研修におけるワークショップとは?メリット・デメリットや具体的な手法を解説

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2024年6月24日(月)

目次

企業の研修にはさまざまあり、「ワークショップ」もよく用いられています。講義やセミナーとは異なり、参加者が主体的に参加できるのが特徴です。ワークショップ形式の研修は、ファシリテーターの配置のように一般的な研修とは異なる部分も多くあります。実際、どのように進行すればよいのかわからない担当者も多いのではないでしょうか。

本記事では、研修におけるワークショップのメリット・デメリットや、具体的な手法を解説します。ワークショップ実施時のポイントもあわせて紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

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研修におけるワークショップとは

ワークショップは、一般的なセミナーや講義とは異なり、参加者が主体的に学ぶプログラムです。以下、研修でのワークショップの概要と、セミナーとの違いを解説します。

ワークショップの概要

ワークショップは、参加者が能動的に参加し、特定のスキルや知識を実践的に学ぶためのプログラム形式です。たとえば実際に手を動かしたり、ディスカッションやグループワークをしたりします。ワークショップは、元々演劇の分野で使用されていた用語とされており、「特定のテーマにもとづいて演技の練習を行う」という意味合いを持っていました。現在では教育やビジネス、アートなどさまざまな分野で利用されています。

ワークショップでは、参加者にくわえて、ファシリテーター(参加者が目的を達成できるよう、ワークショップを円滑に進行する役割を担う人)を配置する場合もあります。

セミナーとの違い

セミナーとの違いは、「参加者が積極的にプログラムに関与できるかどうか」。セミナーでは、講師や専門家が特定のトピックについて講演し、参加者は主に聞き手として情報を受け取ります。セミナーで参加者がディスカッションを行うこともあるものの、セミアーはワークショップと比べて「講義」の側面が強めです。

一方でワークショップ形式の研修では、参加者がディスカッションを行いつつ進行します。ファシリテーターは存在するものの、あくまでも進行を補助する役割であり、ディスカッションを主導するわけではありません。とはいえ、最近ではワークショップの要素を取り入れたセミナーもあるため、両者の違いはあいまいになりつつあります。

ワークショップを研修に取り入れるメリット3つ

ワークショップを研修に取り入れる主なメリットは、以下の3点です。

  1. 参加者のモチベーションを維持しやすい
  2. 第三者の意見に触れられる
  3. 社内コミュニケーションの活性化につながる

参加者のモチベーションを維持しやすい

ワークショップを研修に取り入れるメリットは、参加者のモチベーションを維持しやすいこと。一般的なセミナーの場合、座って講師の話を聞くだけになるため、場合によっては集中力が続きません。

とくに自分にとって興味のない分野で、強制参加させられているような研修であれば、集中力を維持するのは難しいでしょう。一方でワークショップは、主体的に参加する時間が長いため、集中力が持続しやすく、興味がない分野でも積極的にかかわるきっかけになります。

第三者の意見に触れられる

第三者の意見に触れられるのも、ワークショップを研修に取り入れるメリット。ワークショップ形式の研修は、作業やディスカッションなど、さまざまな人間と協力して進めていきます。

たとえばディスカッションでは、結論を導き出す過程でさまざまな価値観に触れられるため、自分の考えを見直すきっかけにもなるでしょう。外部講師を呼んでワークショップをする場合は、社外の人間の専門的な意見をもらえるのも重要なポイントです。

社内コミュニケーションの活性化につながる

社内コミュニケーションの活性化につながるのも、ワークショップ形式のメリットです。たとえば部署をまたいで研修が行われる場合、ワークショップをきっかけにさまざまな人とコミュニケーションを交わします。

同じ部署はもちろん、違う部署との連帯感が強まり、それが普段の業務にも生かされるかもしれません。とくに「飲み会の参加者が増えない」「社員同士の仲があまり良くない」など、コミュニケーション面で課題を抱えている組織にとって、効果的な形式です。

ワークショップを研修に取り入れるデメリット

ワークショップを研修に取り入れると、さまざまなメリットがある一方で、以下のようなデメリットもあります。

  • 幅広い知識の吸収には向いていない
  • 外部費用がかかる場合がある
  • 参加者によって研修の質が変わりやすい

幅広い知識の吸収には向いていない

ワークショップを研修に取り入れるデメリットは、幅広い知識の吸収には向いていないこと。ワークショップは、1つのテーマに焦点を当てつつ、体験をとおして深くかかわってもらう形式で、大学の講義や一般的なセミナーのように、膨大な知識を短時間で吸収するのにはあまり適していません。たとえば法律関連のテーマを扱う場面で、覚えるべき単語や法律が多いとき、ワークショップが向いていない可能性もあります。

外部費用がかかる場合がある

外部費用がかかる場合があるのも、ワークショップを研修に取り入れるデメリット。前述のように、ワークショップの進行役はファシリテーターと呼ばれ、通常の司会進行とは異なる専門的なノウハウが必要です。

自社で企画・運営するのが難しい場合は、当然外部の会社にアウトソーシングすることになります。計画を立てる際は外部費用のシミュレーションをし、費用対効果をよく検討しましょう。予算に余裕があれば、ファシリテーターを設置するのがおすすめです。

参加者によって研修の質が変わりやすい

ワークショップ形式の研修は、参加者によって研修の質が変わりやすい面もあります。たとえば参加者の多くが低いモチベーションで参加していたり、グループディスカッションで話す人が誰もいなかったりすれば、ワークショップをする意味がほとんどありません。

とくにやる気のない参加者は、積極的に参加している人の体験にも悪影響をおよぼします。自由参加にするといったように、なるべくモチベーションの高い参加者を集める工夫を考えましょう。

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ワークショップを研修に取り入れる際の手順・進め方

ワークショップを研修に取り入れる際の手順・進め方は、以下の3ステップです。

  1. ワークショップを開催する目的を明確化する
  2. 手法・研修テーマ・ファシリテーターを決定する
  3. グループの人数構成など細かい部分を決める

ワークショップを開催する目的を明確化する

まずは、ワークショップを開催する目的を明確化します。ワークショップの目的と具体的な学習目標を明確に定義し、「何を達成したいのか」「参加者にどのようなスキルや知識を身につけてもらいたいのか」を決めていくのです。

たとえば「何を達成したいのか」というのは、「アイデアを多く出す」「合意した結論を出す」など。ワークショップの目的が明確に定まっていると、それに共感した参加者が集まるため、スムーズに進行しやすくなります。

手法・研修テーマ・ファシリテーターを決定する

次に、手法・研修テーマ・ファシリテーターを決定します。

  • ワークショップの手法:「ブレインストーミング」「KJ法」など。詳しくは、のちの項目で解説
  • 研修テーマ:「コミュニケーション」「自己理解・他者理解」「問題解決」など。
  • テーマに合わせて、ワークショップをリードするファシリテーターや講師を選定:アウトソーシングをする場合は、この時点で予算や費用対効果を想定しておく

グループの人数構成など細かい部分を決める

手法・研修テーマ・ファシリテーターが決まったら、グループの人数構成といった細かい部分を詰めていきます。たとえばグループワークを実施する場合、「1グループ当たりどれくらいの人数にするか」が重要です。

最適な目安は、5人もしくは6人とされています。ほかにも部屋の広さや机の配置、備品の用意など、考えるべきことは多くあるもの。たとえば部屋の広さであれば、参加人数(もしくは定員)をまず確認し、狭過ぎず広過ぎない場所を選ぶとよいでしょう。

研修におけるワークショップの具体的な手法例3つ

研修におけるワークショップの具体的な手法としては、主に以下の3つがあります。

  1. ブレインストーミング
  2. KJ法
  3. ワールドカフェ

ブレインストーミング

ブレインストーミングは、新しいアイデアや解決策を生み出すための手法です。参加者が自由にアイデアを出し合うのが特徴で、多くのアイデアが短時間で集まるため、革新的なアイデアが生まれる可能性もあります。ファシリテーターがいる場合は、まずブレインストーミングのテーマを提示してもらい、それに沿って自由にアイデアを出すのが基本的な進行です。とにかくアイデアをたくさん出し、そのあとに洗練させて結論を導き出します。

KJ法

KJ法は、文化人類学者・川喜田二郎氏によって開発されたもので、「アフィニティ・ダイアグラム」「親和図法」とも呼ばれています。散らばった情報を整理しつつ、問題の本質を見つけ出すための手法です。参加者は、問題に関連する情報やアイデアを個別に書き出し、テーマや類似性にもとづいてグループ化します。情報やアイデアを効果的に整理し、全体像を把握する力が養われるため、複雑なトピックを扱う際におすすめです。

ワールドカフェ

ワールドカフェは、参加者が小グループでディスカッションを行い、アイデアや知識を共有する手法です。名前のとおり、カフェのようなリラックスした雰囲気で行われるのが特徴で、1グループ当たり5人程度の参加者を割り当てます。グループごとにテーマを決め、それについてアイデアを出し合うのが基本的な進行です。あくまでもリラックスした雰囲気を重視するため、あまり堅苦しいテーマを選ばないようにします。

ワークショップ実施の際のポイント3つ

ワークショップ実施の際の主なポイントは、以下の3点です。

  1. ファシリテーターの選定に気をつける
  2. 全員が参加できるように前準備を徹底する
  3. 学びの定着につながる仕組みを作る

ファシリテーターの選定に気をつける

ワークショップ実施の際のポイントとしてまず意識したいのは、ファシリテーターの選定に気をつけること。前述のように、ファシリテーターはワークショップの進行を円滑にし、参加者が目的を達成できるようにサポートする重要な役割を担います。

特定のトピックに精通しており、ファシリテーターとしての経験が深い人を割り当てるのが理想です。社内のリソースで対応できない場合は、社外のファシリテーターを選定しましょう。

全員が参加できるように前準備を徹底する

全員が参加できるように前準備を徹底するのも、ワークショップ実施のポイント。たとえば1グループ当たりの人数が多過ぎると、「誰かが意見を出してくれる」「誰かがリーダーシップを持ってやってくれる」など、当事者意識が薄れてしまうリスクもあります。

一方で人数が少な過ぎても、アイデアが集まらないといったように進行に悪影響をおよぼすでしょう。事前準備を徹底し、参加者の積極性を引き出すような内容を心がけます。

学びの定着につながる仕組みを作る

学びの定着につながる仕組みを作るのも、重要なポイント。研修を実施して終わりにするのではなく、ワークショップでの学び、あるいは座学での知識を定着させるための仕組みを考えます。ワークショップとあわせて、eラーニングサービスを活用すると、知識の定着や周辺知識の学習ができます。とくにeラーニングは社員がそれぞれのペースで学べるため、物理的な制約を抱えている場合でも問題ありません。

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ワークショップは主体的に参加できるのが特徴で、モチベーションを保ちやすい、社内コミュニケーションを活性化しやすいといったメリットがあります。ワークショップ形式の研修を実施する場合、とくに重要なのがファシリテーターの選定です。自社の力だけで対応できない場合は、外部のファシリテーターに依頼するとよいでしょう。

ワークショップなどの研修の企画・運営にかかる労力を削減させたい場合は、外部講師や研修サービス、eラーニングなどのサービスを正しく使いわけるのがオススメです。研修をスムーズに実施したいと考えている場合は、eラーニングに特化した「manebi eラーニング」を検討してみませんか?

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