近年、Web会議ツールの普及により、人材育成のオンライン化も進み、オンライン研修を導入する企業も急増しています。まだ検討中の人事労務担当者にとっては、導入時のメリットやデメリット、受講方法など気になる点も多いのではないでしょうか。
本記事では、オンライン研修の概要やオンライン研修に向いている企業、オンライン研修の注意点・成功させるポイントなどをご紹介します。
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資料をダウンロードするオンライン研修とは
オンライン研修は、Web会議ツールやeラーニングなどを利用し、パソコンやスマートフォンを通じて行う研修です。インターネットが活用できる環境であれば、いつどこにいても研修を受けられます。
オンライン研修自体は以前から存在していたものの、とくに注目されるようになったのは、コロナ禍の影響でテレワークを導入する企業が増えたタイミングです。
感染拡大防止のため、ひとつの場所に大勢が集まるのを避けなければならず、多くの企業で在宅でも受講できるオンライン研修の利用が進みました。
オンライン研修は、会場を予約したり、研修用機材のセッティングをしたりする必要がなく、開催する側にとっても研修の効率化が可能です。そのため、コロナ禍以降、オンライン研修は研修の実施方法のひとつとして定着しつつあります。
オンライン研修の3つの種類と違い
オンライン研修の種類は、ライブ配信型、アーカイブ配信型、eラーニング(オンデマンド配信型)の大きく3つがあり、研修内容や受講する社員の状況によって使いわけることが可能です。それぞれの概要と違いについて解説します。
ライブ配信型
Web会議ツールや動画配信システムなどを使い、講義をリアルタイムで配信する研修形式です。主なメリット・デメリットとして次の点が挙げられます。
メリット | デメリット |
講師と受講者がやり取りしながら講義を進められる最新の情報を講義内容に盛り込める受講者同士でのコミュニケーションも可能 | 開催日時に都合がつかないと参加できない通信トラブルや機器の故障があると配信が止まってしまう可能性も編集できないため、講師によっては内容のクオリティが落ちてしまう場合もある |
アーカイブ配信型
ライブ配信の録画映像をあとから視聴できるようにする研修方式です。また、ライブ配信は行わず、アーカイブ配信のみを行うケースもあります。主なメリット・デメリットは次のとおりです。
メリット | デメリット |
配信期間内であればいつでも好きなときに繰り返し視聴できる講義内容でわかりにくい箇所があれば一時停止や巻き戻しを使い、自分のペースで学習できる講義内容のなかでも、自身が知りたい部分だけを選択して学ぶこともできる | ライブ配信と異なり講師に質問できない講義内容によっては最新の情報ではなくなってしまう場合も。ただし配信期間による基本的にライブ配信を録画配信するため、講師によっては内容のクオリティが落ちてしまう場合もある |
eラーニング(オンデマンド配信型)
あらかじめ制作した研修用のコンテンツを配信する形式のこと。ライブ配信したものではなく、研修用に制作したコンテンツを配信するのがアーカイブ配信との違いです。
ただし、ライブ配信したものを加工編集して配信する場合もあります。主なメリット・デメリットは次のとおりです。
メリット | デメリット |
ライブ配信でありがちな時間制限により内容の一部が省かれてしまう心配がないライブ配信をもとにしていても加工編集されているため、より内容がわかりやすくなっている一般的にアーカイブ配信型よりも視聴期間が長いもしくは視聴期限がない場合もあり、より多くの受講者の視聴が期待できる | 配信期限が長い、もしくはない場合、受講者に視聴を後回しにされたまま視聴期間が終わってしまう可能性もある多くの場合、eラーニング用の教材を購入しなくてはならない研修内容によってはひとつのテーマで複数のコンテンツが用意されているため、継続して視聴するモチベーションの維持が難しい場合もある |
オンライン研修と集合研修(対面研修)の比較
オンライン研修の3つの種類とそれぞれのメリット・デメリットについて見てきました。それでは、オンライン研修と、受講者が同じ場所に集まって研修を受ける集合研修(対面研修)とではどのような違いがあり、どういったメリット・デメリットがあるでしょうか。
企業側、受講者側、それぞれにわけて解説していきます。
企業側にとってのメリット・デメリット
研修を実施する企業側にとってのオンライン研修と集合研修のメリット・デメリットには、主に次のようなものが挙げられます。
メリット | デメリット | |
オンライン研修 | コスト削減が可能受講者の学習状況を確認・管理できる | 配信や管理システムが必要となる実技を伴う研修に向かない |
集合研修(対面研修) | 状況に応じて柔軟に研修を進められるグループワークを実施しやすい | 受講者のスケジュール管理が難しい会場設営の準備が必要になる |
オンライン研修は、受講者の全員が入る広いスペースは必要ないため、研修会場を用意する手間がなく、コスト削減が可能です。
また、システムを活用することで誰がどこまで学習したかの状況確認・管理ができるため、進捗管理にかかる手間も削減されるでしょう。ただし「配信や管理を行うシステムを導入する必要がある」「対面ではないため実技を伴う研修には向いていない」点がデメリットです。
対して集合研修は、講師が受講者の状況を直接確認しながら講義を進められるため、状況に応じて進行スピードや内容を柔軟に変更できます。また、その場に受講者がそろっているので、グループワークも容易に行えるのも大きなメリットでしょう。
ただし、集合研修は開催する日時と場所が決まっていて、参加するにはその場にいなければならず、業務があって受講できない社員が出てくる可能性もあります。また、社内で行う場合でも、研修場所を借りる場合でも、開催には機材や机、椅子など準備や設営が必要です。
受講者(社員)にとってのメリット・デメリット
企業側のメリット・デメリットに続き、受講者(社員)にとってのオンライン研修と集合研修のメリット・デメリットをそれぞれ解説します。
メリット | デメリット | |
オンライン研修 | どこからでも参加できる繰り返し受講できる | インターネット環境・端末が必要研修中の質問がしにくい |
集合研修(対面研修) | インターネット環境や端末に詳しくない人も受講できる社員同士の交流を図れる | 時間の融通が利きにくい |
オンライン研修のメリットは、自宅やサテライトオフィス、外出先などで隙間時間を見つけ、好きな場所で好きなときに受講できる点。また、理解が難しい部分だけを繰り返し視聴する、全体をとおして何度も視聴するなど自分の学習ペースで受講もできます。
ただし、パソコンやスマートフォンがない、インターネット環境が整備されていないなどの状況では受講できません。そして、利用するツール・システムによっては講師とのコミュニケーションが取りにくく、質問がしづらい場合もあります。
これに対し集合研修のメリットは、開催日時に開催場所へ行けば受講できる点、ITリテラシーの有無は受講に関係ない点です。また、グループワークを通じ、普段はかかわりのない部署の受講者ともコミュニケーションが取れます。
ただし、決まった日時に決まった場所へ行かなくては受講できないため、時間の融通が利きにくいのは集合研修のデメリットといえるでしょう。
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資料をダウンロードするオンライン研修に必要なツール・受講方法
オンライン研修は、自社で行う場合と外部に依頼する場合で必要となるツールや受講方法が異なります。それぞれの場合で必要になる環境やツール、受講方法などについて見ていきましょう。
自社でオンライン研修を行う場合
まず、自社でオンライン研修を行う場合に必要な主なツールについて解説します。
①Web会議ツール(Zoomなど)、学習管理システム(LMS)の導入
自社でオンライン研修を行ううえで必要となる主なツール・システムは、Web会議ツールと学習管理システム(LMS)など。
- Web会議ツールとは、ZoomやMicrosoft Teamsのようなインターネット上で動画を使って双方向のやり取りが可能なツール
- 学習管理システム:LMS(Learning Management System)サービスとも呼ばれ、受講者の管理を行うシステムで、ログイン管理や受講履歴、成績などを確認できる
Web会議ツールと学習管理システムをセットで使用すれば、効率的なオンライン研修の実施、管理が可能です。
②教材やコンテンツの準備
自社で研修を行う場合、研修で使用する教材やコンテンツも自社で作成しなければなりません。研修を実施する目的の明確化、受講者のレベルなどを考慮したうえでPowerPointや動画編集ツールなどを使って作成します。
③機材・設備の用意
機材や設備は、配信する側のものと受講者のものと両方の用意が必要です。
基本的にはインターネットが使える環境に、パソコン、Web配信システム、学習管理システムがそろっていれば配信できます。配信する場所によっては照明もあるとよいでしょう。
受講者側は自分たちのパソコンやスマートフォンがあれば問題ありません。
ただし、ITツールに不慣れな受講者がいる可能性もあるため、デバイスの貸与やWeb会議ツールのインストール、使い方のサポートなどを行う用意は必要です。
④操作マニュアルなどの作成
配信する際トラブルや機器の不具合が起きてもすぐに対応できるよう、機材や設備、システムの操作マニュアルを作成しておきましょう。とくにライブ配信では、時間の制限もあるため、迅速に対応ができるよう準備が重要です。
⑤インターネット環境の整備
スムーズで見やすい配信を行うには、よい通信環境・PC環境、雑音が少ない受講場所の用意が欠かせません。万が一に備えWi-fiルーターやパソコンの予備を準備しておきましょう。
外部にオンライン研修を依頼する場合
オンライン研修を実施するもうひとつの方法である、外部に依頼する場合の方法について解説します。
①サービスの比較・検討
ひと口に外部サービスといってもその種類は多様です。オンライン研修で高い成果を上げるには、サービスの選択が重要なためそれぞれのサービスの研修内容や価格などをしっかりと比較検討します。
②研修プランの策定
多くの外部サービスから自社に合ったサービスを選択したら、次に行うのは社員に受講してもらう研修プランの策定です。研修の実施により、社員にどのような意識変容を求めるのかを明確にし、外部サービスと相談したうえで、受講する社員の階層に合ったプランを策定します。
③機材・設備の用意
外部サービスに依頼する場合は、パソコンやタブレットなどの機器を受講者の人数分用意しておきます。個人のパソコンやタブレット、スマートフォンなどの使用は、セキュリティの面で禁止したほうが安全です。
④学習管理システム(LMS)の導入
外部サービスを使ってオンライン研修を実施する際に必要となる学習管理システム(LMS)、eラーニングシステムを導入します。外部サービスに相談のうえ、指定されたものを導入し、研修担当者は操作方法を把握しておきましょう。
⑤インターネット環境の整備
受講者に集中して講義を受けてもらうため、よい通信環境・PC環境、雑音が少ない受講場所を用意します。もし在宅で受講する社員がいる場合は、自宅の環境を確認して最適な環境設定のサポートを行いましょう。
オンライン研修に向いている企業とは
研修に関する次のような課題や要望を持っている企業は、集合研修よりもオンライン研修に向いているといえます。該当する場合はオンライン研修の導入をぜひ検討してみましょう。
- 受講者の数が多い、シフト制勤務で時間がバラバラなど集合研修ではスケジュールを合わせるのが難しい
- テレワークを導入しているため、オンライン研修で効率的に実施したい
- 全国の営業所にいる社員に研修を行うため、コストを抑えて実施したい
- 集合研修で思ったような成果が出なかったため、研修の見直しをしたい
オンライン研修の注意点・成功させるコツ7選
オンライン研修を実施する際の注意点や成果を上げるための7つのコツを紹介します。
- 研修目的やプログラムの流れを事前に説明する
- 事前準備を怠らない
- 期限を決めて受講を促す
- 進行ファシリテーターを明確に
- 集中して取り組める環境をつくる
- 双方向性のある研修で効果を高める
- 研修後に振り返りやレポートの提出を促す
研修目的やプログラムの流れを事前に説明する
オンライン研修を実施する前に受講者に研修の目的や概要、各プログラムの流れについて説明しておきましょう。
事前に概要を把握しておけば、受講者は研修内容に関する疑問点も整理できるため、質問を準備して研修に臨むといった主体性のある参加が可能です。その結果、研修内容をより深く理解できるようになります。
事前準備を怠らない
オンライン研修では、機材や設備に不具合があると配信が止まってしまうリスクもあります。eラーニング(オンデマンド配信型)であっても、機材のトラブル対応ができなければコンテンツの作成スケジュールに狂いが生じてしまうケースもあるでしょう。
そのためインターネット環境やネットワークの接続、ツール・システムの設定や動作は必ず事前に確認しておくのが重要です。また受講者に対しても、受講に必要な環境や機材の事前確認を怠らないよう、注意喚起を行います。
期限を決めて受講を促す
アーカイブ配信型、eラーニングは、受講者のスケジュールに合わせ好きなときに視聴できるのがメリットです。しかし、好きなときに視聴できるからこそ後回しにされてしまい、受講率が低下したり、成果が上がらなかったりするケースも少なくありません。
確実に視聴してもらうには受講完了の期限を決め、期限の1週間前、3日前など数回にわけてアラートを発信し、受講を促す対策が必要です。
進行ファシリテーターを明確に
自社主導でオンライン研修を行う場合、研修内容を理解している担当者を進行・ファシリテーター役とします。ファシリテーターがテンポよくメリハリをつけて進行すると、受講者の関心をひきつけられるはずです。
またスムーズな研修を実現させるためにも、台本やタイムスケジュールを用意したうえで、しっかりとリハーサルを行いましょう。
集中して取り組める環境をつくる
研修の効果を高めるには、集中して講義に取り組める環境づくりが欠かせません。具体的には受講者に合わせた研修難易度を設ける、説明のわかりやすい講師にお願いするといった工夫が求められます。
また、業務に必要な資格取得向けの研修であれば、試験前日は特別休暇を与えて研修を再受講できるようにするといった検討も必要です。
双方向性のある研修で効果を高める
オンライン研修でも集合研修のメリットである双方向性のある研修の実現を検討しましょう。たとえばライブ配信型の研修であれば、グループディスカッションを行う、チャットで質問する時間をつくるなどが考えられます。
またツールにアンケート機能があれば、内容に関するアンケートを行って研修内容を柔軟に変更するのもオススメです。
研修後に振り返りやレポートの提出を促す
研修内容を充実させるためのポイントとして、受講後に振り返りを行ったりレポート提出を促したりするのも効果的です。レポートを分析して研修内容を改善すれば、より成果の出る研修の実施につながるでしょう。
オンライン研修におすすめのサービス「manebi eラーニング」
コロナ禍を経て、多くの企業でオンラインでの研修が定着しつつあります。企業側、受講者側双方にメリットがあるため、オンライン研修を導入する企業は増加していくのではないでしょうか。
自社ですべてを準備して行う研修は、手間と時間、コストがかかるもの。リソースを割いた分に見合う成果が出ているのか、検証する必要もあるでしょう。
そこでオススメしたいのが、効率的で効果的なオンライン研修を実現する「manebi eラーニング」です。
おすすめポイント1 豊富なレッスンが見放題のeラーニングシステム
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おすすめポイント2 オンライン研修とeラーニングを組み合わせたプラットフォーム
オンライン研修とeラーニングを組み合わせたプラットフォームである点もおすすめポイントのひとつ。Web会議ツールを利用する方法とeラーニング/LMSを利用する方法のどちらかを自社の都合に合わせて選択できます。
おすすめポイント3 詳しい資料を無料でダウンロードできる!
3つめのポイントは、詳しい資料を無料でダウンロードできる点です。社員研修のオンライン化やeラーニングシステムの活用に関するご相談もお受けしておりますので、お気軽にお問い合せください。
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