働き方改革や新型コロナウイルスの蔓延などをきっかけに、急速に働き方の多様化が進んだ昨今。場所や時間にとらわれずに実施できる柔軟性から、リモート研修・オンライン研修が大きな注目を集めています。導入を検討しているものの、全容や具体的なやり方がわからずなかなか導入に踏み切れないケースも多いのではないでしょうか。
本記事では、リモート研修の概要やメリット・デメリット、具体的な実施方法などを詳しく解説しています。効果的な研修を実施するコツもまとめているので、ぜひ参考にしてください。
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資料をダウンロードするリモート研修とは
リモート研修とは、Web会議システムを用いてインターネット回線で講師と受講者をつないで行う研修の総称です。
従来のようにひとつの空間に参加者を集める必要はありません。パソコンやスマホなどのデバイスとWeb会議システムさえあれば全国どこからでも受講できます。受講者は手元の資料や共有された画面の資料を見ながら、スピーカーやヘッドホンで聞いて学ぶのが一般的です。
リモート研修は開催方法や形式などの違いにより、ウェビナー型・リアルタイム型・オンデマンド型・eラーニングなどに分類され、設備・環境・用途・参加人数などに合わせて、臨機応変に組み合わせて実施している企業が多いようです。
リモート研修とオンライン研修の違い
「リモート研修」と似た単語として「オンライン研修」があり、どちらも同じものを指しています。
- リモート:物理的に距離が離れていることや遠隔を意味する言葉
- オンライン:インターネットに接続している状態、またはインターネット上で何かを行うこと
リモート研修・オンライン研修はいずれも「物理的に距離が離れている人同士を、オンライン上でつないで行う研修」という点で共通しています。
Web会議型とウェビナー型(Webセミナー)
リモート研修は実施形態の違いによって「Web会議型」と「ウェビナー型」にわかれます。
- Web会議型:通常の会議と同様に参加者が一か所に集まり、別の拠点にいる講師やグループと接続して行うスタイル
- ウェビナー型:zoomのウェビナー機能を活用し、講師・受講者それぞれが自由な場所から接続して参加するスタイル
「100人を超えるような大型研修」「講師だけが話し、双方向のコミュニケーションを必要としない場合」などはウェビナー型が適しているでしょう。なお、「ウェビナー」はWebとセミナーを合わせた造語であり、Webセミナーとほぼ同義として使われています。
リアルタイム型とオンデマンド型
リモート研修は、リアルタイムでお互いをつないでコミュニケーションを取る「リアルタイム型(ライブ型)」と、事前に録画した動画を視聴する「オンデマンド型」に分類されます。それぞれのメリット・デメリットは以下のとおりです。
リアルタイム型のメリット
- 受講者は集中しやすく、質問もできる
- 講師からのフィードバックを受けられる
リアルタイム型のデメリット
- 回線が不安定になると接続が途切れてしまう
- 操作方法を教える手間が発生する場合がある
オンデマンド型のメリット
- 録画した動画を視聴するため、スケジュール調整が容易
- コンテンツを繰り返し利用できる
オンデマンド型のデメリット
- ディスカッションや発表はできず、フィードバックも受けられない
- リアルタイム型に比べて集中力が低下しやすい
eラーニング
eラーニングとは、インターネットを介して行う研修や学習方法の総称で、配信方法の違いによって「リアルタイム型(ライブ型)」と「オンデマンド型」に分類され、オンデマンド型での運用が主流です。
パソコン・タブレット・スマホなどさまざまなデバイスから接続でき、社員が時間や場所を選ばずに、理解度に合わせて繰り返し受講できる点がメリットといえます。
しかし、その自由度の高さと利便性から「受講者が主体的に取り組まないとなかなか学習が進行しない」「質問やフィードバックが受けづらい」というデメリットもあります。
リモート研修の受講とeラーニングの効果的な学習方法
リモート研修の受講とeラーニングの使いわけもしくは合わせて使うことでさらなる高い効果を得ることも可能です。ここでは具体的な方法について解説します。
リモート研修の受講とeラーニングを使いわける
リモート研修とeラーニングは、どちらもオンラインで受講できるのが共通点です。ただし、それぞれ特徴が異なるため、次のような形で使いわけるとよいでしょう。
- リモート研修:リアルタイムで講師と双方向のコミュニケーションが行えるうえ、受講生同士でのグループワークも可能。人材開発やマネジメントでの戦略策定や施策立案などに関連した、直接的なフィードバックやコミュニケーションが求められる研修に向いている
- eラーニング:特徴は同じ講義を何度でも繰り返し閲覧できる、個人の都合に合わせていつでもどこでも受講できるなど。コンプライアンスやハラスメント、情報セキュリティなど、とくに座学で十分な知識を習得できる内容の研修に向いている
それぞれの特徴に応じて使いわけると、効率的に研修を受けられるようになり、どちらかに絞るよりも短時間で高い成果を得ることも可能です。
オンライン研修のグループワークについて詳しくは「オンライン研修でグループワークはできる?実施の注意点やコツ・おすすめテーマを紹介」の記事を参考にしてみてください。
リモート研修の受講とeラーニングを合わせて使う
複数の学習方法を合わせ、学習効果を高めることを「ブレンディッドラーニング」と呼びます。リモート研修の受講とeラーニングをあわせたブレンディッドラーニングも高い効果が期待できる学習方法のひとつです。
具体的には、リモート研修で学習する内容をeラーニングで予習したうえでリモート研修による実践的な学習を進め、その後、改めてeラーニングを使ってリモート研修で得たものの復習を行う流れです。
eラーニングで予習をしてからリモート研修を行えば、前提となる知識の共有や質疑応答を最小限に抑えられ、より実践的な学習に時間を使えます。
また、リモート研修の受講後にeラーニングで復習すれば記憶が定着しやすくなり、研修で学習した内容を実務に生かせるでしょう。
リモート研修7つのメリット
リモート研修の主なメリットは以下の7つです。それぞれ詳しく見ていきましょう。
- 開催場所にとらわれない
- 開催時間の自由度があがる
- コスト削減できる
- チャットや録画機能を活用できる
- 個人の予定に合わせやすい
- 研修の質を保ちやすい
- グループワークやディスカッションできる
開催場所にとらわれない
リモート研修は、インターネット回線とデバイスさえあれば全国・世界中どこからでも参加可能です。
- オフィスでの参加はもちろん、出張中や地方の社員が現地のコワーキングスペース・サテライトオフィスなどからも受講できる
- 地方からのリモートや介護・育児のために在宅勤務を選択している社員が自宅から受講するといった使い方もできる
働き方改革や新型コロナウイルスの蔓延などをきっかけに、急速に働き方が多様化した現代。会場に出向く必要がなくどこからでも参加できる点は、従来の研修にはない大きなメリットでしょう。
開催時間の自由度があがる
従来の集合型研修に比べ、開催時間の自由度があがる点もメリット。
- 運営側は会場を借りる必要がないため、予約の空き状況や営業時間に左右されず研修を設定・開催できる
- 会場への移動時間や待機時間を考慮する必要がないため、隙間時間を活用して開催するのも可能
このように、無駄な時間やロスが発生しない点は双方にとってメリットといえます。さらに、オンデマンド型であれば既存のコンテンツを各々が好きな時間に視聴できるため、スケジュール調整すら不要になり、時間の自由度はさらに高まるでしょう。
コスト削減できる
従来の集合型研修に比べ、人・お金・時間などさまざまなコストが削減できるのもリモート研修のメリットです。
たとえばリモート研修では「会場を手配して設営する」「教材や資料を印刷して配布する」といった準備が不要なので、運営側の工数を大幅に削減できます。工数が減れば準備にかかわる人材も少なくて済み、資料をデータ化すればペーパーレス化にもつながるでしょう。
また、集合型研修では開始前の待機時間や参加者の着席を待つ時間、研修終了後の退場時間などを考慮する必要がありますが、リモート研修では物理的な移動がないため、研修全体にかかる時間も削減できます。
チャットや録画機能を活用できる
リモート研修では、研修やセミナーに役立つさまざまな機能やツールを活用できるのもメリットです。代表的な機能と活用例をご紹介します。
- チャット機能:研修の進行を邪魔することなく質疑応答ができる
- アンケート・Q&A機能:受講者参加型のコンテンツを提供できる
- 録画機能:アーカイブとして残し、当日参加できなかった人に映像を共有できる
- 音声書き起こし機能:半自動的に議事録やテキスト資料を作成できる
- 画面共有機能:講師のプレゼン資料を受講者一人ひとりのデバイスに共有できる
- キャンパス機能:手書きの板書を受講者一人ひとりのデバイスに共有できる
ただし、使用するWeb会議システムによって利用できる機能や名称が異なります。事前に用途に合った機能が備わっているか確認しておくとよいでしょう。
個人の予定に合わせやすい
リモート研修は、開催方法を工夫することで個人の予定に合わせやすくなるのもメリットです。
- 事前に収録した動画を視聴してもらうオンデマンド型やeラーニングなら、参加者全員が同じ時間に集合する必要がなく、スケジュール調整が不要
- 受講者それぞれが通勤時間や業務の隙間時間を活用して視聴できるため、柔軟性が高く業務への支障も最小限に抑えられる
- 「わからない・より理解を深めたい部分」を繰り返し視聴できるため、個人の理解度に合わせた効果的・効率的な学習も可能
研修の質を保ちやすい
リモート研修では、従来の集合型研修に比べて受講者間での差が出にくく、研修の質を保ちやすい点もメリットです。
- 集合型研修:着いた席によって講師の声が聞こえにくい、資料や板書が見えにくいなどの差が出てしまう場合も。後方の席では前の席の人の動きや様子が気になって研修に集中できない場合もある
- リモート研修:それぞれがパソコンやタブレットなどから視聴するため、資料が見づらい、ほかの受講者が気になるなどは起こらない。講師の声が聞こえにくかったら各自で音量調整すれば解決できる
より研修の質を高めるため、外部講師を招いたり、eラーニング教材を採用したりするのもひとつの方法です。質を高めつつ運営側の手間や工数の削減もできるため、一石二鳥でしょう。
グループワークやディスカッションできる
リモート研修では、移動せずグループワークやディスカッションができるのもメリットです。
- zoomのブレイクアウトルーム機能を活用すれば、オンライン上で複数のルームを作って受講者を分割・グループわけできる
- 講義の途中でそれぞれのルームでグループワークやディスカッションを行い、時間になったら元の全体のルームに戻って講義を再開するといった使い方も可能
- 研修終了後にチームや部門ごとにわかれて感想をシェアするといった、さまざまな用途が考えられる
利用するWeb会議システムによって名称は異なるものの、このような機能があることを知っておくと実施できる研修の幅が広がるでしょう。
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資料をダウンロードするリモート研修6つのデメリット
続いて、リモート研修のデメリットを紹介します。利用の際に注意すべきデメリットは以下の6つです。それぞれ詳しく見ていきましょう。
- 通信や機器トラブルが起きやすい
- 社員の主体性に左右されやすい
- 長時間のプログラムに向いていない
- 実施できる業種やプログラムが限定される
- ITリテラシーが必要になる
- コミュニケーションが希薄になりやすい
通信や機器トラブルが起きやすい
リモート研修はインターネットを介して行われるため、通信トラブルや機器トラブルによって進行が滞りやすいです。
回線が不安定になると、講義中であっても音声が途切れたり映像が止まったりしてしまうでしょう。また通信が切れると研修ルームとの接続自体が切れてしまいます。
さらに「使用しているアプリのエラーでログインできない」「機器の不調で映像が出力できない」「音声が聞こえない」などのトラブルも発生しがちです。
このようなトラブルに見舞われないためにも、
- 講師側と受講者側、双方のインターネット環境を安定させておく
- 接続テストを行っておく
- 開始前にデバイスを再起動しておく
など、できる範囲で事前準備をしておくとよいでしょう。
社員の主体性に左右されやすい
リモート研修の効果が、受講する社員一人ひとりの主体性に左右されやすい点もデメリットといえます。
カメラに映る範囲しか見えない性質上、受講者がどのように参加しているかが見えにくいためです。主体性があり、意欲的に受講する人は問題ありませんが、消極的な人や研修に興味が薄い人は研修から離脱してしまう可能性があります。
受講者はカメラをオンにしていても別のことをしやすい環境であるうえ、カメラをオフにしてしまったら画面の向こうで何をしているかはまったくわかりません。
オンデマンド型の場合はそもそも監督者が不在である場合が多く、動画を再生していても見ていないといった状況であっても対応は難しいでしょう。この場合は「受講したかどうか」だけではなく、別途課題を用意して研修効果を測る工夫が必要です。
長時間のプログラムに向いていない
リモート研修は長時間のプログラムに向かない性質があり、状況によってはデメリットに感じられるでしょう。
一人で画面を見続けられる時間には限界があり、集合型研修とは違った集中の仕方や気の遣い方をするため、リモートのほうが疲れるという声も多く聞かれます。画面を長時間見続けるだけでは集中力が低下しやすく、研修効果も下がってしまう可能性もあるでしょう。
「こまめに休憩を入れる」「1回のプログラムを短くする」「ワークやディスカッションの時間を設ける」など、受講者の集中力を保つ工夫が必要です。
実施できる業種やプログラムが限定される
リモート研修の性質上、実施できる業種やプログラムがある程度限定されてしまう点もデメリットです。
たとえば、エクササイズのような参加者みんなで体を動かすものや、メカニックや救護などの実技をともなう研修は、集合型・対面型のほうが伝わりやすく、受講者も理解しやすい可能性があります。
リモートでこのような研修ができないわけではないものの研修内容によってはリモートと相性がよくないものもあるという点は理解しておく必要があるでしょう。
ITリテラシーが必要になる
研修を実施する側・受講者側ともに最低限のITリテラシーが必要になるため、状況によってはこれがデメリットに感じられる場合もあります。
たとえば「ログインできない」「画面共有できない」「チャットの使い方がわからない」など、基本操作に苦労する方も少なくありません。使用するツールによって名称や操作方法が異なるため、使い慣れない人にとってはなおさらでしょう。
スムーズに実施できるよう「事前にツールの使い方を習得しておく」「マニュアルを整備する」「利用方法をレクチャーする研修を実施する」など、本番に向けた事前サポートをしておくと安心です。
コミュニケーションが希薄になりやすい
集合型研修に比べて、リモート研修のほうがコミュニケーションが希薄になりやすい点もデメリットといえます。
各々が画面に向かって一人で受講するため、講師や受講生同士の接点が少なく、コミュニケーションを取る機会がどうしても少なくなってしまいます。一方で、新卒や新入社員研修においては、上司・先輩との関係構築や同期との横のつながりはとくに重要です。
リモート研修の性質を踏まえて、Web会議システムのグループワークやディスカッション機能を活用し、相互コミュニケーションを取れる場を設ける工夫が必要でしょう。
リモート研修のやり方とコツ
リモート研修をスムーズに実施するために、事前準備・当日運営の具体的なやり方とコツを解説します。また、回数を追うごとによりよい研修を作っていくために、研修実施後にやっておくとよいことにも触れているので、ぜひ参考にしてください。
準備
リモート研修の実施に向けて、やっておくべき具体的な準備は以下の3つです。
- スマホ・パソコンなど端末や機材を準備する
- 通信環境の確認を行う
- トラブル対応の体制を整える
とくに3つ目の「トラブル対応」の準備をしておくかどうかで、研修の安定性が大きく変わります。それぞれ詳しく見ていきましょう。
スマホ・パソコンなど端末や機材を準備する
研修実施者・受講者ともに、以下のものを準備しましょう。
- スマホ・パソコンなど接続に必要な端末
- アプリのインストール(必要に応じて)
- マイク・カメラ
当日のトラブルを防止するため、アプリの操作方法は事前に確認しておくことが大切です。必要に応じてマニュアルを配布したり、利用方法の説明会を実施したりするのもよいでしょう。
またマイクとカメラは「端末に内蔵されている場合」「外づけの機材が必要になる場合」があるためとくに注意が必要です。受講者は受講環境に応じてイヤホンを、実施者は周囲の環境に合わせてライトを準備しておくとよいでしょう。
通信環境の確認を行う
事前に必ず通信環境の確認をしておきましょう。リモート研修では通信環境・障害によるトラブルが起こりやすく、音声や映像が途切れるなど、研修に大きな支障が出てしまうためです。
研修実施者はもとより、受講者にも通信環境の確認を呼びかけておくとよいでしょう。とくに出張先の社員やカフェなど、普段と異なる環境から接続する人は、通信トラブルが発生しやすい傾向にあります。参加人数や状況にもよるものの、事前にテスト通信を実施しておくと安心です。
トラブル対応の体制を整える
リモート研修ではさまざまなトラブルが発生するかもしれません。以下のポイントを考慮しながら、トラブルに対応する体制を整えておくとよいでしょう。
- 当日の進行補佐役
- トラブル発生時の対応役
- トラブル発生時のサポート窓口の準備と共有
講師が講義に集中できるよう、画面共有や発言者をクローズアップするハイライト操作を行う進行補佐役、回線や機材トラブルに対応する人材を配置しておくと進行がスムーズになります。
また、受講者側に何らかのトラブルが発生した場合に、問い合わせできるチャットルームや電話番号などを共有しておくとよいでしょう。
当日
リモート研修では「相互コミュニケーションが希薄になりやすい」ため、意図的にコミュニケーションを取れる場を作るとよいでしょう。
また、その際は4人以下の少人数でグループを組むのがコツです。ここでは研修を活性化させるために、当日にやっておくとよいことを解説します。
コミュニケーションの場を作る
リモート研修はそれぞれが個別で参加するため、集合型研修に比べて雑談が生まれにくく、ちょっとしたコミュニケーションを取る機会もなかなかありません。
必然的にコミュニケーションが生まれるよう、プログラムにグループワークやディスカッションなどのコミュニケーションタイムを設けましょう。
研修終了後にチームや部署にわかれて感想をシェアする方法も効果的です。ブレイクアウトルームやセッションなど、搭載されている機能を有効活用するのもよいでしょう。
ディスカッションは4人以下を目安にする
ディスカッションを行う場合は、1グループ4人以下の少人数で行いましょう。大人数では発言しづらく感じる人がいたり、時間内に全員が発言できない可能性もあったりと、本来の目的を果たせないリスクがあるためです。
また、オンラインでの会話は対面に比べお互いの声が重なったとき聞き取りにくいうえ、お互い譲り合って会話のテンポが悪くなりやすい傾向にあります。
ディスカッションのほかにも、チャット機能で質疑応答を受けつけたり、リアクション機能で挙手や拍手をしたりと、複数のコミュニケーションツールを組み合わせるとよいでしょう。
実施後
研修実施後は必ずアフターフォローを行いましょう。研修を実施しただけでは受講者一人ひとりの様子が見えにくく、効果や理解度が測れないためです。
研修の効果や理解度を確認したり、改善点や課題を発見することを目的として、アンケートに回答してもらう方法がとくに効果的と考えられます。実際にアンケートを実施する際は、以下のような設問を参考にしてみてください。
- 性別・年代・役職・勤続年数・事業部など、受講者の属性情報
- 研修前に認識していた課題
- 研修をとおして学んだこと
- 研修で学んだことをどのように業務に生かすか
- 研修の満足度や講師の説明のわかりやすさ
- 資料の内容や量、日時や時間は適切だったか
- 今後の研修に対する要望
アンケートの実施方法や作り方について詳しくは「オンライン研修のアンケート例・実施目的や作り方のコツを紹介」の記事を参考にしてみてください。
リモート研修にオススメ3つのツール
リモート研修はWeb会議システムを使って行うのが一般的です。ここではリモート研修にオススメなWeb会議システムのほか、研修に使える便利なツールも合わせて紹介します。
zoom
リモート研修の実施にはWeb会議システムの「zoom」がオススメです。使いやすさやシンプルでわかりやすいインターフェース、リモート研修に適したさまざまな機能が搭載されており、多くの企業で採用されています。
ミーティング型・ウェビナー型どちらにも対応しており、ブレイクアウトルーム・録画機能・Q&A・ホワイトボード・画面共有など、リモート研修に活用できる便利な機能が数多く搭載されているのが特徴です。
Web会議システム「zoom」の機能や使い方について詳しくは「zoomのオンライン研修のやり方マニュアル」の記事を参考にしてください。
Google Meet
Google Meetは、Googleが提供するWeb会議ツールで、受講者はGoogleアカウントがなくても利用でき、最大100人までのWeb会議が可能です。
- 無料版:リアルタイム字幕やQ&A、録画などの機能。利用時間は60分まで
- 有料版:ノイズキャンセリング機能によりクリアな音声でリモート研修の受講が可能:グループ通話を最長24時間継続可能
無料プランでは60分までしか利用できず、一部の機能は有料プランのみであるものの、モバイルおよび 1 対 1 の通話の場合は時間制限なく使用できます。
miro
MiroはWeb会議ツールではなく、オンラインホワイトボードです。ブレインストーミングツールやワイヤーフレームツールなどの機能があり、グループワークの成果を高めるのに大きな効果が期待できます。
オンライン研修で使う画像やファイルに付箋をつけてコメントしたり、Zoomと連携したりなどを無料で行えます。また、有料版にアップグレードすれば、miro内でビデオチャット機能を使うことも可能です。
ほかにも、ビデオ会議を行っている際に板書として使ったり、アイデアを整理・共有したりといったことにも使えます。
オンライン研修は、アナログのホワイトボードに気軽にコメントするのが難しい場合もあります。しかしmiroを使えば、受講者同士でも気軽に視覚的にわかりやすいコメントのやり取りも可能です。
リモート研修の実施5つの注意点
リモート研修を実施する際、次の5点には注意が必要です。それぞれ詳しく見ていきましょう。
- 事前準備をしっかりと行う
- 顔出し受講を推奨する
- 研修内容によっては実施が難しい
- 研修の理解度を高めるシステムを整える
- 受講者が集中して参加できる工夫をする
事前準備をしっかりと行う
オンライン研修では、一般的な対面での研修以上に事前準備をしっかりと行う必要があります。その主な理由はパソコンやネット回線にトラブルがあれば研修自体が行えなくなってしまうからです。
対面であれば、パソコンにトラブルがあっても資料を印刷して配布すれば研修は実施できます。しかし、オンラインでは当日に資料を配布できません。紙の資料が必要な場合は事前に郵送するといったトラブル時の対策まで考えておきましょう。
またマイクの音量や照明の明るさなどのチェックをしたうえで、入念なリハーサルを行うことも重要です。
そのほか、使用するWeb会議ツールが登録を必要とする場合、当日になってログインできない受講者が出ないよう、事前に受講者にアカウント作成や登録を促すメールを入れておきましょう。
顔出し受講を推奨する
オンライン研修の成果を高めるには、受講者に対し顔出し受講を推奨しましょう。多くのWeb会議ツールでは、音声とチャットのみでの参加も可能です。
しかし、顔出し受講をしないと緊張感がなくなり、講師の話に集中できなくなる可能性もあります。
受講者同士のグループワークでも顔出し受講をしていないと誰が話しているのかわかりにくくなるでしょう。
相手の表情が見えない場合、自分の意見が相手にきちんと伝わっているかどうかの判断も困難です。スムーズな進行のためにも顔出し受講を推奨しましょう。
自宅でオンライン研修に参加する場合、室内の様子を見られたくないという人がいるかもしれません。Web会議ツールによっては背景を変える機能がついているため事前に告知しておくのもひとつの方法です。
研修内容によっては実施が難しい
オンライン研修では、グループワークや質疑応答など対面の研修と変わらないカリキュラムも行えます。しかし、研修内容やカリキュラムによってはオンライン研修の実施が難しいものもあります。
具体的には、機材や設備を実際に操作する必要がある研修、受講者同士のコラボレーションにより、何かを制作する必要がある研修などです。
オンライン研修だけでは実現できない場合 、後日対面研修で行うとよいでしょう。またオンライン研修では講師が実際にやってみせて、あとで受講者に個別にやってもらう方法もあります。
研修の理解度を高めるシステムを整える
オンライン研修は対面での研修に比べ、受講者の理解度を確認するのが難しい場合もあります。
また、受講者によっては質問のタイミングがわからず疑問を持ったまま研修を終えてしまうこともあるでしょう。
そのため、受講者の理解度を高めるシステムの整備が必要です。
具体的にはWeb会議ツールのQ&Aやアンケート機能などを使って対面の研修以上にコミュニケーションを取るようにします。
また、研修後のサポート体制を整えることも重要です。録画のアーカイブ配信(録画データの公開)をする、eラーニングを使って復習できるようにするなどがよいでしょう。
受講者が集中して参加できる工夫をする
オンライン研修は自宅で受講できるため、誰かが訪問してくる、家族に話しかけられるなど集中力が途切れてしまう可能性があります。そのため、受講者が集中して参加できるような工夫が必要です。
できるだけ質疑応答の場面を増やす、アンケート機能があるツールを用いてアンケートを行うなど、双方向でのやり取りを増やすのがオススメです。
また、講師によるファシリテーションも欠かせません。受講者の発言を促し、スムーズに議論につなげるようにすれば、受講者も飽きずに集中できるようになるでしょう。
そのほかには、適度にゲームや休憩を挟む、チャットやグループワークを適切に活用して、聞くだけの時間を多く取り過ぎないなども効果的です。
リモート研修でeラーニングを選ぶなら「manebi eラーニング」
従来の対面型研修とは異なる特徴を持ち、これまででは考えられなかったさまざまなシーンで活用されているオンライン研修。開催場所や時間にとらわれずに実施できるのが大きな魅力です。
さらに講師不足などの課題に関係なく、いつでも好きなときに繰り返し視聴できるブレンディッドラーニング(オンライン研修とeラーニングを併用して学習効果を高めること)をオススメします。
eラーニングで予習をしたうえでオンライン研修を実施、研修後はeラーニングで復習すれば、低コストかつ短時間で研修効果の倍増が可能です。
ブレンディッドラーニングに対応している「manebi eラーニング」では、階層別・職種別研修や、セキュリティ・ハラスメント研修など5,000を超えるeラーニングコンテンツを提供しています。
また、頭を悩ませがちなカリキュラムの策定もサポートしており、理解度や満足度を測るテスト・アンケート機能も備えているのが魅力です。提供しているコンテンツのほか、自社オリジナル教材のアップロードも可能なため、自由に組み合わせて最適な研修カリキュラムを実現できるでしょう。
より詳しい内容は以下のページより御覧ください。
>>「manebi eラーニング」資料ダウンロードはこちらから
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