【テンプレ・例文あり】管理職研修における実施レポートの書き方とポイント

  • 管理職研修

2023年10月30日(月)

目次

研修は実施するだけではなく、実施によってどのような成果が得られたかをレポート・報告書としてまとめておくことが大切です。それによって再現性が高まり、次の研修にも生かせるでしょう。しかし「いざ研修の実施レポートを作成しようと思うとうまくまとまらない」「何を書けばよいかわからない」人事・研修担当者も多いのではないでしょうか。

本記事では、管理職研修の実施レポート・報告書の書き方やテンプレート、例文、そして管理職研修の受講者が作成する受講レポートの書き方について解説します。

運営側、受講者側の双方が有用な研修レポートを作成して、管理職研修の効果を最大限に引き出し、社員と企業の成長へとつなげましょう。最後に管理職研修を効率的に実施するためのツールも紹介しますのでぜひ、お役立てください。

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研修レポートとは

研修レポート・報告書とは、研修内容や成果を報告するための書類です。研修は企業活動のひとつであり、どのような内容であったのか、どのような効果があったのかの検証は欠かせません。研修レポート・報告書を手がかりに検証を行うと、研修の見直しや改善が可能になり、よりよい研修計画の立案や研修の実施につながります。研修レポート・報告書は、2種類です。

  • 運営側が作成する「研修実施レポート・報告書」
  • 受講者側が作成する「研修受講レポート・報告書」

今回は、運営側となる人事・研修担当者が作成する研修実施レポート・報告書に焦点を置きながら、それぞれについて解説します。

管理職研修の実施レポートを作成する目的

実施レポート・報告書の作成がうまくいかないとき、最大の理由として挙げられるのは「実施レポートを作成する目的が明確になっていない点」でしょう。目的を明確にすれば自ずと何を書くべきかが見えてくるため、スムーズに作成できるようになるはずです。ここでは実施レポート・報告書を作成する3つの目的を解説します。

研修内容を可視化して共有する

実施レポートを作成する目的のなかでもっとも重要なのは、研修内容の明文化によって研修内容や目的、意義などを可視化させ、社内で共有できるようにする点。研修内容を可視化させると、予定が合わず参加できなかった社員にも内容を把握してもらえます。

研修の効果を検証する

効果があったものはブラッシュアップし、効果が得られなかったものはカリキュラムやテーマを見直します検証の結果、毎年行っているが効果がほとんどみられない、といった研修が見つかるかもしれません。その場合は、その研修自体の継続についても検討します。

業務工数やコストを再検討する

実施レポートの作成により、研修内容以外に、準備段階や当日の進行など実施体制についても確認や検証が可能です。準備段階でこの部分に人手が足りなかった、ここの工数を減らすとコスト削減が可能など、改善点が見つかるでしょう。人的リソースや費用などについて見直せます。

また、研修の担当者が代わった際にも実施レポートがあれば、最小限の手間で効率的な運営が可能です。

管理職研修の実施レポートに記載する基本項目

管理職研修の実施レポート・報告書にはおもに次のような項目を記載します。記載項目に決まりはないため、社内ですり合わせて項目を決めるとよいでしょう。

  • 部署・氏名
  • 研修テーマ
  • 日時・場所・講師名
  • 研修目的
  • 研修目標
  • 研修内容
  • 研修結果
  • 問題点・改善点

実施レポートを作成するおもな目的は、効果の検証です。その手がかりとして、目的にそった研修ができていたか、目標に対する結果や効果は得られたか、スムーズな進行ができていたかなどをまとめます。また、今後の研修に生かせるよう、問題点や改善点を挙げておきましょう。

管理職研修における実施レポートのテンプレートと例文

研修実施レポート・報告書の一例として、テンプレートと記載事項の例文を紹介します。例文はチームマネジメントをテーマとした管理職研修の実施を想定したものです。

【研修実施レポート・報告書のテンプレート】

【研修実施レポート・報告書の例文】

研修テーマの例文

  • チームとしての目標設定やスケジュール作成の方法について
  • 適切な業務管理・労務管理の方法について

研修目的の例文

  • チームとして現実的な目標を設定し、実現のために無理のないスケジュールを立てられるようになる
  • メンバーの適材適所への配置を行い、コミュニケーションを取りながら進捗管理・トラブル対応ができるようになる

研修目標の例文

  • 目標設定の方法を知る、スケジュールの立て方を知る、チームの現状を把握する
  • メンバー一人ひとりの能力・スキルを把握する、コミュニケーションスキルを身につける、課題発見・解決スキルを身につける

研修内容の例文

  • 目標設定・スケジュール策定(グループワーク)、組織マネジメント
  • 人材・労務・業務マネジメント

研修結果の例文

  • 係長や主任など新任管理者10名を対象に研修を実施
  • 目標設定・スケジュール策定のグループワークでは、全員が積極的に目標設定に取り組み、10人中8人がスケジュール策定までを終えられた。マネジメントスキル習得の座学では、時間が足りず理解度も60%と低かった

問題点・改善点の例文

  • グループワークは8人が目標達成に至り、残り2人も9割はできていた。講師からのフォローがもう少しあれば全員が目標達成していた可能性も高い
  • 座学の時間配分に問題あり。組織と業務マネジメントの理解度が低かったため、今後はテキストの改善も含め時間配分の見直しも必要

管理職研修の実施レポートを書く際のポイント

管理職研修の実施レポート・報告書を書く際のおもなポイントは、「研修の意図を明確にする」「わかりやすい文章にする」「数字も使って具体的にする」の3点です。それぞれについて詳しく解説します。

 研修の意図を明確にして書く

誰を対象に何のために行った研修なのか、実施によってどのような効果が得られたのかなど、研修を実施した意図が明確に読み取れるように作成するのが重要です。研修の意図を明確に記載することで、適切な分析や検証も可能になります。

分析・検証データの蓄積は、よりよい管理職研修の実施につながるほか、管理職育成方針を定めるための有益な検討材料となるでしょう。

わかりやすい文章で書く

研修実施レポートは運営側の社員はもちろん、研修に参加できなかった社員も閲覧する場合があります。そのため、誰が読んでもわかりやすく、内容を理解しやすいものでなくてはなりません。

具体的なポイントは「結論から先に書く」「簡潔かつ客観的な視点で書く」「レポートのテンプレートを作成して記載項目を統一し、比較・分析を行いやすくする」など。つねに自分以外の人が読むことを意識して作成しましょう。

数値を挙げて具体的に書く

たとえば「多くの参加者から理解できたとの声が挙がった」といった内容では、具体性がなく、どれだけの効果があったのかも検証できません。効果に関しては「参加者の8割がわかりやすかったと回答した」という形で具体的な数値を挙げ、読んだ人が客観的に判断できるようにするのが重要です。

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管理職研修における受講レポートの書き方

研修のレポート・報告書には運営側による実施レポートと受講者側による受講レポートがあると前述しました。ここでは、受講レポートを提出してもらう目的や書いてもらう内容、また作成してもらう際のポイントなどを解説します。

研修受講者に受講レポートを作成してもらう目的

研修実施レポート同様、受講レポートも作成する目的の明確化が欠かせません。受講レポートを作成してもらうおもな目的を3つ、解説します。

理解度を測る

受講者が研修内容をどれだけ理解したかを把握するには、受講レポートが重要な役割を果たします。全体の理解度を把握すると、運営側はかんたんにしたり難しくしたりなど研修内容の改善が可能です。

理解を促す

受講レポートを書くには、研修内容を振り返る必要があります。反芻すると、よりいっそう理解や習得が促されるでしょう。また事前に、受講後にレポートの提出を求める旨を伝えておくと、主体的に受講するようになり、さらなる理解度の向上も期待できます。

学習した内容を共有する

研修に参加できなかった社員に学習した内容を共有できるようにするのも、受講レポートを作成する目的のひとつ。研修内容を共有すると、管理職に就く社員全体のレベルアップも期待できるでしょう。

管理職研修の受講レポートに書いてもらう内容

管理職研修の受講レポート・報告書には、おもに次のような項目を記載してもらいます。記載項目に決まりはないため、社内ですり合わせて項目を決めるとよいでしょう。

  • 部署・氏名
  • 研修テーマ
  • 日時・場所・講師名
  • 研修目的
  • 研修目標
  • 研修内容
  • 研修の成果
  • 今後の実施計画
  • 意見・感想

テーマや目的があると「なぜ、自分がこの研修を受けているかを理解しているか」がわかります。また成果や今後の実施計画によって、研修で何を得て、今後どうしていきたいかも見えるでしょう。

管理職研修における受講レポートのテンプレートと例文

研修受講レポート・報告書の一例として、テンプレートと記載事項の例文を紹介します。例文はリスクマネジメントをテーマとした管理職研修の実施を想定したものです。

【研修受講レポート・報告書のテンプレート】

【研修受講レポート・報告書の例文】

  • 研修テーマの例文:社内での3大ハラスメント(パワー・セクシャル・マタニティ)の防止について
  • 研修目的の例文:社内でのハラスメントを防止し、誰もが快適に働けるオフィス環境構築を実現する
  • 研修目標の例文:ハラスメントに対する正しい認識を持ち、法令を理解する。コミュニケーションスキルを上げる
  • 研修内容の例文:ハラスメントとは、ハラスメントが起きる原因、およぼす影響、発生しやすい職場環境、防止策(ケーススタディ)
  • 研修の成果の例文:ケーススタディにより、どういった言葉がハラスメントになるのかの具体例が知れた
  • 今後の実施計画の例文:部下と月1回の1on1ミーティングを実施し、現状の把握を徹底することでハラスメントを未然に防げるようにしていきたい
  • 意見・感想の例文:座学中心であったが、ケーススタディが多いほうがより身近に感じられてよいと感じた。今後は今まで以上にメンバーとのコミュニケーションを重視していきたいと思う

研修受講者に受講レポートを作成してもらう際のポイント

研修の受講者に受講レポートを作成してもらう際のおもなポイントは「メモを取ってもらう」「記載事項を伝える」「将来的な視点を入れてもらう」の3つです。それぞれについて詳しく解説します。

研修中にメモを取ってもらう

記憶だけでレポートを作成するのは多くの人にとって困難です。できるだけ「受講レポートの提出がある」と伝えて、研修中にメモを取ってもらいましょう。あらかじめ受講レポートのテンプレートを配布しておけばメモも取りやすく、レポートもスムーズに作成できます。

ただの感想文にならないよう記載事項を伝えておく

「こう思った」「こう感じた」など単なる感想の羅列にならないよう、留意してもらうのも重要です。前述したように記載事項を伝え、事実と意見の線引きをしたうえで、客観的な視点を持ってまとめてもらいましょう。

今後への生かし方を書いてもらう

受講レポートを単なる感想文で終わらせないもうひとつのポイントは、受講で得た知識やスキルを今後、どう生かしていきたいかについて具体的に書いてもらうこと。実施計画としてまとめてもらうと、さらに成果もあげやすくなります。

 管理職研修とは

ここまで管理職研修の実施・受講レポートの書き方について解説してきました。ところで、そもそも管理職研修とはどのようなもので、どのような種類があるのでしょうか。ここからは管理職研修の概要や種類について解説します。

管理職研修の対象者・目的

管理職研修の対象者は係長、課長、部長などの役職者、また管理職候補者で、業務や人材、労務の管理業務に携わる社員です。管理職研修は、管理職に必要なマネジメント、コーチング、人材評価などのスキル向上を目的に実施されます。

管理職研修の種類

ひと口に管理職研修といってもその種類は多様です。ここではおもなものとして、4つの管理職研修を紹介します。受講の対象者を明確にしたうえで、適切な研修を選択し、実施してください。

マネジメント研修・リーダー研修

組織全体での管理職の位置づけや役割を理解し、組織のリーダーとして部下を管理していくための知識・スキル習得を目的に行う研修です。

人事考課研修

部下を評価する目的と重要性を理解し、適切な評価軸の獲得、評価後のフィードバック方法について学ぶことを目的とした研修です。

部下育成研修

部下を育成するための適切な方法を学ぶ研修です。人材育成は本人の能力やスキルに合わせたキャリア開発支援を行うことが重要なため、必要な知識やスキルの習得を目的としています。

プロジェクトマネジメント研修

プロジェクトの目標設定や計画書を作成する方法、メンバーの能力やスキルに応じた配置、進捗管理など、プロジェクトを成功に導くための管理スキル習得を目的とした研修です。

 管理職研修の実施方法

管理職研修のおもな実施方法には、

・一か所に集まって対面で行う集合研修

・Web会議システムを使って行うオンライン研修

・いつでもどこでも好きなときに受講できるeラーニング研修

などがあります。なかには、2つ以上を組み合わせて行うハイブリッド方式を取り入れる企業も。さまざまな方法から、自社の目的や用途に応じた研修方法を選択するとよいでしょう。

管理職研修にオススメのツール「manebi eラーニング」

研修におけるレポートの目的は、研修内容や実施目的などをまとめながらカリキュラム別の効果やコストなどを検証し、次の研修に生かすこと。レポートがなければ、次に研修を行う際、ゼロから準備を始めなければならないうえ、各カリキュラムの効果についても一から調べなければなりません。

レポートの作成と保存は、研修の効率化を実現し、人事・研修担当者の負担軽減にも高い効果を発揮するでしょう。今回紹介したテンプレートや例文を参考に自社に合わせたフォーマットを作り、より充実したレポートの作成を目指してください。

また研修の効果を引き出すためには、レポートの作成はもちろん、より質の高い研修を実施するのも大切です。なかでも管理職研修は、各部門を牽引する人材を育成するためのもの。その重要性はより高いでしょう。

管理職研修の対象者は多くの業務を抱えている傾向にあり、研修の時間を確保するのもかんたんではないかもしれません。そこでおすすめなのが「manebi eラーニング」です。

「manebi eラーニング」は、約5,000以上の豊富なジャンルのeラーニングと専門講師による集合研修とを組み合わせた質の高い学習支援を提供しています。

またオンライン研修のため、業務の多い管理職でも空いた時間で効率的に受講できるのも特長です。管理職研修のスケジューリングでお悩みの際はぜひ、お気軽にお問い合せください。

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