会社の一員として労働するなか、間違った認識により「言動がハラスメントだ」と思われてしまうことは決して珍しくありません。こういったハラスメントの危険性や防止の重要性はつねづね叫ばれているものの、対策法や事例について具体的な説明を受ける機会は少ないものです。
ハラスメントについての疑問や課題を解消するためには、従業員に対する研修を実施することが有効です。今回は、ハラスメント研修のメリットとやり方について説明します。
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ハラスメント研修とは、ハラスメントの知識を身につけ、防止するための研修のこと。メディアやネットニュースで連日ハラスメントについての報道を目にするようになった昨今、ハラスメント研修の必要性は非常に高まってきています。
ハラスメントとは
ハラスメントとは、人を不快にさせたり苦痛を与えたり居心地の悪さを感じさせたりする言動のこと。たとえ相手を不快にする意図がなくても、限度を超えた言動であればハラスメントに含まれます。
こういった不適切な言動が深刻化すると、いじめや嫌がらせ、人権侵害に発展するリスクも高いため注意が必要です。職場におけるハラスメントは、従業員のメンタルヘルスを害し、業務効率の低下、退職や自殺を引き起こすも少なくありません。そのため企業は、決してハラスメントを起こさない体制を整える必要があるのです。
ハラスメントの種類
おもなハラスメントの種類は、以下のとおりです。
セクシュアルハラスメント | 性的な言動で相手の尊厳を傷つけること。異性間ではもちろん、同性間の言動も該当する。 |
パワーハラスメント | 職務上の地位や人間関係における優位性を背景に、業味の範囲を超えて、精神的・肉体的苦痛を与えること。 |
モラルハラスメント | 人格否定や無視など、精神的苦痛を与えること。 |
アルコールハラスメント | アルコールの多量摂取や飲めない人へ強要する言動。酔ったうえでの言動などを含む。 |
マタニティハラスメント | 妊娠や出産、育児などを理由に解雇や言及など不当な扱いをすること。 |
アカデミックハラスメント | 研究教育の場で、権力を悪用した不適切な言動。 |
ケアハラスメント | 働きながら介護する従業員に対し、介護休暇や時短制度などの活用を不当に妨害する行為や、人事評価を下げること。 |
どのような発言を不快に感じるかは、人によって異なります。だからこそ、ハラスメントの種類を知ったうえで、つねに思いやりと配慮を持った言動を心がけることが欠かせません。
ハラスメント研修の目的
ハラスメント研修の目的は、その深刻さやその影響を知り、ハラスメントを防止する環境を構築すること。実際の事例や判例を参照しながら思いやりのあるコミュニケーション指導を実施することで、「しない意識」を持つと同時に、「させない環境」を整えていきます。
2020年6月より改正労働施策総合推進法(パワハラ防止法)が施行され、企業はパワハラを防止するために対策を講ずることが義務づけられました。したがって、ハラスメント研修を実施することは、コンプライアンスの遵守にもつながります。従業員を守ることはもちろん、コンプライアンス遵守による企業価値の向上のためにも、ハラスメント研修を実施するべきなのです。
※2022年4月1日からすべての企業がパワハラ防止法の対象になりました。
ハラスメント研修の効果・メリット
ハラスメント研修を実施するメリットは、以下の5つです。
- 問題行為についての共通認識を持てる
- ハラスメントが起きない環境が整う
- 従業員のメンタルヘルスが維持できる
- 従業員の長期就労が望める
- 会社の信頼性の向上
「どこからがハラスメントになるのか」という認識は、人によって異なるもの。ハラスメント行為についての共通認識を研修で身につければ、認識の違いによるハラスメントが起きない環境が整うでしょう。
さらに、ハラスメントのない良好な職場環境は、従業員のメンタルヘルスの維持につながり、早期離職や求職などを防ぐ効果も期待できます。従業員の満足度が高まることで、結果的に会社の信頼度や価値の向上効果が得られるでしょう。
ハラスメント研修の内容
ハラスメント研修を実施するときは、基本的に3つのフェーズにわけて教育を進めていくことになります。
- ハラスメントについて知識をつける
- 現状の振り返りとハラスメント防止の心構えを学ぶ
- ハラスメントが起きたときの対処法を学ぶ
①ハラスメントについて知識をつける
まずは、ハラスメントについての基本的な知識をつけていきます。先述したように、ハラスメントの線引は人によって異なります。種類や線引の共通認識を身につけることで、具体的に注意すべき言動などを知ってもらいましょう。
②現状の振り返りとハラスメント防止の心構えを学ぶ
次に、ハラスメントの起きにくい環境を構築するために、現状の振り返りと防止策について考えていきます。現状で何らかの問題がある場合は、どう改善すればいいか学んでいきましょう。さらに、発生防止のためのマナーやコミュニケーションなどについても研修を進めます。
③ハラスメントが起きたときの対処法を学ぶ
最後に、ハラスメントが起きたときの対処法を学びましょう。講義とワークを通じて、「する側」「される側」「見ている側」それぞれの対処法を考えていきます。
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資料をダウンロードするハラスメント研修のやり方
ハラスメント研修のやり方は、4つあります。、やり方の特徴や利点について説明しましょう。
- 外部研修
- 講師を招いた社内研修
- オンライン研修
- 外部コンテンツ+社内コンテンツ
①外部研修
外部機関や会社が運営する研修に従業員を参加させて実施する研修のこと。専門家が持つ質の高いスキルや経験を学べるほか、従業員のモチベーションの向上にも役立ちます。自社で研修の準備をする必要がないため、手間とコストがかからない点がメリットです。
他方で受講費用が発生する点や、自社にフィットしたカリキュラムの研修が受けにくい点がデメリットとして考えられます。そのため、外部研修だけでは十分な成果を得ることは難しいかもしれません。
②講師を招いた社内研修
講師を招いた社内研修には、専門家による自社にフィットした研修が受けられるというメリットがあります。会社ごとに最適なカリキュラムで教育を進められるため、非常に効果の高い研修が実現できるでしょう。
ただし、講師を呼ぶための費用や会場の手配など、コストと時間がかかる点がデメリットとして挙げられます。
③オンライン研修
オンライン研修とは、インターネットとパソコンを使用して遠隔で研修を受けること。講師と従業員をWeb会議ツールで繋いで学ぶパターンと、eラーニング/LMSシステムを使用して教材で学ぶパターンがあります。
どこからでも参加できて費用も抑えられるため、会社と従業員にとって魅力が多い研修方法です。ただし、習熟度チェックやコミュニケーションが不十分になりやすいという課題があるため、実践型の教材を使用したりフィードバックを行ったりするなどの対策が必要です。
④外部コンテンツ+社内コンテンツ
すべての研修の利点を網羅できるのが、外部コンテンツと社内コンテンツを組み合わせた研修です。
- 外部研修+eラーニング
- eラーニング+社内研修
- eラーニングの教材+自社教材
コンテンツを組み合わせると、コストや労力を抑えつつ自社にマッチした研修カリキュラムにできます。より効果的な研修を希望の場合は、上記のように自社に最適な研修にカスタマイズすることを検討してみてください。
ハラスメント研修のポイント
最後に、ハラスメント研修の効果を最大限に引き出すためのポイントをお伝えします。
- 正しい認識を持ってもらう
- 正しいコミュニケーションを身につけてもらう
①正しい認識を持ってもらう
研修を実施するうえでもっとも肝心なのは、正しい認識を持ってもらうこと。
「自分は問題だと感じなかった」「自分の若いときは当たり前だった」と、年齢や性別によって思考が偏ったり、「こうあるべき」と決めつけたりしてしまうことは少なからずあります。こういった間違った認識を正し、世の中の動きや最新の知識を身につけない限りは、決してハラスメントはなくなりません。
研修では「各々が持つ認識」について改めてもらうことを、何よりも優先させましょう。
②正しいコミュニケーションを身につけてもらう
トラブルを心配するあまり、「仲間とコミュニケーションが取れない」なんてことになれば、健全な会社経営はできません。研修ではトラブルを過度に恐れるのではなく、正しいコミュニケーションの方法を周知することが大切です。
ハラスメントと指導の違いについて研修で線引すると、従業員は良好な関係を築けるようになるでしょう。
ハラスメント研修にオススメのツール「manebi eラーニング」
ハラスメントは、本人の意図に関わらず、人を不快にさせたり苦痛を与えたり居心地の悪さを感じさせたりする言動のこと。研修でハラスメントの共通認識を持つことで、「しない・させない」良好な職場環境を構築できます。コストを抑えつつ質の高いハラスメント研修をオンラインで行うなら「manebi eラーニング」がオススメです。
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また、搭載コンテンツだけでなく自社教材のアップロードも可能。搭載コンテンツと自社教材を自由に組み合わせて、より自社に合った研修を実施できます。
詳しいサービス資料やオンライン研修、eラーニングシステムの活用に関するご相談など、お気軽にお問い合わせください!
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