ビジネスの場において、イラッとする出来事が起こることもあるでしょう。そんなとき、自分の感情とうまくつき合えると多くのメリットがあります。人間関係が良好になるだけでなく、業務の効率化や生産性の向上にもつながります。
そこで今回は、「アンガーマネジメント」の概要から、その効果、メリット、具体的なノウハウまでを徹底解説します。
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資料をダウンロードするアンガーマネジメントとは
アンガーマネジメントとは、怒りの感情をコントロールすること。アンガーマネジメントに取り組む際は、「行動の修正」と「認識の修正」を意識しましょう。
- 行動の修正:感情のまま行動しない。むやみに怒っても、良好な人間関係は築けない
- 認識の修正:怒りを感じた理由を客観視する。たとえば新入社員に、ベテラン社員のような仕事ぶりは期待できない。それでも新入社員に対して「なぜできないのか」と怒りたくなるときは、自分が怒りを感じるボーダーに問題がある可能性も高い
アンガーマネジメント研修の目的
アンガーマネジメント研修は、管理職だけでなく幅広い階層で有用な研修です。アンガーマネジメント研修では、怒らないことを目指すわけではありません。目的は、怒りをコントロールできる人材を育て、働きやすい職場をつくること。
たとえば、上司や後輩とのパイプ役を求められるベテラン社員は、コミュニケーションスキルが問われます。上司に反対意見を述べたり後輩を指導したりするとして、怒りまかせに気持ちを伝えても効果は得られないでしょう。アンガーマネジメントのスキルを身につけて怒りをコントロールできたほうが、効果的に人材育成を進められます。
新入社員を対象とした研修では、アンガーマネジメントを取り入れるのも有益でしょう。アンガーマネジメント研修をとおして、上司や先輩に叱責された際の対処法を理解していれば、過剰に自分を責めずに済むためです。また、新入社員にとって、怒りを適切にコントロールする力は社会人基礎力のひとつといえるでしょう。
アンガーマネジメント研修のメリット
自分の気持ちをコントロールできる人材は、マネジメントスキルに長け、高いパフォーマンスを発揮します。また、職場全体にアンガーマネジメントが定着すると、健全な人間関係が築かれるでしょう。ここでは、アンガーマネジメント研修のメリットを解説します。
怒りの感情をコントロール・マネジメントしやすくなる
研修を受けた人材は「ここで怒ってしまうと、長期的に自分が損をするかもしれない」と考えるようになります。怒りが湧いたとき、やけになったり相手にひどい対応をしたりせず、自分の気持ちを認めて前向きに行動できる人材を育てましょう。
マネジメント業務に生かせる
マネジメント業務では、プロジェクトが円滑に進むよう人を動かさなくてはいけません。同じことを伝える場合でも、強い口調で伝えるより、穏やかに丁寧に伝えたほうが人を動かせます。強い口調では相手が萎縮してしまう可能性もあり、コミュニケーション以前に信頼獲得が失われるリスクもあるでしょう。
相手の状況がわからなければマネジメントが難しくなるばかりか、反発されたり敬遠されたりするケースもあります。アンガーマネジメントを学び、相手を動かす伝え方を学びましょう。
仕事のパフォーマンスが向上する
アンガーマネジメントを意識して相手と向き合うと、仕事のパフォーマンスが向上します。たとえば、職場に気に入らない人がいたとして、怒るだけでは仕事のパフォーマンスが上がりません。アンガーマネジメントでは「怒りの原因を分析して客観視する」ことが重要だと述べたものの、相手の気持ちが絡むときは原因の特定が困難です。
まずは怒りを抑え、目的達成に向けてどのように振る舞うべきか考えましょう。建設的な行動を取ると、次第にうまくコミュニケーションを取れ、仕事のパフォーマンス向上につながります。
職場内で健全な人間関係を築ける
職場にアンガーマネジメントに長けた人材が増えると、怒りにまかせてその場しのぎの行動を取る人が減り、健全な環境が構築されます。
アンガーマネジメントには「ソリューションフォーカスアプローチ(理想の状態をイメージしてギャップを埋めていくアプローチ)」が用いられます。ポジティブに行動する人を増やし、徐々に働きやすい職場をつくっていきましょう。
アンガーマネジメントに取り組まないデメリット
自分の怒りをコントロールできない人材が多い職場は、雰囲気が悪く、協力し合う気持ちが感じられません。アンガーマネジメントに取り組まないときに想定されるトラブルを、いくつか以下に示しました。
- 人間関係のトラブルで、メンタルヘルスに問題を抱える従業員が増える
- モチベーションが上がらず生産性が低下する
- 離職率が高まる
- 怒る以外の指導方法がわからないと悩む上司が増える
- 休んだ人の仕事がカバーされず、仕事が停滞したりクレームを受けたりする
- トラブルがすぐに報告されず、状況が悪化する
- 顧客との関係性が悪化し、仕事を受注できなくなる
上記のデメリットをふまえて、改めてアンガーマネジメント研修に取り組む準備を進めましょう。
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ディレイテクニック
「ディレイ」とは「遅らせる」という意味で、怒りの反応を遅らせるテクニックのことです。たとえばイライラすることを言われたときに深呼吸をすることも、そのひとつ。怒りを感じた瞬間、大きな深呼吸を4〜5回行います。
スケールテクニック
怒りの強さを数値で計算する方法です。怒りには、以下のような段階があります。
- 軽くイライラしている怒り
- 誰かに文句を言ってしまうような怒り
- 腹いせに人を攻撃したり、物を投げたりするような強い怒り
怒りの段階を自分で測れるようになると、目の前の怒りに対処しやすくなります。
ストレスログ
アンガーマネジメントの最も重要なポイントは、自分の頭のなかに「怒りにくい仕組みをつくること」。自分の置かれている環境をなるべく怒りにくい状態にするため、以下のように、ストレスを4つに分類したストレスログをつけていきます。
- 「重要」かつ「自分で変えられる」
- 「重要」かつ「自分で変えられない」
- 「重要でない」かつ「自分で変えられる」
- 「重要でない」かつ「自分で変えられない」
自分がストレスに感じることを書き出し、次にストレスを上記の4つの基準で分類し、ストレスに優先順位をつけるやり方です。
6秒ルール
6秒ルールとは、怒りが沸き上がったとき、6秒のみ気持ちを外に出さないように堪えるアンガーマネジメントの手法です。怒りの気持ちには波があり、数秒我慢するうちに気持ちが収まるケースがあります。
耐えている間は、過去に腹の立ったことと比較して怒るまでもないと結論づけたり、まったく別なことを考えて気持ちをまぎらわしたりして過ごしましょう。6秒待っても気持ちが収まらない場合は、その場から一旦離れると、相手にむき出しの怒りをぶつけずに済みます。
アンガーマネジメント研修のタイプ
アンガーマネジメントの大切さを理解できても、具体的な研修方法がわからない担当者も多いのではないでしょうか。主なアンガーマネジメント研修を紹介するので、自社に合うものをうまく活用しましょう。
動画やスライドなどのeラーニング
動画やスライドなどのeラーニングでは、あらかじめ用意されたコンテンツを受講者に視聴してもらいます。eラーニングなら時間や場所を選ばず視聴できるため、スケジュールが詰まっている従業員でもスキマ時間で研修に参加可能なうえ、実地研修ではないため、会場を予約したり講師・受講者のスケジュールを調整したりする手間がかかりません。
eラーニングで基礎知識を習得させ、日頃の業務で学んだ内容を訓練・実践してもらいましょう。
講師派遣型
講師派遣型の研修では、受講者を集めた会場に講師を派遣します。講師との距離が近いため質問をしやすく、受講者同士でコミュニケーションを取れるうえ、グループワークによる実践も可能です。全員で一度に学べば、モチベーションも維持できるでしょう。
一方、講師派遣型の研修は、広い会場を確保や、講師やスケジュールのスケジュール調整に時間を取られます。また、会場の予約費用や、講師と受講者の交通費もかかります。
オンラインセミナー
オンラインセミナーは、リアルタイムで講義を行う研修です。受講者は別々の場所からインターネットを通じて研修に参加します。オンラインセミナーで研修を開催すると、会場を予約する手間や費用を節約できます。反面、スケジュールが合わない受講者は研修に参加できません。参加できなかった受講者には、必要に応じてセミナーのデータや資料などを配布して対応しましょう。
アンガーマネジメント研修の内容や費用
アンガーマネジメントでは、主に以下の内容を学習できます。
- 怒りが生まれる理由やメカニズム
- 怒りのサインや、自分にとって怒りを感じやすい状況を知る方法
- 怒りをセルフコントロールする方法
- 上手な感情の伝え方や効果的な叱り方
- 怒っている人への対処法
- パワハラ防止対策
アンガーマネジメント研修は、集合研修だと1人当たり1万~3万円程度が相場です。また、eラーニングやオンラインセミナーなら、集合研修よりも費用を抑えられます。
「manebi eラーニング」なら、月額制でアンガーマネジメント研修以外の講座視聴も可能です。リーズナブルな料金で、効果的な人材開発をサポートします。
アンガーマネジメント研修なら「manebi eラーニング」がおすすめ
アンガーマネジメントとは、怒り感情をコントロールすること。
アンガーマネジメント研修を導入すると、怒りの感情とは何か、周りにもたらす影響や怒りと付き合う方法、感情や心のケアなどを理解できるため、職場のコミュニケーションが円滑になり、仕事のパフォーマンスが向上し、健全な職場環境が構築されるでしょう。
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