新入社員研修の目的は、下記のようにいくつかあります。
・社会人としての心構えやマナー、知識などにくわえ、企業理念や経営方針、これまでの歴史などを教える
・同期や講師とコミュニケーションを深めて、会社の雰囲気に慣れる
本記事では、このような目的を達成しながら新入社員研修の緊張をほぐし、コミュニケーション活性化や教育につながるゲームを紹介します。人事部門で新入社員研修担当の方はぜひ参考にしてください。
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資料をダウンロードする新入社員研修にゲームを導入することで得られる5つのメリット
新入社員研修にゲームを導入すると、どのようなメリットを得られるのでしょう。なかでも大きなメリットは次の5つです。
- 緊張がほぐれる
- 気分の切り替えができ集中力を維持できる
- レクリエーションの中でビジネスの考え方が学べる
- コミュニケーションの活性化につながる
- 人材配置の参考になる
緊張がほぐれる
新入社員研修は社会人としての基本を学ぶ重要な機会です。張り詰めた雰囲気のなかで行っても指導内容が身につきにくく、効率が落ちてしまうでしょう。新入社員研修にゲームを導入すれば緊張がほぐれ、参加者同士の会話も自然と生まれます。その結果、研修の雰囲気が和み、指導内容を身につけやすくなるでしょう。
気分の切り替えができ集中力を維持できる
研修を始める前にゲームを取り入れると、緊張をほぐす効果が期待できます。気分の切り替えができ、集中力の維持につながる効果が期待できるからです。開始から終了まで座学中心の研修では、集中力を持続するのも困難です。集中力が途切れてしまえば座学の効果も半減してしまうでしょう。
たとえば、食後の眠くなる時間帯にゲームを取り入れれば気分の切り替えになります。それにより、改めて集中力を高めて座学に臨めるでしょう。
レクリエーションの中でビジネスの考え方が学べる
ゲームの内容によっては、ビジネスに対する考え方を学べます。たとえば「ビジネスマナーをクイズにして回答する」「複数人でチームを組んでひとつのことにチャレンジし、チームワークや業務の進め方を習得するゲーム」などです。座学で一方的に話して伝えるより、ゲームのようなレクリエーションで伝えたほうが記憶に残りやすいといえます。定着率が上がる可能性も高まるでしょう。
コミュニケーションの活性化につながる
新入社員研修では基本的に座学が中心です。しかし、座学での指導だけではビジネスマナーや企業理念などを理解できても、参加者同士のコミュニケーション活性化につながりません。研修にゲームを取り入れてグループワーク形式で議論を行える環境をつくれば、自然とコミュニケーションが深まるでしょう。
また、同じ新入社員同士でコミュニケーションを深められれば、人間関係も良好になるため、配属後の離職率低下が期待できます。
人材配置の参考になる
新入社員研修にゲームを取り入れると、企業にも大きなメリットがもたらされます。それは人材配置の参考になる点です。具体的には下記のようなメリットがあります。
・積極的に周りに声をかけコミュニケーションを取る社員は営業職
・それほどコミュニケーションを取りはしないものの、周囲をしっかりと観察して孤立している社員に話しかける社員は人事や総務職のように個性の見極めができるようになる
【アイスブレイクに効果的】新入社員研修に活用できるゲームのネタ4選
新入社員研修に活用できるゲームは、さまざまあります。ここでは参加者の緊張をほぐすことを目的としたアイスブレイクに効果を発揮するゲームを4つ紹介します。
出発点ゲーム
鬼になった人がそれ以外のメンバーのなかから、さまざまな動作の指示を出すリーダーを探し出すもので、震源地ゲームとも呼ばれるゲームです。
準備するもの | 特になし |
人数 | 10~15人程度 |
時間の目安 | 10~20分程度 |
【ゲームの流れ・ポイント】
- 鬼を決める(大人数でじゃんけんにすると時間がかかるため講師が適当な人を選んで指名するか、立候補制にする)
- 残ったメンバーが鬼を囲むために円座を組む
- 鬼が目をつぶっている間に動作の指示を出すリーダー役を決める(リーダーの決め方は鬼の決め方と同じにする)
- リーダーが決まったらゲームを開始する(リーダーは鬼に見つからないように、「手を叩く」「両膝をつかむ」「右手を挙げる」「ジャンプする」など次々と動きを変える)
- リーダー以外のメンバーも鬼にばれないようにリーダーに合わせて動きを変える
- 鬼がリーダーを見つけたらゲーム終了(続けて行う場合は、鬼が次の鬼を指名するとスムーズ)
体を動かすために緊張感がほぐれるのと同時に、全員で同じ動きをするため一体感が生まれやすくなります。
共通点探しゲーム
3〜4人でチームをつくり、そのなかで共通点を探し出すゲームです。最終的にはチームごとに共通点をひとつ選んで発表し、もっとも変わった面白い共通点を探し出したチームの勝ちとなります。
準備するもの | 紙、ボールペンなど |
人数 | 1チーム3~4人程度 |
時間の目安 | 30分~1時間程度 |
【ゲームの流れ・ポイント】
- 参加者同士で3〜4人のチームをつくる
- チーム内のリーダーを30秒〜1分以内に決める
- メンバー全員が1分程度の自己紹介をする
- 自己紹介が終わったら、5〜10分でメンバー全員の共通点をできるだけ多く書き出す
- 書き出した共通点の中から、1〜2分以内に全員に発表する共通点を1つだけ選ぶ
- リーダーが選択した共通点とその理由を発表し、もっとも面白い共通点を発表したチームを全員の挙手で決め、多かったチームが勝ちとなる
共通点探しゲームは、参加者のヒアリング力が求められます。共通点を探しているうちにお互いの人柄が見えてくるので、緊張緩和と同時に絆が生まれやすくなるでしょう。
バースデーライン
複数のチームにわかれて誕生日順に並ぶゲームです。会話をせずジェスチャーだけで互いの誕生日を推測しながら、早く正確に並んだチームの勝ちとなります。
準備するもの | 特になし |
人数 | 1チーム5~10人程度 |
時間の目安 | 10~20分程度 |
【ゲームの流れ・ポイント】
- 参加者同士で5〜10人程度のチームをつくる
- チームごとに円座を組み、進行役がスタートの合図をしたら、ジェスチャーだけで互いの生日を推測し、1月1日を先頭に並ぶ
- 制限時間になったら先頭から順に口頭で誕生日を発表し、ほかのチームよりも早くなおかつ間違いなく並んだチームの勝ち
会話以外に指で数字を表してはいけないというルールをつくると、より盛り上がり緊張感もほぐれるでしょう。
脱出ゲーム
近年、流行の脱出ゲームもアイスブレイクに効果的です。チームわけをして会議室から抜け出す、謎を解くといった形でチームワークの形成が期待できます。
準備するもの | クイズやミッション |
人数 | 1チーム3~5人程度 |
時間の目安 | 30分程度 |
【ゲームの流れ・ポイント】
- 参加者同士で3〜5人程度のチームをつくります。
- あらかじめ用意したクイズやミッションをいち早くクリアしたチームの勝ちとなります。
社会人のマナーや企業理念、文化などをクイズやミッションにすれば、チームワークが形成されると同時に、教育にもつながるのでおすすめです。
【コミュニケーションゲーム】新入社員研修に活用できるネタ4選
アイスブレイクに成功したら、次は参加者同士のコミュニケーションを活性化させられるゲームを4つ紹介します。
ドミノチャレンジ
チーム対抗のドミノチャレンジです。単純にもっとも早く並べたドミノを倒したチームの勝ちでも構いません。しかしもっとも時間をかけて倒したチームの勝ちにするとより盛り上がります。
準備するもの | ドミノ、ドミノの代わりになるような文具、用具 |
人数 | 1チーム3~5人程度 |
時間の目安 | 30分程度 |
【ゲームの流れ・ポイント】
- 参加者同士で3〜5人程度のチームをつくる
- 1チームに100個のドミノを渡し、5〜10分と制限時間を決めて自由に並べる
- 制限時間が来たら全チームが同時にドミノを倒し、もっとも早くもしくは遅く倒れたチームの勝ち
ドミノ以外に消しゴムや鉛筆、チョークなど何を使ってもよいルールにすると、チームごとの創意工夫が見られ、コミュニケーションもさらに活性化するでしょう。
ペーパータワー
A4もしくはB5のコピー用紙を使い、もっとも高いタワーを建てたチームを勝ちとするゲームです。
準備するもの | A4もしくはB5のコピー用紙(1チームにつき30枚)、高さを測るメジャー |
人数 | 1チーム3~5人程度 |
時間の目安 | 20分程度 |
【ゲームの流れ・ポイント】
- 参加者同士で3〜5人程度のチームをつくる
- コピー用紙を1チームにつき30枚配る。
- 進行役のスタートを合図に10分間でできるだけ高いタワーを建てたチームの勝ち
コピー用紙は切ったり折ったりするのは自由でも、コピー用紙以外を使うのはNGとするといったルールを決めます。それによりチーム内での議論も白熱し、コミュニケーション活性化につながるでしょう。
ジェスチャーゲーム
テレビ番組でもよく行われている定番のゲームです。細かい説明がなくてもすぐにでき、盛り上がる可能性も高いため、新入社員研修にオススメです。
準備するもの | ジェスチャーの正解を記載する紙 |
人数 | 何人でも |
時間の目安 | 人数に応じて10~20分程度 |
【ゲームの流れ・ポイント】
- ジェスチャーの問題はあらかじめ準備しておき、進行役が出す問題に参加者が順番にジェスチャーをして残ったメンバーが正解を出したら、次の人と交代する
- 制限時間内にたくさんの正解を出せるよう、全員が協力してゲームを行う
チーム制にするよりも全員がひとつのチームで行ったほうが盛り上がりが大きく、全員での一体感も向上します。
オンリーワンゲーム
共通点探しゲームとは反対に、チームメンバーのなかでも自分だけしか該当しない経験や事柄を見つけ出すゲームです。
準備するもの | 紙、ボールペンなど |
人数 | 1チーム3~4人程度 |
時間の目安 | 30分~1時間程度 |
【ゲームの流れ・ポイント】
- 参加者同士で3〜4人のチームをつくる
- チーム内のリーダーを30秒〜1分以内に決める
- 5〜10分でメンバー全員が自分だけだと思う経験や事柄をできるだけ多く書き出す
- 書き出したなかから、1〜2分以内に全員に発表するオンリーワンを1つだけ選ぶ
- リーダーが選択した自分だけだと思う経験とその理由を発表し、最も面白い経験を発表したチームを全員の挙手で決めて多かったチームの勝ち
オンリーワンゲームは、共通点を探すよりも難しいため、とにかく多くの経験を発言するとよいでしょう。積極的にコミュニケーションをとる姿勢が求められるゲームといえます。
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資料をダウンロードする【学習効果が期待できる】新入社員研修に活用できるゲームのネタ3選
緊張ほぐしやコミュニケーション活性化以外に学習効果が期待できるゲームもあります。ここでは、クイズ形式で社会人としてのマナーを習得したり、会社の設立から経営までを学んだりできるゲームを見てみましょう。
マナーストーリー
クイズ形式で社会人マナーを習得できるゲームです。
準備するもの | マナーストーリーのゲームキット、パソコン |
人数 | 1チーム2人 |
時間の目安 | 30分~1時間程度 |
【ゲームの流れ・ポイント】
- 参加者同士で2人組のチームをつくる
- マナーストーリーというゲームのカードを用意し、新入社員役とゲーム進行役に分かれる
- ゲームは企業訪問編と来客対応編の2つがあるため、それぞれ役割を交代しながらゲームを進める
マナーストーリーはオンライン版もあり、ゲームキットを用意する必要があります。遊びながら社会人としての基本マナーを習得可能です。
The 商社
世界のビジネスマーケットを舞台にカードを使って事業設立から経営を学べるゲームです。
準備するもの | The 商社のゲームキット、パソコン |
人数 | 1チーム3~6人程度 |
時間の目安 | 3~6時間程度 |
【ゲームの流れ・ポイント】
- 参加者同士で3〜6人のチームをつくる
- The商社のゲームキットを使い、計画・行動・決算のプロセスを1ターンとしてゲームを進め、合計で4ターンやって勝敗を決める
ほかのチームと交渉をしながらゲームを進めていくため、交渉術を駆使しながら会社経営を学べます。ゲーム時間が3〜6時間程度かかるため、複数日にわけて研修を行う際の半日もしくは1日を使える場合にオススメのゲームです。
マシュマロチャレンジ
乾麺常態のパスタと紐、マシュマロを使い、制限時間内にできるだけ高いタワーを建てることを目指すゲームです。
準備するもの | The 商社のゲームキット、パソコン |
人数 | 1チーム3~6人程度 |
時間の目安 | 3~6時間程度 |
【ゲームの流れ・ポイント】
- 参加者同士で4人のチームをつくる
- 各チームにマシュマロ1個、パスタ20本、テープ90cm、紐90cm、ハサミ1本を配布し、18分以内にできるだけ高いタワーを作ったチームの勝ち
ルールは「タワーの一番上にマシュマロを置く」「足場をテープで固定しない」です。パスタやテープ、紐は切ったり貼ったりできます。99cmというギネス記録を目指し、いかに高くしていくかの思考が試されるゲームです。
【リモートもおすすめ】新入社員研修に活用できるゲームのネタ2選
企業によっては新入社員研修を入社前に行うケースも少なくありません。その際、まだ地方に住んでいてリモートで参加する場合もあるでしょう。ここではリモートでも楽しめるゲームを2つ紹介します。
NASAゲーム
自分たちが宇宙飛行士として故障した宇宙船に乗っていると仮定し、残された15のアイテムからもっとも重要なアイテムを選択するゲームです。
準備するもの | 15のアイテムが書かれた紙(チーム分) |
人数 | 1チーム4~6人程度 |
時間の目安 | 30分~1時間程度 |
【ゲームの流れ・ポイント】
- 参加者同士で4〜6人のチームをつくる
- 15〜20分程度でチーム内で議論を重ね、もっとも必要なアイテムと不要なアイテム1つずつを選択する
- チームごとに回答とそのアイテムを選択した理由を発表する
- 模範解答にもっとも近いチームの勝ち
リモートで行う場合は、3〜4人程度の少人数チームにしたほうが発言もしやすくなります。
ワードウルフ
決められたテーマについて話し合い、一人だけ違うテーマが与えられた人を探すゲームです。
準備するもの | 15のアイテムが書かれた紙(チーム分) |
人数 | 1チーム4~6人程度 |
時間の目安 | 30分~1時間程度 |
【ゲームの流れ・ポイント】
- 参加者同士で4〜6人のチームをつくる
- チーム内でテーマに沿った話を進める(異なるテーマを与えられた人はウルフ・それ以外は市民)
- 制限時間が来たら、参加者が一人ひとり異なるテーマについて話しているメンバーの名前を挙げる
- 市民側がウルフを当てたら市民の勝ち、当てられなかったらウルフの勝ち
ウルフは1人ではなく、2人にするとよりゲーム性が高まり盛り上がります。
新入社員研修にゲームを取り入れるポイント
新入社員研修にゲームを取り入れるメリットは多いです。ただし、闇雲に取り入れるとかえって研修の成果が落ちてしまうかもしれません。ゲームを取り入れて研修の成果を高めるにはどうしたらよいのでしょう。そのポイントを3つ解説します。
目的を決めて行う
ゲームの効果を高めるためにも参加者に「なぜゲームをするのか」目的を事前に共有し、そのうえでゲーム後に振り返りを行い「何を得られたか」「目的は達せられたか」について話し合う時間をつくりましょう。ゲームをすること自体が目的になってしまうと、緊張の緩和やコミュニケーション活性化、学習効果向上といった効果が期待できなくなってしまいます。
実施時間を決めて行う
ゲームは研修の効果を高めるために行うもの。長時間ゲームに費やしてしまうと研修を受ける時間が少なくなるため、本来の目的が果たせません。勝負がつかないからといってゲームを長引かせてしまうと、メリハリがつかず研修の効果が期待できなくなってしまう可能性もあります。あらかじめゲームをする時間を決めておけば意識の切り替えがしやすくなり、適度に和やかな雰囲気を残せますし、研修の効果も高まるでしょう。
講師によってゲームの質が変わらないようにする
ゲームのルール説明や進行がしっかりしていないとまとまりがなくなり、本来の目的を果たせない可能性があります。また、講師や採用するゲームが異なれば、ゲームの盛り上がり方が変わる点にも注意が必要です。研修にゲームを取り入れる、どのようなゲームをどんなタイミングで行うのがよいかなど、事前に計画を立てておきましょう。ゲーム内容やゲームを行う目的の確認は研修を成功させるうえで重要なポイントです。
講師が変わっても研修内容やゲームの質を落とさないよう、新人研修マニュアルを整備しておきましょう。ゲームごとの目的や得られる効果、進め方についての概略にくわえ、実際にゲームを行った際の知見をマニュアルにまとめれば、誰が講師をやっても一定の成果が期待できます。
新入社員研修にゲームを実施しチーム力を高めよう
新入社員研修の目的は、新卒の参加者に対して社会人としての心構えやマナー、企業理念や経営方針、沿革などを教えること。ただし、緊張のあまり研修内容を理解できず終わってしまうケースも少なくありません。そこで研修内にゲームを取り入れると、緊張をほぐして集中力を高められる効果が期待できるのです。
ゲームを行い、研修の効果を高めるためにも「ゲームを行う目的の明確化」「講師間でのマニュアルの共有」を行いましょう。そしてゲームを研修に取り入れる理由や目的を理解し、参加者に伝えます。全員が目的を認識したうえで適切にゲームを進行できれば、参加者同士のコミュニーケーションが深まり、チーム力向上にも効果を発揮するでしょう。
しかし通常業務を行いながら研修カリキュラムを作成し実行するのは、担当者に大きな負担がかかるもの。そのような研修の効率化やコスト削減にオススメなのが「manebi eラーニング」です。カリキュラムの策定や研修別の資料作成などをサポートし、効率的な社員研修を実現します。人事部の社員研修担当者で効率化やコスト削減を検討されている際は、ぜひお気軽にご相談ください。
資料請求は「manebi eラーニング」サービス資料・教材一覧ダウンロードから。
お役立ち資料
【パワハラ防止法とは?パワハラの定義と企業が行うべき対策を解説!】
【コンプライアンス意識を高めるためのポイント〜研修の定着率も考える〜】
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