manebi eラーニング」の魅力的な機能は以下の5つです。
- テスト・アンケート機能:研修後のアンケートやテストに有効
- 自社教材のアップロード機能:自社の事例資料などコンテンツの補足に有効
- 学習レポート機能:受講者の学習状況を把握できる
- 受講者へのメール配信機能:研修の開催日時などを受講者に通知できる
- アカウント切り替え機能:使わない人のアカウントをOFFにできる
上記の機能にくわえアウトプットを重視して、受講者を「実務に生かせる」状態に導く「オンライン集合研修」プランも魅力的です。
オンライン集合研修プランも、企画から研修後のフォロー体制があるため、自社で効果的な運用ができるまでのスピードが一気に加速するでしょう。
オンライン特有の課題を把握して適切な研修を実施しよう
オンライン研修は、対面よりも社員の関係性が築きづらかったり、実施できる内容が限られていたりするなど、オンラインならではの課題があることがわかりました。自社の研修課題を特定し、正しい手法で対処していくことが求められるでしょう。
また、オンライン研修の課題のなかでも、研修企画・運営にかかる労力を削減させたい場合は、外部講師や研修サービス、eラーニングなどを正しく使いわけると効果的です。
オンライン研修をスムーズに進行したいとお考えの人は、eラーニングに特化した「manebi eラーニング」を検討してみませんか?
「manebi eラーニング」は、階層別・職種別研修を含めた5,000を超えるレッスンが見放題なうえ、理解度や満足度を測るテスト・アンケート機能も備えています。
より詳しい内容は「サービス資料・教材一覧ダウンロード」ページよりご覧ください。
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