新入社員研修は、新入社員がビジネスにおける基本マナーを身につける場でもあります。研修に参加する際の服装についてのガイドラインを定めておけば、新入社員は研修に参加しやすくなるだけでなく、ビジネスの場での服装マナーも学べるでしょう。とはいえ新入社員研修の服装ルールについて、世間で共通の決まりごとがあるわけではありません。基本は企業風土や研修の内容などに合わせて異なる服装ルールを策定します。
本記事では、新入社員研修における服装ルールの一般的な傾向から、男性・女性別の服装ルール、さらには場面別の服装ルールまで、詳しく解説します。新入社員研修の服装にまつわる課題を解決するためのヒントとして、ぜひ参考にしてください。
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資料をダウンロードする新入社員研修で服装の決まりを設定する目的
新入社員研修で服装の決まりを設定する目的は、新入社員が社会の一員としての自覚を持てるよう促すため。適切な服装を身につけると、新入社員は自身が社会人としての一歩を踏み出したと実感し、プロフェッショナルとしての意識が醸成されていきます。
また企業は服装のルールを通じて、自社の文化と価値観を新入社員に伝えられるのです。たとえば、フォーマルな服装を求めるなら伝統的な価値観を重視していると示せるでしょう。カジュアルな服装を許可するなら、個性を尊重する文化や自由な発想・アイデアを生み出す環境が整っていると示せます。
新入社員研修における服装の一般的な傾向
新入社員研修の服装は企業・研修内容によってさまざまで、企業ごとに自由に決められます。とはいえ多くの企業で一般的とされる推奨ガイドラインを知っておくと参考になるでしょう。ここでは「服の種類」と「スーツの選び方」に絞って、一般的な傾向を紹介します。
服の種類
企業の風土や研修の内容により異なるものの新入社員研修での服装には「リクルートスーツ(就職活動用のスーツ)」の着用が推奨されるでしょう。リクルートスーツは一般的に、ブラックやネイビーからなる無地のスーツを指します。
ただし社内のみで行われる研修やカジュアルな職場環境の企業では、オフィスカジュアル(フォーマルなスタイルを、オフィスでふさわしい範囲でカジュアルにしたもの。詳しくは後述)を許可している場合もあります。基本は研修で扱う内容や、職場の雰囲気によって適した服装の基準を設定するとよいでしょう。
スーツの柄
一般的に、新入社員にはシンプルな「無地」のスーツが推奨されます。ブラックやチャコールグレー、ネイビーの無地スーツが一般的です。柄物のスーツをOKとする場合もあるものの、その際は主張が控えめな「シャドウストライプ」や「ピンストライプ」など、許容範囲の例を示しましょう。チェック柄や幅が広い「チョークストライプ」などは、新入社員研修ではNGとするケースも見られます。
スーツの色
新入社員研修におけるスーツの色は一般的に、ブラックやネイビー、チャコールグレーなどダークカラーが主流です。これらの色はビジネスシーンでフォーマルな印象を与え、初対面の人々に対して信頼感を醸し出す効果があります。一方、ブラウンやグリーンなど色の個性が強いスーツや、ベージュやライトグレーなど明るい色合いのスーツはカジュアルな印象を与えるもの。新入社員研修では適切でないと判断する企業もあります。
シャツの色
シャツの色については、スーツの色との調和を考える必要があります。新入社員研修で推奨されるブラックやダークグレー、ネイビーのスーツには、いずれも白色のシャツを合わせるのが一般的です。白色はどの色のスーツにも合わせやすいので、初めてビジネススタイルを身につける新入社員にとっては選びやすい色だといえるでしょう。
新入社員研修における男性の服装ルールの傾向
新入社員研修における男性の服装は、一般的にスーツの着用が推奨される傾向にあります。新入社員研修ではリクルートスーツを推奨し、その後の研修や大型連休のあとなどからオフィスカジュアルに移行するケースも多いです。
オフィスカジュアルとして代表的なのはシンプルなパンツにワイシャツやポロシャツを合わせるコーディネート。ジャケットを羽織る場合、Tシャツやタートルネックを合わせるとカジュアルになりすぎるため、一般的にはワイシャツが推奨されます。
靴のルールについては、服装に合わせて考えるとよいでしょう。たとえば「ジャケットを着用する場合はレースアップの革靴」「ジャケットを着用せずにワイシャツやポロシャツだけの場合はシンプルなローファーにする」などです。
スニーカーにはさまざまなデザインのものがあるため「カラフルなデザインのものはNG」といった但し書きをくわえるケースもあります。これらの傾向を踏まえて具体的なガイドラインを作成すると、新入社員は迷わず適切な服装を選べるでしょう。
新入社員研修における女性の服装ルールの傾向
女性の服装ルールについても、新入社員研修ではリクルートスーツが指定される場合が多いです。男性と同じように、採用から期間が経過するにつれてオフィスカジュアルを許容する状況が多くなります。オフィスカジュアルの場合、グレーや白、黒などの落ち着いた色を基調としたシンプルで清潔感がある服装が一般的に推奨されるものです。
ボトムスは、研修ではひんぱんに立ったり座ったりするため、短いスカートやタイトすぎるスカートは避けることが推奨されます。トップスも活動しやすさを確保しつつ、カジュアルになりすぎないよう清潔感のある白のブラウスやシャツなどを推奨するのが一般的です。
また露出が多すぎる服装を避けるのはビジネスマナーの基本でしょう。とはいえ、それを新入社員が意識できているとは限りません。「胸元が大きく開いたトップスを避け、スカートやパンツの下にストッキングを履くことを推奨」といったように、露出の多い服装を推奨しない注意書きをつけくわえておくのも重要です。
新入社員研修における女性の服装ルールも、ビジネスマナーを学ぶための重要な要素。会社が指定した服装ルールを守ることで、新入社員は社会人としての基本マナーを身につけ、自身のプロフェッショナルなイメージを形成していけます。
【場面別】新入社員研修の服装ルール
新入社員研修の服装は、研修の「場面・場所」によっても異なります。ここでは「社外研修」と「オンライン研修」の2つのパターンについて、服装の一般的なルールを確認しましょう。
社外研修はスーツ推奨
社外研修においては、男女問わずスーツを推奨することが一般的です。社外研修では社外の人と接するため、会社のイメージを損なわないよう清潔感・信頼感のある服装が求められます。新入社員が自己紹介をする可能性もあり、その際には服装といった第一印象が大きく影響するでしょう。社外研修は、自社のブランドイメージを外部に伝える機会でもあります。よって新入社員の服装は、自社の価値観や企業文化を反映するものにしたほうがよいでしょう。
「自社は自由な社風だから」とカジュアルな服装で社外研修に臨んでしまえば、ビジネスの場でカジュアルな服装をすることに慣れていない社外の人に、不快感を与えかねません。そのため「社外研修の場にふさわしい」「清潔感のある印象を与える」服装として一般的にスーツを指定しているのです。
オンライン研修は特に指定しないのが一般的
オンラインの新入社員研修における服装については、特に指定をしないことが一般的です。自宅やカフェなど、新入社員が選んだ場所で研修を受ける状況が多いため、私服での参加も許容される場合も多いでしょう。
しかし、ビデオ通話を通じて上席や外部の人物とのコミュニケーションが発生する場合、マナーを考慮した服装が推奨されます。このような場合、カジュアルすぎる服装は避け、ビジネスカジュアルな服装を選ぶとよいでしょう。たとえば男性なら、ポロシャツやカジュアルなボタンダウンシャツ、女性なら、シンプルなブラウスにカーディガンなどが王道スタイルです。
オンライン研修は、自宅でのリラックスした環境が学習効果を高める一方、あくまでビジネスの場であると忘れないようにしましょう。服装についても一定のマナーを守るよう推奨すると、新入社員のプロフェッショナルな姿勢を保ちやすくなります。
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資料をダウンロードする新入社員研修でオフィスカジュアル可とするときのルール
新入社員研修でオフィスカジュアルを可とする場合もあります。オフィスカジュアルと一口にいっても、服装が想定されるコーディネートの種類が幅広く、どのような基準でルールを考えればよいか悩むかもしれません。ここでは新入社員研修でオフィスカジュアル可とする際に推奨される服装ルールについて、一般的な傾向を確認しましょう。
清潔感ある身だしなみ
新入社員研修でオフィスカジュアルを許可する際は「清潔感」を意識してもらうことが大切です。オフィスカジュアルとはいえ、社会人として浮いてしまわない範囲で服装を選んでもらう必要があります。
また新入社員研修は、社会人としての意識を身につけてもらう期間でもあるため、服装だけでなく全体的な「身だしなみ」も重要です。たとえば服のシワや靴の汚れなどにも気を配るよう意識づけをします。また髪の毛や爪の手入れも忘れず行うよう働きかけるのも大切です。
身だしなみに気を配っていなければ、将来的に客先に出る際にネガティブな印象を与えかねません。新入社員研修でオフィスカジュアルを推奨したため社員の身だしなみが乱れた、といったことがないよう、意識付けを行いましょう。
華美すぎない・奇抜すぎない服装
新入社員研修でオフィスカジュアルを許可する際は「華美すぎない・奇抜すぎない」服装を心がけてもらうのも大切です。これらの服装は、ほかの参加者を不快にさせる可能性があるだけでなく、自身のプロフェッショナルなイメージを損なう可能性もあります。
たとえば露出が多いノースリーブや透ける素材の服、オーバーサイズの服などは、ビジネスの場においては「華美すぎる・奇抜すぎる」とみなされる可能性も高いです。
また、目立ちすぎるアクセサリーも避けるように指導しましょう。オフィスカジュアルにおいても大きなピアスやネックレス、派手な指輪などは避け、シンプルなアクセサリーに抑えてもらうことが必要です。
研修内容に合わせた服装
オフィスカジュアルにはさまざまなコーディネートが含まれるものの、研修内容によっては特定の服装が求められる場合もあります。たとえば現場体験型の研修で、動きやすさを優先して、カジュアル寄りの服装を指定したとしましょう。その際、単に「動きやすい恰好で」と伝えるだけではわかりにくい場合もあるので、想定する服装を具体的に記載しておくと親切です。
また「外部の講師が来る」「ほか部署との交流がある」場合、よりフォーマルな服装が求められます。この点も事前に伝えておくと、新入社員も服装を選びやすくなるでしょう。同じオフィスカジュアルでも、研修の内容に応じた服装を指導することが大切です。
新入社員研修の服装ルールに関するよくある疑問
企画・運営の担当者には、新入社員研修の服装ルールについて、頭を悩ませるさまざまな疑問があるかもしれません。ここでは代表的な以下の2つの疑問についての回答をまとめています。
- リクルートスーツの指定はいつまですべきか?
- オフィスカジュアルを可とする基準は?
リクルートスーツの指定はいつまですべきか?
新入社員研修の服装としてリクルートスーツの指定期間は、企業の方針や業務内容により異なるものの、一般的には「入社式」や「研修期間中」までとされています。リクルートスーツは就職活動中に着ることを想定したもので、新入社員が社会人としての基本マナーやビジネススキルを学ぶ研修期間中までは適切な服装でしょう。
しかし、研修が終わり実際の業務が始まると、ビジネススーツに切り替える場合も多いです。企業や業界によっては、新入社員研修からビジネススーツの着用を許可しているところもあります。
オフィスカジュアルを可とする基準は?
新入社員研修においてオフィスカジュアルを許可する基準は、企業の狙いや文化により変わります。新入社員がリラックスして研修を受けられるようにしたい場合は、オフィスカジュアルを指定することが有効でしょう。ただしオフィスカジュアルを可とする場合でも、ある程度の基準を示します。シンプルなスタイルのジャケットやシャツ、ブラウスなどを推奨するとよいでしょう。
新入社員研修の服装はビジネスマナーの第一歩
新入社員研修の服装は、新入社員がビジネスマナーを学ぶための第一歩として、重要な役割を果たします。適切な服装で研修に臨めば新入社員自身のモチベーション向上やほか社員とのコミュニケーション促進なども期待できます。
また適切なガイドラインを提供できれば、新入社員も服装を選びやすくなるでしょう。服装ルールの設定や運用についてお悩みの人事担当者・責任者の方は、ぜひ本記事の内容をガイドライン作成の参考としてご活用ください。新入社員研修の準備には多くの手間がかかるもの。研修の効率化には「eラーニング」の利用をおすすめします。
eラーニングなら新入社員がいつでも視聴できる動画コンテンツで学習できるので、研修の内容を準備したり、講師のスケジュール調整をしたりする工数を削減可能です。「manebi eラーニング」では、コンプライアンスや情報セキュリティ、管理職向けやパワハラ防止法など幅広いジャンルの研修を提供しています。サービス詳細は下記リンクより、無料のダウンロード資料にてご確認ください。
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