集合研修とは?オンライン研修との違いやメリット・デメリットを詳しく解説

社員研修
eラーニング

2025年12月24日(水)

監修者

ヒューマンキャピタルパートナーズ株式会社代表取締役／人的資本経営・組織開発コンサルタント

堂前晋平

組織・人材開発の専門家として、社員1万人を超える大手IT企業から10名以下の日本料理店まで、延べ500社・5万人超の支援実績を持つ。
大企業での営業経験を経て、ベンチャー企業にて支社設立・事業責任者・取締役としてIPO、さらに子会社設立を経験。上場企業のグループ人事責任者としてM&A後のPMIを担い、社員70名から400名への急成長を支援。これらの多様な経験を活かし、経営と人事の両視点から戦略的人材マネジメントを実践。日本経営品質賞本賞、ホワイト企業大賞、グッドカンパニー大賞などの受賞に寄与。2023年8月manebiのCPO（Chief People Officer）就任。現在はISO30414のリードコンサルタントとして人的資本経営の推進支援や社員研修の講師としても登壇中。

＼社員教育はeラーニングと集合研修で／

資料をダウンロードする

集合研修は、受講者が一堂に会して学ぶ対面形式の研修スタイルです。近年はオンライン研修が普及する一方で、対面ならではの学習効果を求めて集合研修を選択する企業も少なくありません。本記事では、集合研修の定義から実施形式、メリット・デメリット、効果的な設計方法まで詳しく解説します。

オプション動画含む約8,000超の教材とAI搭載のLMSを持つmanebi eラーニング

集合研修の定義と導入目的

ここでは集合研修の基本的な定義と、企業が導入を検討する際の主な目的について見ていきましょう。

集合研修の定義

集合研修は、受講者が同じ会場に集まり、講師から直接学ぶ形式です。会議室や研修施設を使い、受講者同士が顔を合わせながら学習できます。その場で質問したり意見交換したりできるため、理解が深まりやすいのが特徴です。

企業が集合研修を導入する主な目的

企業が集合研修を導入する目的は、組織全体で共通の価値観を醸成したり、部門を超えた人的ネットワークを構築したりすることです。

新入社員研修

企業理念や行動規範を短期間で浸透させます。同期とともに学ぶことで帰属意識を高め、早期離職の防止にもつながります。

階層別研修

マネジメント層が一堂に会することで経営方針の統一理解と実践が促進されます。さらに、営業スキルや接客技術など実践的なスキル習得には、ロールプレイを通じた即時フィードバックが可能な集合研修が非常に効果的です。

オンライン研修との違い

集合研修とオンライン研修（eラーニング）の主な違いは、学習形式、受講場所・時間、コミュニケーションの特性にあります。

学習形式と場所・時間の制約

学習形式・受講場所・受講時間に関する違いは以下の表のとおりです。

	集合研修	オンライン研修
学習形式	対面	オンライン
受講場所	特定の会場（会議室や研修施設など）	制約なし
受講時間	特定の日時	自身のペース

コミュニケーションと学習効果

集合研修は、受講者が顔を合わせながら学習するため、その場での質問や意見交換ができ、理解が深まりやすいという特徴があります。また、講師は受講者の表情や反応を見ながら説明を調整できる柔軟性があります。ロールプレイやケーススタディなどの実践演習を組み込むことで、知識を技能として定着させやすい点も強みです。

一方でオンライン研修は、時間・場所の制約がないため、全社員が平等に学べるという利点があります。また、LMS（学習管理システム）のレポート機能により、学習成果や進捗をスピーディーに把握し、研修運用を効率化できる点も大きな違いです。

集合研修のメリット

集合研修には、オンライン研修では得られない独自のメリットが数多く存在します。ここでは、集合研修がもたらす5つの主要なメリットについて詳しく見ていきましょう。

すぐにフィードバックできる

集合研修では、講師が受講者の表情や反応を直接確認できるため、理解度に応じた即時フィードバックが可能です。受講者が困惑している場合は、その場で説明を補足したり別の角度から解説したりできます。

ロールプレイやプレゼン演習では、講師だけでなく他の受講者からの意見も得られ、改善点の発見やスキル向上につながります。また、質問もその場で解決できるため、疑問を残さず学習を進められます。

実践演習でスキルを身に付けられる

集合研修では、実務を想定した演習を多く取り入れられます。営業ロールプレイや接客シミュレーション、機械操作など、体を動かしながら学ぶことで、知識が技能として定着しやすくなります。演習中のトラブル対応も、実践的な学びの場です。講師や他の受講者と共に解決策を考えることで、応用力や問題解決力が養われます。

柔軟な対応ができる

集合研修では、講師が受講者の理解度や関心度を見ながらカリキュラムを柔軟に調整できます。理解が進んでいない場合は説明や事例を追加し、理解が早い場合は高度な内容や追加演習に進めることも可能です。受講者の質問や議論に応じて順序を変えたり関連トピックを深掘りしたりすることで、主体的な学びを促し、記憶に残る研修体験を提供できます。

集合研修のデメリットと具体的な対策

集合研修には多くのメリットがある一方で、コストや運営面での課題も存在します。ここでは、よく指摘される3つのデメリットと、それぞれの具体的な対策について解説します。

開催コストが高くなりやすい

集合研修では以下のようなコストがかかります。

会場費
講師料
教材費
受講者の交通
宿泊費

特に全国規模での実施や外部講師の招聘時は費用が膨らみやすいです。自社会議室や公共施設を活用したり、社内講師を育成して内製化することでコストを削減できます。

また、地域ごとに分けて開催したり、知識のインプットをeラーニングで事前学習するブレンディッドラーニングを取り入れることで、移動費を抑えつつ研修効果を維持できます。

運営準備と調整の工数が増える

集合研修には、会場手配や日程調整、教材準備など多くの作業が伴います。このような課題への対策として、研修チェックリストの作成や運営業務の標準化が有効です。また、日程調整ツールや参加者管理システムを活用することで、事務作業を大幅に効率化できます。

さらに、集合研修とeラーニングを組み合わせると、研修全体の運営がよりスムーズになります。LMSを活用すれば、事前学習や事後フォローの管理も可能で、負担を軽減しながら研修効果を高められます。

受講者の移動や時間確保が必要になる

集合研修では、受講者が会場まで移動し、研修時間を確保する必要があります。業務繁忙期や急な対応がある時期には、全員が同じタイミングで参加するのが難しい場合もあります。

対策としては、研修日程を早めに確定し、複数回開催して受講者が都合の良い日程を選べるようにすることが有効です。また、地域別開催やオンライン併用のハイブリッド形式を取り入れることで、移動負担を軽減できます。

＼お悩みに合わせてご提案します！まずはお気軽にご相談を／

ご相談はこちらから

集合研修に適した研修内容

集合研修は、すべての研修内容に適しているわけではありません。対面でのコミュニケーションや実践演習が効果を発揮する内容こそ、集合研修の強みを活かせます。ここでは、集合研修に特に適した３つの研修内容について、具体的な設計例とともに紹介します。

営業ロールプレイと実践演習

営業スキル研修では、集合研修の実践演習が特に効果を発揮します。まず講義で営業プロセスや提案技術を学び、その後に商談ロールプレイを行います。ロールプレイを繰り返すことで、講師や参加者からのフィードバックを受け、提案力や交渉力を実践的に磨けます。顧客役を体験することで、顧客視点の理解も深まります。

新商品発売前や営業手法の変更時には、全営業担当者を対象に研修を実施します。統一的なアプローチを浸透させると同時に、研修後には商談結果を共有し、継続的なスキル向上を図ることも可能です。

ケーススタディ主体の問題解決力を高める研修

問題解決力や論理的思考力を育成する研修では、ケーススタディを活用した集合研修が特に効果的です。受講者は実際のビジネス課題を分析し、解決策を立案する過程を体験します。グループごとの議論や全体発表を通じて、他チームのアプローチから学ぶことも可能です。

さらに、講師の問いかけにより、思考をより深められます。この形式は、中堅社員や管理職候補者に特に適しており、複雑な課題解決力を安全な環境で効率的に養えます。

チームビルディング型ワークショップ

チームの結束力を高める研修では、体験型ワークショップが効果的です。共通の目標に向かい協力する体験を通じて、信頼関係やコミュニケーション力を育めます。

体験型ワークショップには以下のようなものがあります。

物作り
謎解きゲーム
アウトドア活動

上記のようなワークショップでは、役割分担や意思決定、困難への対処など、実務に活かせる要素も含まれています。活動後の振り返りセッションで学びを整理することで、チームワークの重要性や個人の強みを再認識できます。新しいプロジェクトチームの立ち上げや、組織再編時に実施すれば、短期間でチームの一体感を醸成できます。

集合研修とmanebi eラーニングを組み合わせた活用方法

集合研修の効果を最大化するには、eラーニングとの組み合わせが効果的です。ここでは、manebi eラーニングを活用した具体的な方法について解説します。

eラーニングと集合研修の違いについて、詳しくはこちらをご覧ください。

集合研修の予習コンテンツとして使う

manebi eラーニングでは、オプション動画含む約8,000もの豊富なコンテンツを提供しています。集合研修の前にmanebi eラーニングで基礎知識を習得させると、研修当日は実践演習に集中できます。受講者全員が共通の前提知識を持った状態で臨むため、講義時間を短縮し、より高度な内容や応用演習に時間を割けます。

さらに、manebi eラーニングの管理機能を活用すれば、事前学習の進捗をリアルタイムで把握でき、未受講者には自動リマインドを送信可能です。全員が準備万端で研修に臨めるため、研修効果が最大化します。

集合研修の復習と理解度測定に使う

集合研修で学んだ内容を定着させるには、事後の復習が不可欠です。manebi eラーニングを活用すれば、研修終了後も受講者はいつでも内容を振り返ることができます。

関連教材を配信し、テストやアンケートで理解度を測定することで、不十分な箇所を特定し、追加教材やフォローアップ面談を実施可能です。さらに、一定期間後に再テストを行うことで、知識の定着度を客観的に評価できます。

manebi eラーニングのレポート機能を活用すれば、個人別・部署別の習熟度を可視化でき、研修成果を実務で活かすための効果的な育成計画立案を、カスタマーサクセスチームのサポートを受けながら進められます。

運営負担を減らす管理機能を活用する

manebi eラーニングのLMS機能を活用することで、集合研修の運営業務も大幅に効率化できます。研修の日程管理、参加者登録、出欠確認、資料配布などを一元管理でき、担当者の負担を軽減します。

受講者はマイページからスケジュール確認や予約ができ、研修前の自動リマインド送信や当日の出席記録もシステム上で管理されます。資料もオンライン配布できるため、印刷や配布の手間が不要です。さらに、集合研修とeラーニングの受講履歴を統合管理することで、従業員ごとの育成状況を包括的に把握し、人事評価や配置転換の判断に活用できます。