Excelは多くの企業で使用されている表計算ソフトです。しかし、個人の知識やスキルの差が大きく、Excelを活用していても「思うように生産性が向上しない」「ミスが減らない」と悩む企業も少なくありません。Excelの基礎知識や企業が求めるスキルを社員に修得してもらうには、Excel研修が有効です。本記事では、Excel研修が必要な理由や内容、効果的に実施するためのポイントを解説します。
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資料をダウンロードするExcel研修とは
Excel研修とは、資料の作成やデータ管理に必要な基礎知識から、実務で必要な応用スキル、効率化や自動化に欠かせない関数やマクロなどの修得を目的とした研修です。Excelスキルの習得で具体的に以下のようなメリットが得られます。
- データ入力の正確性向上
- データ集計の効率化
- レポート作成や分析の効率化
- 業務の自動化
- 訴求力の高い資料作成
- アナログ業務の削減
Excelスキルを身につければ、業務作業の効率化や資料作成の正確性につながるため、社員にExcel研修を実施する企業は少なくありません。
Excel研修が企業に求められる4つの理由
Excel研修が企業に求められる理由は以下のとおりです。
- Excelを使用している企業が多い
- 新入社員のパソコン離れに有効
- 入社後にExcelを活用する業務が多い
- 購入後は無料で使用できるためコストを抑えられる
Excelを使用している企業が多い
Excelは多くの企業や自治体で使用されているツールです。数値のグラフ化や表計算、資料作成などさまざまな業務に活用でき、直感的に操作できるため、使用している企業が多いと考えられます。
実際にExcelでは、以下のような作業が可能です。
- 表の数値から合計や平均値を自動計算する
- 表の数値を参照したグラフ化
- 画像データを挿入した資料作成
上記のほかにもExcelでできることは数多くあるため、企業の事務作業の大半はExcelでまかなえるといえるでしょう。このことから、Excelは企業の必須ツールになっているともいえます。
その一方で、Excel管理の属人化や応用方法がわからず、知識やスキルに個人差が生まれることも多いようです。社員の知識やスキルのベースを整えるためにもExcel研修は必要でしょう。
新入社員のパソコン離れに有効
スマートフォンやタブレットの普及により、若い世代のパソコン離れが進んでいます。SNS投稿やインターネットからの情報収集をはじめ、パソコンに近いことがアプリで手軽にできるようになり、パソコンに必要性を感じていない人が増えたためです。
若い世代はパソコンを使いこなせていると思われる傾向にあります。しかし、パソコンをもっていなかったり、Excelの使用経験がなかったりするケースも少なくありません。新入社員研修のカリキュラムにExcel研修をくわえると、Excelの知識やスキルの修得とともに、パソコン操作の必要性を理解してもらえるでしょう。
入社後にExcelを活用する業務が多い
データや売上などを入力するフォーマットをExcelで作成している企業は多いため、高確率で入社後の業務にExcelが必要になります。入社後、実務がスタートする前にExcelの知識やスキルがあれば、比較的スムーズな業務の遂行が可能です。
オリジナルフォーマットを作成したりあたらしい計算式を構成したりといった高度なスキルでない限り、Excelの基礎知識があれば、ある程度の業務に応用できます。
購入後は無料で使用できるためコストを抑えられる
Excelの主な購入方法は以下の3パターンです。
- 単体ソフトの買い切り型
- Microsoftofficeがインストールされているパソコンの購入
- サブスクリプション型(Excelのほか、WordやPowerPointも使用可)
Excelソフト単体は、Microsoftの公式ページから2万590円(税込)で購入可能です。(※2024年1月時点)単体ソフトの場合は、2台のパソコンにインストールできます。パソコンの台数が少ない場合、買い切り型でExcelをインストールするとコストパフォーマンスが高くなるでしょう。
※参考:Microsoft「MicrosoftExcelを購入」
Excel研修の実施が必要な職種
総務や人事、営業やマーケティングといった職種では実用的なスキルや高度な知識が必要となるため、Excel研修を実施したほうがよいでしょう。ここからは、Excel研修が必要な職種とその理由を詳しく解説します。
総務・人事
総務や人事では、以下の業務がExcel管理されているケースが一般的です。
【総務】
- 施設管理
- 備品の発注状況の管理
- 社内行事の企画資料作成
【人事】
- 社員の異動・面談履歴
- 採用活動の記録
- 福利厚生手続きの履歴管理
総務ではおもに数値の変動を記録して管理する業務にExcelが使用され、人事では各種履歴や活動記録に活用されるケースがあります。総務や人事の事務職は基本的にパソコン操作を行う業務が多いためExcelスキルは必須といえるでしょう。
Excel研修の受講により、基本的な操作や資料作成、グラフの作成などを習得できるため業務を効率的に遂行できます。
営業・マーケティング
営業やマーケティングでは、以下の業務がExcelで管理されるケースが一般的です。
【営業】
- 営業日報
- 売上・達成率管理
- 請求書や見積書
【マーケティング】
- データ集計
- データ分析
- 効果測定
営業では日常的な管理業務にExcelが活用され、マーケティングでは戦略や施策立案に必要なデータ集計や分析に活用されています。とくにデータ分析や効果測定においては「指定のカテゴリにおける特定数値以上をピックアップする」といった関数や数式の知識が必要でしょう。
Excelを活用すると、営業では数値入力だけで管理が可能になり、マーケティングでは特定条件のデータ算出がスムーズになるなど分析業務の効率化が期待できます。
とくにマーケティングにおいては、施策内容によって集計する内容や分析方法が変化したりくわわったりするため、必要に応じてあたらしいシートを作成しなければなりません。Excel研修で関数やテーブルの知識があれば、どのように集計し、分析すればよいかの思考をシートに反映できるようになります。
段階別に見るExcel研修の種類・内容
Excelを最大限に活用するには、高度な知識が必要です。しかし、基礎が理解できていない状態で教えても効果は期待できません。Excel研修では、理解度に応じた段階的なプログラムを組むのがポイントです。ここからは、初心者・中級者・上級者の3段階にわけた研修内容を紹介します。
【初心者向け】Excelの基礎・基本操作
Excelの基礎知識や操作方法の研修は、おもにExcelの経験が浅い新入社員やExcelに自信のない社員を対象に行われます。初心者向けExcel研修の主な内容は以下のとおりです。
- Excel用語の知識
- セルやシートの編集方法の実行
- ショートカットキーの知識
- 合計値や平均値などかんたんな関数の理解
- グラフやテーブルの作成
初心者向けのExcel研修では、Excelの基礎を修得し、実務でスムーズに実行できることが目的。基礎は土台となるため、受講者の理解度をよく確認しながら研修を進めましょう。
【中級者向け】Excelの応用スキル
中級者向けExcel研修の対象者は、業務効率化にExcel機能が必要な社員や、データ集計・分析業務を行う部署の社員などです。Excelの応用スキルでは、おもに以下の内容を学びます。
- 指定条件の抽出
- 各種関数がどのような業務に使えるか
- ピボットテーブルを活用したデータ集計方法
- 数式や関数のエラー箇所の発見と対処方法
応用スキルを理解すると、Excel業務でどのようにしたら効率よくできるかといったアイデアが生まれるだけでなく、実践的なスキルも修得可能です。
【上級者向け】統計の基礎計算
上級者向けのExcel研修では、関数を使用した統計学を修得するため、おもに分析業務を担当する社員や中堅社員、管理職が対象です。関数を使いこなせるようになると以下のような統計や分析ができます。
- 予測数値の算出(売上・在庫数・発注数・広告効果など)
- 相関分析
- 重回帰分析
- 時系列データ分析
- カイ二乗検定
関数は業務上必要になる関数に絞り、分析に必要なシート作成ができるまでを目指します。また、アドイン機能の理解を深めると、より効率的に統計分析ができるでしょう。
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資料をダウンロードするExcel研修を実施する4つのポイント
Excel研修を実施する際は以下4つのポイントを取り入れて準備し、実行に移しましょう。
- 自社の目的に合った研修プログラム・カリキュラムを導入する
- 実務・実践に役立つ内容を取り入れる
- 研修終了後も繰り返し復習できるか
- 受講料を確認・調整する
自社の目的に合った研修プログラム・カリキュラムを導入する
効果的なExcel研修を実施するには目的を明確にするのが重要です。目的を明確にするために、以下のポイントをおさえておくとよいでしょう。
- 受講者にどのスキルを修得してほしいか
- 受講者にとってなぜExcelが必要なのか
- 受講者がExcelスキルを修得するメリットはなにか
- 受講者がExcelを修得した未来像
上記のポイントを明確にして受講者に伝えられれば、研修の必要性を感じてもらいやすくなり、意欲的に取り組んでもらえるようになります。
実務・実践に役立つ内容を取り入れる
知識のインプットだけではExcelを活用するイメージがわかず、研修の成果があらわれません。インプットした知識をアウトプットしてようやく理解が深まります。とくにExcelの関数や数式、用語はむずかしいため、座学を受けた多くの受講者が言葉の意味をなんとなく理解できる程度でしょう。「実際の仕事にどう生かせるのかわからない」「自分が使いこなせる気がしない」と感じている可能性もあります。
Excelを実務や実践に役立てられるよう、実際の操作をとおして知識をアウトプットできる研修カリキュラムを作成・実施しましょう。
研修終了後も繰り返し復習できるか
Excelは複雑な関数や用語が多く、多くの操作手順があるため、記憶に定着しにくいもの。研修を受講しただけでは完全に修得するのがむずかしいため資料やアーカイブなど、研修後に復習できる仕組みを準備しておきましょう。
とくにExcelのように多くの操作手順が必要なものは、文字の情報だけではイメージがわきにくいです。画像つきのマニュアルや動画など、映像で確認できるものがのぞましいでしょう。またExcel研修で修得した知識やスキルは、くりかえし実践しなければ忘れてしまいます。復習と実践のくりかえしがExcelスキルを身につける一番の近道です。
受講料を確認・調整する
一般的な集合研修では、以下の料金が発生します。
- 受講料
- 講師の招致料
- 教材費
- 会場費
- 交通費
また、Excel研修を行うサービスでは、内容や時間によって料金が変動する可能性もあります。くわしい費用は問い合わせて確認するとよいでしょう。研修にかかる費用や時間を削減するには、オンライン研修の実施もひとつの方法といえます。
オンライン研修なら、eラーニングとオンライン研修のトータルソリューションmanebi eラーニングの活用が有効です。オンライン研修とeラーニングをあわせたブレンディッドラーニングによって、コストをおさえつつ質の高いExcel研修をオンラインで実施できます。
Excel研修を効果的に実施する2つの方法
Excel研修を効果的に実施する方法は、「外部講師に依頼する」「オンライン研修を実施する」の2つです。Excel研修には専門知識が必要であるため、社内研修よりも外部に依頼するほうが効率よく実施できます。
外部講師に依頼する
外部講師は研修のプロです。安心して任せられるものの、以下のポイントを把握して選ぶと研修の結果が大きく変わります。
- 受講者の理解度にあわせてかみくだいた説明ができるか
- 実務内容に対する理解があり受講者にイメージさせる伝え方ができるか
- 企業側の意図を汲み取ってもらえるか
Excelの基礎知識や操作説明だけであれば、外部講師に依頼する必要がないかもしれません。外部講師に依頼する理由は、受講者に実務で生かせるExcelスキルを修得してほしいからです。研修の目的や企業の意図を汲み取り、受講者に沿った研修を進められる外部講師を選びましょう。
オンライン研修を実施する
オンライン研修は場所を選ばず開催できるため、時間や費用のコスト削減ができるのが強みです。オンライン研修によって削減できる費用には、以下のようなものがあります。
- 社員の移動にかかる交通費や宿泊費
- 研修の会場費
- 各種手配にかかわる人件費
また、オンライン研修はアーカイブに残せる場合もあります。復習に役立てられるのは大きなメリットでしょう。ただしオンライン研修には「講師やほかの受講者の意欲を直接感じにくい」「受け身になりがち」な点があることも覚えておきましょう。研修プログラムを構成したり研修後にレポートを提出したりもらったりすると、受講者が意欲的に参加できます。
manebi eラーニングは研修目的にあわせて教育できるラーニングプラットフォームで、研修を受けたり実践的なカリキュラムを研修に取り入れたり、自社に合わせた研修を実施できます。Excelはもちろん、PowerPointやwordの学習も可能です。
Excelのスキルアップにはオンライン集合研修がオススメ
Excel研修は、修得した知識やスキルを現場で活用してもらうために行う研修です。研修の効果を高めるには、受講者の積極的姿勢とアフターフォロー体制が欠かせません。事前説明で受講者のモチベーションを高められているか、研修後の復習環境や実務でのフィードバック体制は準備できているかを確認しましょう。
Excel研修の復習には動画の教材が有効です。manebi eラーニングは、Excel研修をはじめ、マーケティングやリーダーシップ、ビジネスマナーまで幅広い研修内容を5,000以上のコンテンツをeラーニングやオンライン研修にて提供するサービスで、約2,500社に導入され、99%の高い継続利用率を誇っています。
eラーニングと研修の併用で研修効果を倍増し、スピーディーな復習、総合的、段階的な学習環境の整備が実現可能です。研修後のアフターフォローも整っています。
より詳しい内容は「サービス資料・教材一覧ダウンロード」ページより御覧ください。
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