時代の変化に伴い、リーダーの必要性が急激に高まってきました。リーダーとして必要な考え方やコミュニケーション方法なども、多様性が認められる社会となったことで大きく変化しています。リーダー研修も、従来の研修内容からアップデートする必要があり、できていなければ研修は無駄だと思われてしまうでしょう。
この記事では、新たな時代のリーダー研修に必要なポイントを解説します。ぜひ参考にしてみてください。
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資料をダウンロードするリーダー研修を実施するために押さえておきたい基礎知識
リーダー研修を実施する際は、以下の5点を押さえておきましょう。
- リーダー研修の基礎知識
- ロミンガーの法則から考えるリーダー研修の効果
- リーダー研修は位置づけが大事
- リーダー研修の対象者
- リーダー研修が注目されている背景
そもそもリーダー研修とは
リーダー研修とは、組織をけん引し、目標達成に導けるようになって欲しい人材を対象に、知識やスキルの習得を目的に実施される研修のこと。そのためリーダーとしての考え方や振る舞い方、リーダーシップやマネジメントなど、リーダーに必要な要素を伝えます。一般的に、リーダー研修の対象者は新規登用される予定のリーダーが中心です。
また時代の変化とともにリーダーに必要な要素も変化。近年、リーダーシップの重要性が増しているものの、従来の研修内容からアップデートできていない場合もあるでしょう。そのため、部長・課長クラスなど現管理職の再教育としてリーダー研修を行うこともあります。さらに、最近では中堅社員といった次期リーダークラスへの研修実施も増えているのです。
ロミンガーの法則から考えるリーダー研修の効果
ロミンガーの法則とは、リーダーシップを学ぶ際、何が有効だったかを示した法則のことで、その内訳は「実務経験が70%」「上司や先輩からの教え(薫陶)が20%」「研修や読書から得る知識が10%」となっています。アメリカのロミンガー社により提唱されました。
ロミンガーの法則によると、実務経験が70%、上司や先輩からの教え(薫陶)が20%、研修や読者から得る知識が10%となっています。ロミンガーの法則から、リーダーシップを学ぶには実務経験が最も有効だとわかるでしょう。
しかし、法則に囚われて、研修は無駄だと判断することは避けたいもの。実務経験だけでは所属する企業や組織しか見られず、他業種の成功事例を学ぶ機会を得られません。
重要なのは上司からの指導や研修、読書などで新しい情報をインプットし、実務でアウトプットできるようにすること。実務経験が有効だと証明されているため、得た知識をアウトプットできる仕組みがあれば、研修の効果は高くなるといえます。リーダー研修が無意味なのではなく、実施の目的を押さえて適切に実施することが大切なのです。
リーダー研修は位置づけが大事
研修はインプットの場でもあり、アウトプットの場でもあります。リーダー研修を実施して成果を得るには、インプットとアウトプットのバランスを考慮することが大切です。参加者の状況に応じて、どちらを重視するか、決定しましょう。
たとえば、初めてリーダー研修に参加する場合、インプットを重視してリーダーに必要なマインドや成功事例・失敗事例、理論の考え方などを中心に内容を設定すると学びが深まります。
反対に、参加者がすでにリーダーとして実務を行っている場合、参加者同士の話し合いや自身の行動を振り返る必要があるでしょう。その際は、目標設定や行動計画の策定、意見交換など、アウトプット中心の研修を実施すると効果的です。
リーダー研修の対象者
リーダー研修を実施する際は、対象者を明確に設定しましょう。対象者に応じて研修実施の目的が異なるためです。おもに以下の対象者に向けて実施します。
- 次世代リーダー:将来の幹部候補や経営者が対象者。若手社員の早期育成を目的として選抜する企業も増えている
- 管理職の社員:新たに管理職に就いた社員もしくは、現管理職が対象。おもにリーダーとしての意識改革やメンバーの管理スキル、コミュニケーションスキルなどを習得する。なお、現管理職者を対象とする場合は、リーダーシップスキルや知識の補完が可能
- 中堅社員:将来のリーダー・管理職候補となる人材が対象で、近年、中堅社員に向けてリーダー研修を実施する企業も増えている
スキルや知識が不十分な状態でリーダーになってしまうと結果を出しづらくなってしまうもの。またリーダー不在の状況を回避するためにも、リーダーになる前に研修を行ったほうがよいでしょう。現管理職者には知識のアップグレードを、若手社員や将来のリーダー候補者には早期育成とリーダーとしての即戦力を目指して実施しましょう。組織力の強化が期待できます。
リーダー研修が注目されている背景
リーダー研修が注目されている背景にあるのは、変化のスピードが著しく早くなり、変化に対応し結果を出せる組織が求められるようになった点です。変化に対して柔軟に対応できる組織を構築するためには、リーダーシップ力が求められます。
また、時代の変化に伴い長年続いた年功序列もなくなり、企業風土の大半は成果主義となりました。そのため、能力のある人材や向上心のある人材を育成するうえでもリーダー研修の重要性が増しているのです。
さらに、少子高齢化によって将来的な労働力の減少が危惧されています。少数精鋭で結果を出せる組織に成長するには、従業員の育成能力に長けたリーダーの存在が不可欠です。
なお、日本企業では40歳代で管理職に就くことが多いといわれていますが、グローバル企業では20代からリーダーシップ教育を徹底しているケースもあります。グローバル企業との差を縮めるためには、早めの段階からリーダー研修に従業員を参加させて育成することが大切です。
リーダー研修が無駄だと思われる理由
リーダー研修を行っても無駄と思われてしまう原因として、以下4つが挙げられます。リーダー研修を実施する場合は、参加者に有意義だと感じてもらうことが大切です。
ここで紹介する「リーダー研修が無駄だと思われる理由」を理解して、効果的な研修実施につなげましょう。
- 参加者が必要性を理解していない
- 研修参加者が適切でない
- 自社の組織状況や方針に即した内容に落とし込めていない
- 上司の理解を得にくい
参加者が必要性を理解していない
参加者が研修の意図や目的、将来なるべき姿を認識していなければ、リーダー研修に参加する必要性を見出せません。しかしリーダーは、普段の業務において膨大なタスクを抱えている場合も多いです。通常業務をこなすだけでも精一杯な状況が続いて、研修に身が入らないケースもあります。結果として、リーダー研修の意義を深く理解できず、参加の必要性を感じられない場合があるのです。
意欲的にリーダー研修に参加してもらうために、リーダーになるメリットを提示したり、研修に参加してもらう理由を説明したりする必要があります。研修やリーダーに対して参加者が前向きにとらえられるようアプローチしていきましょう。また、リーダー研修を実施したら、フィードバックの機会を与えて研修で学んだことを実務で生かせる仕組みづくりも欠かせません。
研修に参加させる人材が適切でない
リーダー研修に参加する人の基準を決めておかなければ、研修の効果は見込めません。よくあるケースが「プレーヤーとして優秀だからよいリーダーになれると思い参加してもらった」「人間性を把握できておらず、昇進意欲のない人を参加させてしまった」など。
また、本来は管理職になるための研修を実施し、スキルを習得して適性があればリーダーに登用するという手順を踏みますが、実態は異なります。登用してからスキルを習得させるケースが多く、適性がないのに管理職に就任しているケースもあるのです。
候補となる人材の能力や人間性をきちんと把握せずに参加させてしまうと、研修の効果は見込めません。リーダー候補となる人材の選抜基準を設定し、育成する仕組みを整えるとリーダー研修が有意義なものになっていくでしょう。
自社の組織状況や方針に即した内容に落とし込めていない
限られた時間のなかでリーダー研修を実施するため、場合によってはリーダー総論しか学習できないケースも多いです。リーダー研修の効果を高める方法のひとつは、自社の方針や組織現状に応じて、研修内容と方法、カリキュラムを考慮すること。研修内容やカリキュラムの設計が適切でないと、参加者は学んだ内容と現場での実効性にギャップを感じてしまいます。
たとえば、研修内容が自社の現状や求めるリーダー像とかい離していると、参加者は「自分のところでは活用できそうにない」と感じてしまうでしょう。また研修に充てられる時間を十分に確保できないため内容を省略してしまった場合、求めるリーダー像を理解してもらえない可能性が高まります。
上司の理解を得にくい
リーダー候補である参加者を通常業務から離してリーダー研修に参加させたくないと考える上司もいます。リーダー研修に参加しにくい状況だと、研修後のフォローアップが十分に行われない可能性もあります。そして、受講者の研修に対する前向きな感情が失われてしまうでしょう。結果として、参加者のリーダーとしての成長を止めてしまい、研修の効果が生じません。
リーダー研修を効果的に実施するためにも、研修に参加するリーダー候補の上司に研修の重要性を説明し、研修後のフォローを行ってもらうアプローチが必要です。
リーダー研修を実施する目的
リーダー研修を効果的に実施するためには、実施の目的をきちんと理解することが大切です。ここでは、リーダー研修の企画者が、有意義な研修を実施するために押さえておきたい研修の目的を解説します。研修実施前に、参加者にリーダー研修実施の目的をきちんと説明して理解を深めてもらうことが重要です。
1.リーダーとしての役割を認識してもらう
2.コミュニケーションスキルを身につける
3.リーダーシップ力を身につける
4.部下を育成するスキルを身につける
5.判断力を身につける
6.業務の課題を認識して解決していくスキルを身につける
7.人脈を作れる
リーダーとしての役割を認識してもらう
リーダー研修を無駄だと思わせないために、新たに登用されるリーダーが「リーダーとは何か」というリーダーの役割を認識することが大切です。参加者が「リーダーの役割」を認識すると、率いるチームや組織全体をどう動かしたらよいのかといった視点を持っていけます。
リーダーの役割とは、リーダーシップを発揮してメンバーを巻き込み、目標を達成に導ける強い組織にすること。そして、強い組織に成長させるには、組織内の風通しを良くし、適切な目標を設定して達成に向けてメンバーが同じ方向を向いていることが必要です。さらに、組織内のコミュニケーションを活性化し、目標や進捗について振り返る時間を設けることも重要といえます。
会社の成長のために行動できるメンバーを増やすのも、組織を強化するために必要な条件です。参加者が、メンバーの育成やサポートをするリーダーシップスキルを習得できるような環境を整備する必要があります。
コミュニケーションスキルを身につける
組織には、多様な性格、年齢層の人が混在しています。そのため、同じ目標に向かってメンバーに動いてもらうためには、コミュニケーションが不可欠です。コミュニケーションを活性化すると、人間関係の構築につながります。コミュニケーションを活性化するためには、どうすればよいのでしょうか。いくつかのポイントを解説します。
- 相手の話に耳を傾けてアイデアを引き出す
- リーダーから挨拶することを習慣化する
- メンバーを適切に評価する
まず相手の話に耳を傾けたうえで質問しましょう。相手からアイデアを引き出すことができます。質問の際には、「今、聞いていい?」などクッション言葉を挟むことがポイントです。そして「誰が」「何を」「どこで」「どうして」「どのように」を使って質問していくと、双方が話の内容を整理できます。
また通常業務において、リーダーから挨拶することを習慣化するのも大切です。リーダーから挨拶することで組織内の空気は大きく変わります。さらにメンバーを適切に評価することも重要です。評価する際は、事実に対してストレートに褒めるように意識しましょう。「すごいね」「がんばったね」といった表面的な言葉を使うのではなく、具体的な事実を示して評価することが大切です。
たとえば、「自分で問題を見つけただけでなく、改善策を考えて結果を出すまで導いたところがすごいね」と具体的な過程や事実に対して評価することで、「自分のことを見てくれている」と感じ、仕事へのモチベーションを高められます。
リーダーシップ力を身につける
参加者にリーダーシップ力を身につけてもらうことも研修実施の目的です。リーダーシップ力とは、組織の使命や目標を達成したらどうなるのかというビジョンを明確に提示し、組織を目標達成に導くこと。リーダーシップ力を発揮するためには、リーダーが明確な目標やビジョンを持ち、組織内のメンバーに共有することが大切です。
目標の内容は組織によって異なり、月間の売上目標や新規顧客の獲得数などが該当します。設定した目標の管理をして、目標達成に向けて組織力を高めていくことが不可欠です。
組織全体はもちろん、部下個人の業務の進捗を把握して教育していくと、目標達成に向けた道筋がブレにくくなります。また、部下の業務の進捗を適切に把握するためには、組織内のコミュニケーションを活性化して、組織内における信頼関係を高めることが大切です。
部下を育成するスキルを身につける
参加者に育成スキルを身につけてもらうのも、リーダー研修実施の目的に挙げられます。設定した目標を達成するためには、部下の成長が欠かせません。リーダー研修では部下の育成の重要性、育成方法などを身につけてもらうことが大切です。
部下が成長すると組織全体の基礎レベルが向上し、結果として組織力がアップします。部下の成長のために必要なことは、「部下に任せる機会を作ること」「具体的な指示を出すこと」「進捗確認」「適切な評価」です。
リーダーが自身で業務を遂行したほうが早い場合もあるでしょう。しかし、部下に仕事を任せなければ、成長につながりません。期日や指示内容などを具体的に伝えることで、部下との間で共通認識が生まれて効果的です。
また、進捗状況を確認するのも大切です。適度なタイミングで進捗を確認し、必要に応じて軌道修正したり部下にフィードバックしたりする機会を設けましょう。そして結果にかかわらず「よかった点」「悪かった点」「次に生かせるポイント」などをフィードバックする必要があります。このような育成スキルを身につけることは、社員の成長や組織力向上に不可欠なのです。
判断力を身につける
リーダーになると、意思決定の場面が増えるため、状況に応じた適切な判断力が必要です。設定したチーム目標の軌道修正や部下からの提案内容の判断、クレーム対応など、重要な場面で判断や決断を迫られることもあります。
リーダー研修の実施により、リーダーとして必要な「判断力」や「対応力」を身につけることが可能です。判断する場面において重要なのは「自分軸をもつこと」「優先順位を決めておくこと」「問題と解決策を明確にする」など。そもそも「判断力」は、短期間で身につきません。研修後の実務においても、信頼できる人の意見を参考にしながら最終的にはリーダー自身が考えて決断する機会を増やします。
ときには同時に複数の判断や決断をしなくてはいけない場面もあるでしょう。重要なものと優先度の低いものとを取捨選択する力も必要です。そして、問題を把握して解決策を具体的に示す力も必要となります。
このように、リーダーとして活躍するためには、リーダー研修や実務で「判断力」を身につける必要があるのです。
業務の課題を認識して解決していくスキルを身につける
リーダーには、課題を見つけ出し、解決策を提示できる力も必要です。場合によっては、現状では目標を達成できそうにないため、軌道修正を余儀なくされることもあります。このような、課題の発見から解決策を見出すスキルもリーダー研修によって身につけられるのです。
課題解決力とは、問題発生の原因を把握し、物事の本質を掘り下げて解決へ導く力を指します。また解決策を提示して終わらせるのではなく、適度に現状を確認し、メンバーに対してフィードバックしましょう。フィードバックの機会があると、課題解決に必要なものをメンバー自身が発見できたり、自ら考えられるようになっていきます。
人脈を作れる
1つの会場に参加者が集う集合研修では、参加者同士の絆が生まれやすくなります。リーダーを目指す同じ立場の仲間ができることで、研修後にも相談したり、集まってアイデアを出し合ったりする貴重な人脈が作れる可能性が高まるでしょう。
リーダー研修には異業種交流会としての側面もあり、リーダー研修により人脈を広げられます。仕事に生きる人脈を広げる点も、リーダー研修の目的です。リーダーにはコミュニケーション力や周囲を巻き込む力が求められます。研修を実施する際は、参加者間で積極的に話せる場を設けると、参加者の人脈を広げられるでしょう。
リーダー研修を無駄と思わせないポイント
参加者がリーダー研修の意義を理解していなかったり、企画者側が研修内容を適切に設定できていなかったりすると、参加者はリーダー研修を無駄と感じやすくなります。リーダー研修を有意義なものにするには、以下4つのポイントを押さえることが大切です。
- 参加者のモチベーションを高める
- 組織の課題や問題点を考慮して研修内容を設定する
- 適切な参加者を選定する
- 研修後に学習内容を生かせる環境を整備する
参加者のモチベーションを高める
リーダー研修を有意義なものであると参加者に実感してもらうためには、参加者のモチベーションを高めるアプローチが不可欠です。研修の価値を参加者に実感してもらい、研修に参加することに義務感を抱くような状態にならないように工夫しましょう。
参加者が研修参加に義務感を覚えると、研修参加へのモチベーションが低下し、インプットされにくい状態に陥ります。また、研修後にアウトプットされにくくなり、研修に参加することだけが目的となってしまうでしょう。
参加者がリーダー研修の目的や、自身が参加者に選ばれた意味を理解することが大切です。リーダー研修の企画者が、研修後に「あるべき姿」や研修参加の意義を明確に伝えると、参加者の研修に対するモチベーションを高められます。
組織の課題や問題点を考える
参加者がリーダー研修に積極的な姿勢で参加するには、研修内容の吟味が不可欠です。リーダー研修の内容は、リーダー総論にくわえて組織が抱える課題や問題点、業務内容に即したものにしたほうがよいでしょう。参加者は、研修内容が現場で生かせられないと感じると、研修参加へのモチベーションが上がらず研修後のアウトプットにつながらないためです。
研修で学んだことを実務で生かせるような、実効性の高いカリキュラムを設定しましょう。またインプットしたことがチームや企業にどう生かせるのか、研修後に検討する機会も設けます。
適切な参加者を選定する
リーダーの素質がある人を正しく選定することが、リーダー研修を成功させるために大切です。リーダー研修の参加者が多い場合は、モチベーションや期待値の高い参加者に限定して実施する必要があります。
参加者を絞ってリーダー研修を実施したら、自社に研修で学んだことを持ち帰り、自社に適する内容にブラッシュアップして自社内で研修を実施する方法も効果的です。
なお、モチベーションの高さやリーダー業への期待値の高さ、意欲などは、普段の仕事に対する姿勢から評価できます。たとえば挨拶や気配り、人の話を聞く姿勢を大切にしているかなど、コミュニケーションの取り方を見て評価するのも可能です。
また、業務提案をする場面で、聞く側がイメージできるように論理的に話ができる人はリーダー候補に向いていると判断できるでしょう。
リーダー研修の企画者は、リーダーとしての素質があるかどうかをチェックすることが大切です。研修の参加者として必要な基準点を設定すると、適切な参加者を選定しやすくなります。
研修後にアウトプットの機会を設ける
リーダー研修を実施しても、現場でアウトプットできなければ学んだことが身につかず、効果的ではありません。リーダー研修を終えて現場に戻ったら、上司と研修で学んだことについて振り返る機会を設けることが大切です。そして、研修で学んだことをベースとして「なるべき姿」を考え、目標を設定しましょう。
目標設定後は、定期的に1on1ミーティングを設定して上司からフィードバックを受け、課題解決や目標達成に向けて取り組むことが大切です。こうしたサイクルが回せるようになれば、研修で学んだ内容を実践形式で習得できるようになります。研修で学習したことの理解が深まり、リーダーに必要な能力や知識を効率的に身につけられるでしょう。
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資料をダウンロードするリーダー研修の種類
リーダー研修を実施するためには、企画者がリーダー研修の種類と内容をきちんと理解しておくことが大切です。効果的に実施するためには、研修の目的や参加者に合わせて種類を選択する必要があります。リーダー研修には、大きく「必修型」と「選抜型」の2種類があります。ここからは、リーダー研修の種類と内容について詳しくみていきましょう。
昇格時に必修とされる「必修型」
「必修型」とは、リーダーに昇格する際、必ず参加する研修で、階層別研修の一種です。一般的に管理職への昇進に必要な条件として含まれており、従来から踏襲されている内容が多い傾向にあります。多くの人にわかりやすく、広く行きわたりやすい研修内容である点が特徴です。
一方、従来から継続的に実施されているケースが多く研修内容が更新されていないといった場合もあります。「必修型」のリーダー研修を実施する際は、研修の意義と内容を事前に参加者に伝えることが大切です。
人材を抜擢して行われる「選抜型」
「選抜型」のリーダー研修は、幹部候補など将来性の高い人材に絞って実施するリーダー研修です。一律に実施される研修とは異なり、比較的自由度の高い研修となります。個々の社員が自身のキャリア形成に即して受講できる点がメリットです。人材の育成スピードを上げられる点が利点です。他方、対象者がプレッシャーに感じる可能性もあります。研修前には、研修内容や目的について丁寧に説明しましょう。
また、選抜型の研修には、主に以下の3種類の型があります。オンラインとオフラインの研修を組み合わせて実施するとよいでしょう。
- 長期プログラム型
- 短期プログラム型
- グローバルワークショップ型
長期プログラム型
月に1~2回のペースで、半年から1年かけて実施するタイプです。毎月実施するため、アウトプットに対する振り返りがしやすい点が特徴といえます。また、参加者は、研修期間中、仲間と切磋琢磨できる点がメリットです。参加者どうしで仕事に関する意見交換ができるでしょう。
長期プログラム型のリーダー研修はアクションラーニングといった事業課題に向き合うようなプログラムと親和性があります。実効性が高く実施効果を得やすい点が特徴です。ただし、実施頻度が比較的多いため、通常業務との兼ね合いが難しい場合もあります。
研修に参加しても、実務に生かす時間を確保できなければ効果的ではありません。効果的に研修を実施するためには、業務時間とのバランスを考慮することが大切です。
短期プログラム型
数日の連続日程で実施し、完結するタイプです。座学やワークショップ、講義で、リーダーとしてのマインドセットやマインド醸成、知識、スキルを短期間で修得していきます。短期プログラムでは、短い時間でリーダーシップの習得を目指すうえ、研修目的の達成も目指さなければなりません。
そのため、習得した知識を実務に反映させる工夫が必要です。研修企画者は、研修で学んだことを実務でどう生かすのか、きちんと説明する必要があります。また短期間で研修目的を達成できるカリキュラムを構築し、研修後のフォローアップ体制を整える必要もあるのです。自社の課題や社員の能力、組織の現状などを考慮したうえで、研修内容を検討しましょう。
5-2-3 グローバルワークショップ型
グローバルワークショップ型のリーダー研修は、自社だけでなく日本全国の各地に拠点を置く国内関係会社や海外に拠点を置く会社など、関係企業のリーダー候補生を集めて実施するもの。グローバルワークショップ型のリーダー研修はおもに集合研修・ワークショップ型が中心です。
国内外のさまざまな業種の企業から参加者が集まるため、参加者どうしの幅広い交流が期待できます。そのため、研修期間中は、研修内容だけでなくビジネスに活用できる貴重な話を聞ける場合も多いでしょう。
また、ワークショップを乗り切ることで参加者どうしの絆も深まり、信頼関係が生まれます。そして、互いに切磋琢磨でき、仕事に対するモチベーションが高まるでしょう。
リーダー研修の実施にかかる費用
リーダー研修を実施する場合は、研修費用がいくらになるのかを検討する必要があります。多くは、参加人数や研修期間、研修内容・方法などによって大きく変動するもの。研修に充てられる予算と、研修の目的や実施の必要性とのバランスを考慮して企画しましょう。
たとえば参加者を会場に集めて行う「集合研修」を半日~1日で実施する場合、数十人規模でも10万~20万円程度になります。
なお大企業でリーダー候補が多数におよぶと想定できるとき、外部開催によって費用を抑えられる可能性もあります。また公開講座の場合、1人あたり数千円~数万円程度で開催できることが多いです。なお無料で開催しているケースもあります。
eラーニングといったオンライン研修なら、会場費や人件費を軽減できるため、費用を大きく抑えられるでしょう。また、いつでもどこでも受講でき、効率的に学べるため、主催者側と受講者、双方にメリットがあります。
研修費用が高くても、結果としてリーダーの育成に貢献できれば、将来的に企業にとってプラスの影響をもたらすでしょう。研修内容が参加者に適したものか、自社の課題に適しているかを見極めるのが重要です。
会社が実施すべきリーダー育成のポイント
リーダー研修を成功させるためには、組織の課題に即して適切な方法を選択することが大切です。リーダー研修の方法を選択したら、円滑に実施するためにいくつか押さえておきたいポイントがあります。リーダー研修の参加候補となる人材を育成するうえで、以下2つのポイントを押さえておきましょう。
- リーダー選抜の基準を明確にする
- リーダー候補にメリットを説明する
リーダー選抜の基準を明確にする
効果的にリーダー研修を実施するためには、リーダー候補生の選抜の基準を明確に設定することが大切です。基準を設定する際は、自社が求めるリーダー像を明確にしましょう。研修の企画者が変わっても、リーダー候補を正しく選任できるよう、一定の基準を具体的に定めることが重要です。
リーダー選抜の基準は抽象的なものでは効果がありません。人事評価制度に、リーダーに求める行動や、重視すべき姿勢などを盛り込み、リーダーとして評価を得られる基準を定める必要があります。適切に評価される仕組みがなければ、リーダーに就任してもモチベーションが低下してしまうでしょう。
モチベーションが高いという理由でリーダーに選抜する場合もあります。しかし、モチベーションの高さだけでリーダー候補を選んでしまうと、リーダーとして求められているスキルと本人が目指す姿とのギャップが大きくなり、モチベーション低下をまねくかもしれません。
「リーダーとして必要な要件をいくつかリストアップし、要件を満たしている割合に応じて評価する」といった誰が評価しても判断の基準がブレない仕組みづくりが不可欠です。
リーダー候補にメリットを説明する
また、リーダー候補生に対してリーダーになるメリットをきちんと説明するのも大切です。リーダー育成の前に、リーダー候補生がメリットを理解すると、主体的にリーダー研修に取り組めるようになるでしょう。
メリットを説明するとき、ただ会社の経営理念や方針を押しつけるのでは効果的ではありません。リーダー候補生が、「リーダーに就任したら〇〇を実現したい」のように、自発的に目標を考えられるような工夫が大切です。
リーダー育成の方法
リーダー研修を実施するポイントがわかったところで、具体的にどのようにリーダー育成を実施したらよいのでしょうか。リーダー候補を育成するために効果的な方法には、以下の2つがあります。
- 1on1ミーティングを実施する
- PDCAを回す
参加者を個々に明確な目的を持って取り組んでもらえるよう、リーダー育成を実施する際は環境を整えることが大切です。ここからは、2つの方法について詳しくみていきます。
1on1ミーティングを実施する
1on1ミーティングとは、上司と1対1で行う対話型のミーティングです。上司は部下の話に耳を傾け、解決策などのアドバイスをしたうえで部下自身が課題解決に向けて考えて行動してもらいます。目的は、社員の育成や信頼関係の構築、仕事に対するモチベーション向上などです。総合的に組織力向上を目指します。リーダー候補に対してだけでなく、全社員に必要なミーティングといえるのです。
定期的に1on1ミーティングを実施すると、仕事に対する疑問や不安、課題を発見でき、解決に向けて参加者が前向きな気持ちで取り組めるようになります。1on1ミーティングを実施する際は、上下関係を重視するのではなく、部下と対等な立ち位置を意識して、部下が話しやすい空気感を演出することが大切です。
たとえば「リーダーになるために必要なことがわからない」という話が出たとしましょう。このとき「リーダーに必要なことは〇〇」と答えを説明するのではありません。
「リーダーに必要なことがわからないんだね」と共感し、「聞いていい?たとえば、〇〇さんが尊敬できる上司がいたとしたら、どんなところに憧れる?」といったように答えに近づく質問を掘り下げて投げかけ、考えてもらいましょう。
上司が答えを与えるのではなく、課題解決のヒントやアドバイスを提供します。それにより、部下が主体的に物事を考える習慣が身につき実務に生かせるようになります。
リーダー育成のPDCAが大切
リーダー研修で学んだことや課題を、現場で実践するアウトプットの仕組みを整えるのも重要です。現場の課題を改善したり、どうやって目標を達成していくかを考え、実践してもらいましょう。
PDCAの過程において、「C」のチェックが重要です。1on1ミーティングで上司からのフィードバックをもらえると理解が深まり、次のアクションに効率よく反映できます。研修後に実践してもらうには、上司の理解が不可欠。しかし上司からの理解を得られても実践に生かす仕組みがなければ、育成の優先順位が下がってしまいます。
リーダーの育成を実のあるものにするには実務経験が非常に重要です。研修で学んだことを実務経験に生かしてもらうためにも、上司に対してある程度の強制力を与えて、リーダー育成の取り組みに協力してもらう必要があります。
効果的にリーダー研修を実施するためにオススメな「manebi eラーニング」のコース一覧
リーダー研修を実施するためにも、研修方法を適切に選択しましょう。「manebi eラーニング」は、リーダー研修をはじめとした多数の研修にくわえ、ビジネススキルやマーケティングなど幅広い分野の知識を学べるラーニングプラットフォームです。ここでは「manebiラーニング」のコースから、リーダー研修に有効なコースと内容を解説します。自社に見合うコースを探してみましょう。
ビジネススキル研修
ビジネススキル研修では、文書の書き方やビジネスマナーなどの基本的なものから業務効率化やプレゼンテーションなど実用的なものまで幅広く学べます。ここでは、ビジネス教養の光る企画書についてみていきましょう。
2023年改訂_光る企画書の書き方
リーダーとしてビジネスで新たなことを提案する際、企画書の作成スキルが求められます。新たな発想、改善方法などの考えを論理的な考えにもとづいて相手にわかりやすく伝えるのが企画書です。
本コースでは、問題意識や企画書の構成、文書作成の基本や読む人をその気にさせる作成方法、イラスト・写真・グラフ挿入の効果や文章の表現方法などよい企画書を書くためのポイントを学べます。
マネジメント・リーダーシップ研修
マネジメント・リーダーシップ研修では、リーダーに必要なマインドからメンバーの育成方法やマネジメント方法など多岐にわたる内容を学べます。具体的には、以下の内容です。
- コーチング
- リーダーシップの発揮法
- 効果的な部下の指導法
- パート・アルバイトの育成法
2023年改訂_事例で学ぶコーチング入門
コーチングスキルは、リーダーやマネージャーに求められるコミュニケーションスキルです。本コースでは、下記のような内容を学べます。
- コーチングの概要
- 話の聞き方
- 共感のスキル
- 質問のスキル
- 信頼関係の構築方法
- インフォーマルの活用
- コーチングとティーチング
2023年改訂_リーダーシップの発揮法を学ぶ
リーダーに就任しても、どのようにリーダーシップを発揮したらよいかわからない場合もあるはずです。本コースでは、下記のような内容を学べます。
- リーダーに求められること
- チームのモチベーションを高める方法
- できるリーダーの会議運営や部下とのコミュニケーション
2023年改訂_効果的な部下の指導法を学ぶ
部下を持つ立場になると、マネジメントの考え方を理解し、リーダーシップスキルを習得することが大切です。本コースでは下記のような内容を学べます。
- マネジメントの定義
- 管理者に必要なヒューマンスキル
- コミュニケーションスキル
- 部下の指導方法
2023年改訂_パート・アルバイトの育成法を学ぶ
小売業をはじめパート・アルバイトがいなければ成り立たない会社が増えているのが特徴です。本コースでは下記のような内容を学べます。
- パート・アルバイトの職業意識
- パート・アルバイトの指導方法
- 正当な評価方法、能力に合った処遇
企画・マーケティング研修
企画・マーケティング研修では、市場調査方法から分析方法まで学べます。ここではリーダーに必要な「リーダーとしての利益思考の身につけ方」と「経営戦略から見た情報化戦略を知る」の2点についてみていきましょう。それぞれのコースの概要を紹介します。
2023年改訂_リーダーとしての利益思考の身につけ方
リーダーになると企業の利益を意識することが大切です。本コースでは下記の内容を学べます。
- 売上と利益の違い
- 利益・売上・費用の関係
- 利益の計算方法
- 損益分岐点の概要と損益計算
- CVP
- 費用の分類
2023年改訂_経営戦略から見た情報化戦略を知る
企業における経営戦略の位置付けや必要性、経営戦略の構成、SWOT分析の概要、CSF(重要成功要因)、BSCの考え方など、経営戦略の基本的な知識と、経営戦略から情報化戦略へ展開するときの戦略の図式化、ビジネスモデルをビジネスのプロセスに着目して図式化する手法が学べます。
人事関連の研修
人事関連の研修として人事部や総務、労務に必要な知識のほか、ハラスメントの対応方法やコンプライアンスなど、幅広い知識を習得できるコースが用意されています。基礎から応用、実践レベルまでコースのレベルはさまざま。人事関連の知識が身につく研修としてオススメなのは以下のとおりです。
- 目標管理制度が活きる、部下との対話法とは?
- 人事考課の基本的な考え方を学ぶ
- 管理職のための評価面接の基礎知識
- 業績アップのための目標管理制度のポイントを学ぶ
- 厳しい指導か?パワハラか?(指導とパワハラの境とは?)
2023年改訂_目標管理制度が活きる、部下との対話法とは?
目標管理制度では面談やミーティングを活用してPDCAサイクルを回すことが重要です。本コースでは下記の内容を学べます。
- 面談の基本や部下との面談のポイント
- 期首、期中、期末での面談手法
- 面談と業績評価
- 面談がうまくいかないときのテクニック
2023年改訂_人事考課の基本的な考え方を学ぶ
人事考課の導入は企業にとってなぜ必要なのか、正しく理解できている人は多くはないでしょう。本コースでは下記の内容を学べます。
- 人事考課の目的や導入のポイント
- 考課内容
- 目標管理設定
- 人事考課と人物評価
- 人事制度で失敗しないためのポイント
- 人事考課の流れ
2023年改訂_管理職のための評価面接の基礎知識
評価面接を効果的に実施すれば企業の発展につながるでしょう。本コースでは下記の内容を学べます。
- 評価面接を実施する前にすべきこと
- 評価面接の目標設定方法、評価基準設定のポイント
- 評価者の役割と責任
- 部下からの目標聴取のポイント
- フィードバックの留意点
- 評価面接を成功させるポイント
2023年改訂_業績アップのための目標管理制度のポイントを学ぶ
目標管理がなぜ必要なのか、モチベーションを高めるために何が必要なのかを知ることが大切です。本コースでは下記の内容を学べます。
- 目標設定のステップ
- プロセス管理の重要性
- 正しい結果評価
- 結果評価の活用
2023年改訂_厳しい指導か?パワハラか?(指導とパワハラの境とは?)
パワーハラスメントには、ボーダーラインにおけるあいまいさや、加害者が無自覚だという特徴があります。よって予防と対策がカギになるのです。本コースでは下記の内容が学べます。
- 何がパワハラにあたるのか
- パワハラが企業、個人に与えるダメージ
- パワハラが起きない職場づくり
リーダー研修は意味がある!効果的に実施をして育成しよう
時代の変化に対応し、企業が結果を出し続けるためには、優秀なリーダーの存在が欠かせません。リーダー研修の効果を高めるためには、候補となる人材の早期育成、研修後のアウトプット、フォロー体制といった教育の仕組みの整備が重要です。
「manebi eラーニング」には、リーダー研修をはじめ、コンプライアンスや情報セキュリティなどさまざまな教材が5,000以上もそろっています。リーダーとして必要なマインドセットを学習できるほか、法律やコンプライアンスなど決断するうえで必要な知識も学べるでしょう。
企業ごとに研修内容や教材をカスタマイズできる点は育成の仕組みを整備するうえで大きな魅力です。また、eラーニングを活用すると研修の開催時期に制限がなくなります。いつでも学べる環境が整っているため、参加者のスケジュール調整などの負担がかかりません。
社内の研修や教育環境を整えるためにも、まずはサービス内容や導入事例の確認、資料のダウンロードを検討してみてはいかがでしょうか。
\社員教育はeラーニングと集合研修で/
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